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割烹寿司『笑門』開店2周年 35歳でシアトルの日本食業界に飛び込んだ横山義久氏の45年の歩み

Man in a suit stands at the head of a long dinner table making a toast as guests listen.
『笑門』開店2周年と80歳の誕生日を祝う会でスピーチを行う横山氏
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シアトルの割烹寿司『笑門 ShoMon Kappo Sushi』が、2024年9月6日の開店から2周年を迎えました。8月下旬には祝賀会が催され、笑門を含むレストラングループを率いる横山義久氏の80歳を祝う会も同日開催。初出店当時のベルビュー市長をはじめ、横山氏とゆかりのある人々約30名が集いました。

目次

先人たちが築いてきたシアトルの日本食文化

Logo for Delicious & Healthy Love Sushi: red heart with a white eye inside, blue circular text around, small dots, and a sun symbol.

シアトルの日本食文化の歴史は、戦前に日本から移住した人々が故郷の味を持ち込んだところまでさかのぼります。そして1960年代、日本からシアトルへ渡った江戸前寿司職人・加柴司郎氏が、日本食レストランに初めて寿司カウンターを設けたことが、シアトルにおける寿司文化の出発点になりました。

横山氏がシアトル地域の日本食業界に足を踏み入れたのは1981年のこと。当時のシアトルは木材・航空・シーフードなどの産業が中心の中都市で、ベルビューはシアトルの東隣のさらに小さな郊外の街でしたが、横山氏は「緑が豊かで美しい風景に感激して、こんな場所に住んで何らかの形で貢献したいと思った」と振り返ります。

すぐにベルビュー市長のキャリー・ボーズマン氏に面会し、「I love your city. What can I do for Bellevue?」と単刀直入に聞いたところ、市長に「日本食レストランがまだない」と言われたため、「では日本食レストランを作ろう」と即決。幸運なことに、担保なしで銀行融資を受けることができ、同年11月3日、ベルビュー市に同市初の日本食レストラン『将軍ハウス』をオープンしました。

1986年12月1日に、ワシントン州において最初の寿司専門店『I Love Sushi』をベルビュー市にオープン。その後、レイク・ユニオン店レイク・ベルビュー店へと店舗を広げてきました。当初は「なぜこの名前を?」と言われることも多かった店名『I Love Sushi』も、やがてベルビューの日本食文化を代表する存在へと育っていきました。

『しろう寿司 Shiro’s Sushi』を受け継ぎ、姉妹店の『笑門』開店へ

2007年7月22日、横山氏は前述の寿司職人・加柴司郎氏が1994年に開店した老舗江戸前寿司店『しろう寿司 Shiro’s Sushi』を受け継ぎました。約30年にわたり地元で愛されてきた伝統の味を守り続けながら、その後もレストラン事業を拡大。2014年6月15日にはサンフランシスコに寿司会席専門店『KUSAKABE』を共同オーナーとして開店し、同年にミシュランの星を獲得しています。

2024年9月6日、『しろう寿司』の姉妹店として、シアトルのダウンタウンに割烹スタイルの『笑門』をオープン。さらに、2025年3月1日には『しろう寿司』と『アイラブ寿司』で合計5年、香港の高級鮨店で5年の経験を積んだ吉田道和氏をオーナーシェフとする『鮨和久』を東京の半蔵門にオープンしました。

横山氏が1981年の創業以来一貫して大切にしてきたのが、本場の日本で日本料理の技術・技能・経験を積んだシェフを採用し、店の中心に据える戦略です。この45年間に日本からE2ビザ(就労ビザ)で採用したシェフは165人に上るといいます。

『笑門』でも、熊本県出身で日本国内・イギリスで経験を積んだ西岡真輝料理長をはじめ、京都や広島、東京のミシュラン星付き割烹店で経験を積んだシェフたちが揃いました。

「大好きな日本、大好きな日本人が、海外で活躍する場所や機会をどんどん提供したい。それがこの45年間にわたってやってきたことなのです」

カウンター越しに味わう『笑門』ならではの体験

Sushi chefs in white uniforms prepare small bowls behind a wooden counter while diners sit with menus and drinks in the foreground.

