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日本酒愛好家が集う、シアトル市内近郊の日本酒バー&酒蔵

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日本酒造中央組合によると、日本からの日本酒の輸出金額では中国が1位ですが、輸出総量ではアメリカが1位。2023年は在庫調整やインフレが影響して前年割れしたものの、アメリカでは日本酒の認知度に地域差があるため、まだまだ市場が拡大できると見られています。シアトルでは、2007年に創業した日本酒バー『Saké Nomi』を始め、日本酒を深く体験できる場所がいくつかあります。ここでは、シアトル市内近郊にある日本酒バーと酒蔵をまとめました。

もくじ

Saké Nomi

2007年のオープン以来、シアトルを代表する日本酒専門店&日本酒バーとして人気を誇る Saké Nomi。商品棚には日本全国から集められた選りすぐりの地酒が常時200種類以上も並んでいます。週替わりのテイスティング・メニューが用意されているほか、フライト、グラスオーダーも可。さまざまなイベントも開催しています。「『百薬の長』と呼ばれる日本酒の良さを、日本の酒蔵を維持するためにも、もっと伝えていきたいですね」と、オーナーで “日本酒エヴァンジェリスト” とも呼ばれるジョニー・ストラウドさん、たい子・ストラウドさん夫妻。ジョニーさんとたい子さんの日本酒愛と知識の深さに、ワクワクさせられること間違いなしです。

ジョニーさんは大学卒業後の1988年に日本に渡り、岩田県紫波町(しわちょう)で3年間にわたり外国語指導助手を務めた際、日本酒を知る機会に恵まれたそう。その後、アメリカに帰国するも、再び日本で働き、1996年にシアトルへ。日本酒の素晴らしさをアメリカで広めようと決心し、2007年に起業しました。熱心に日本酒について啓蒙活動を続けた結果、その名前は広く知れ渡るように。大ヒットしてドラマ化もされた日本酒の漫画『夏子の酒』 の作者・尾瀬あきら氏が来店し、その後、尾瀬氏は作中で主人公の蔵人(クロード)がシアトルで『Saké Nomi』でジョニーさんとたい子さんと出会う画面を描いています。

【エリア】 パイオニア・スクエア
【住所】 76 South Washington Street, Seattle(地図
【公式サイト】www.sakenomi.us

Hannyatou 般若湯

シェフ・相馬睦子さんが、2019年5月に開店した『般若湯』(はんにゃとう)。約50種類の日本酒と、相馬さんが独自に開発したオリジナルの発酵食品が楽しめる、ユニークなセレクトショップ&バーです。相馬さんが味噌や酢、麹や漬物など、日本人にとっては身近な発酵食品のアイデアを使って作るオリジナルの発酵食品をぜひ。気に入った日本酒はボトルで購入できるようになっています。

相馬さんは、2017年に手打ち蕎麦と季節の天ぷらの店『かもねぎ』を開店し、グルメのメディア 『Food & Wine』 の最優秀新人シェフの一人に選ばれるなど、人気シェフの地位を確立しています。

【エリア】 フリーモント
【住所】1060 North 39th Street, Seattle(地図)
【公式サイト】 www.hannyatou.com

Tahoma Fuji Sake Brewing Company タホマ富士酒造

アンドリュー・ナイヤンズさん

2013年の夏にアンドリュー・ナイヤンズさんがシアトルのバラードで創業した酒蔵 Tahoma Fuji Sake Brewing Company。富山県の富美菊酒造で蔵人として働いた経験もあるアンドリューさんは、2007年に日本からシアトルに戻り、Maritime Pacific Brewing CompanyGeorgetown Brewing Company の地ビール工場で働きながら酒蔵の構想を練り続け、酒造を創業しました。Tahoma Fuji というネーミングは、日本とシアトルの架け橋になりたいと、かつてマウント・レーニアが日系人からタコマ富士と呼ばれていたことにちなんでいます。

Tahoma Fuji Sake Brewing

Tahoma Fuji Sake Brewing の日本酒は、前述のジョニー&たい子・ストラウドさん夫妻の『Sake Nomi』、相馬睦子さんの『般若湯』『かもねぎ』、シアトル発のコープ・PCCの複数店舗、木本真さんの『Rondo』、バラードの老舗レストラン『Ray’s Boathouse』など、さまざまなレストラン、バー、カフェ、スーパーマーケットなどで購入できます。詳細は公式サイトでご覧ください。

【公式サイト】tahomafuji.com

Shirafuji Sake Brewing Company 白富士 

冨沢酒造店 21代目当主の冨沢守さんと妹の冨沢真理さん

イナリーやブルワリー、ディスティラリーの集積地として知られるシアトル郊外のウディンビル市。ここに、2011年に福島県双葉町で被災した冨沢酒造店が移転し、2023年に伝統の地酒 『白冨士』 のアメリカでの初仕込みを始め、300年以上にわたり酒を造り続けてきた歴史を紡いでいます。

酒蔵にオープンしたテイスティング・バーは、日本酒好きが集まるところ。ある日のテイスティングは大賑わいで、「日本に3年住んでいたので、日本酒も好き」という方や、「YouTubeで使い方を調べて挑戦してみたい」と酒粕を購入して帰る方など、お客さんが次々訪れていました。

取材・文:ハントシンガー典子・編集部

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