『笑門』の醍醐味は、暖簾をくぐった瞬間から始まります。まるで日本の割烹店を訪れたかのような内観、パリッとした白衣に身を包んだ職人チーム、きめ細やかに動くスタッフ。L字型のカウンター席では、食材が目の前で調理され、盛り付けられる様子をじっくりと眺めることができます。「これはどのように作ったのか」「何が使われているのか」「この料理のヒントになったのは何か」といった質問にも丁寧に答えながら手は休めず、次々と料理が出来上がっていきました。

たくさんの人たちの努力が積み重なって、シアトルの食文化も大きく成熟しました。西岡シェフも「自分が受け入れられたのは、先人たちが積み重ねてきたものがあってこそ」という敬意を日頃から口にしています。「そして、それを可能にしてくれる、地元の生産者の皆さんからもたくさん学ぶことがある」と、西岡さん。笑門の料理人チームは、こうした先人へのリスペクトと「本物」へのこだわりを受け継ぎながら、コース料理を組み立てているのです。

2周年を彩った特別コース

A long wooden table set with blue placemats, plates of appetizers, and several wine glasses at a formal dinner.
2周年を記念して提供された特別コースの八寸

2周年を記念して提供された特別コースは、先付の茶碗蒸し(のどぐろ添え)から始まり、八寸では太刀魚天ぷらや本鮪、和牛、羽太など、季節の食材を盛り込んだ品々が美しく盛り付けられて出されました。刺身には平政と胡瓜、出汁の椀物には真鯛と冬瓜・トマトが用いられ、和牛を使った一品も変化を添えてくれます。寿司では石鯛やめいちだい、小肌、島鯵、穴子など多彩なネタが登場し、うま味出汁のブロスも添えられました。

デザートは西岡シェフがパイク・プレース・マーケットで見つけたというテンプテーション・メロンと、紫蘇と玄米茶を使ったアイスクリーム。ユニークな取り合わせで、爽やかなシアトルの夏を感じさせる締めくくりとなりました。

80歳を祝う一日 元ベルビュー市長も出席

Person in foreground holds a pink smartphone and takes a photo of two smiling men posing together in a hallway.
元ベルビュー市長のキャリー・ボーズマン氏も出席

また、この日は横山氏の80歳の誕生日も祝われ、45年以上にわたる横山氏の歩みを見守ってきた業界関係者や常連客など約30名が集いました。1981年に最初のレストラン『将軍ハウス Shogun House』を開店した際のベルビュー市長も出席し、会は終始和気藹々。季節の食材がたっぷりの料理に舌鼓を打ちながら、シアトルの日本食業界の変遷を振り返り、世の中はいつも行動力のある人、それを支える人によって動いていることを実感させられるひとときとなりました。

Older couple posing at a birthday party with gold 'HAPPY BIRTHDAY' balloons and a balloon backdrop.
横山氏と妻の恵子さん

横山義久(よこやま よしひさ)氏 略歴
1946年、仙台生まれ。中学から東京で育ち、日本大学理工学部卒業後、石油会社に就職。1973年から約3年間にわたりロサンゼルス在住経験を経て、米国の建国200周年にあたる1976年7月4日に東京で米国情報協力センター(現・エディクム  本社:東京原宿)を創業。現在の社長は4代目で、創業50周年の2026年までに支援した中高生の留学生は10,000人以上にのぼる。1981年に夫婦でシアトルに移住し、同年11月3日、郊外のベルビュー市初の日本食レストラン『将軍レストラン』を開店。1986年に『アイ・ラブ寿司』を開店し、シアトルにも進出。シアトルに江戸前寿司の文化を持ち込んだ寿司職人・加柴司郎(かしば・しろう)氏が1994年に創業した『しろう寿司』を2007年から経営。2014年にサンフランシスコに寿司会席『KUSAKABE』を開店。2024年にシアトルに割烹寿司『笑門』、2025年に東京・半蔵門に『鮨和久』を開店。

笑門 ShoMon Kappo Sushi
住所:2301 5th Avenue, Seattle
営業時間:火〜日 午後5時〜10時
公式サイト:sho-mon.com

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