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シアトルで活躍!日本人シェフ:Sushi Kappo Tamura(田むら) 北村太一さん

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Sushi Kappo Tamura
田むら

【住所】2968 Eastlake Avenue East, Seattle, WA 98102 (地図
【電話】(206) 547-0937
【公式サイト】sushikappotamura.com
【営業時間】月~木 5pm-9:30pm; 金土 5pm-10pm; 日 5pm-9pm

京都出身の北村太一さんが2010年7月にイーストレイクに開店した 『Sushi Kappo Tamura 田むら』。木製の大きなドアを開けると、そこは “和” の空間だ。テーブルへ案内されながら暖簾をくぐるまでの数歩の距離にも竹製の照明が配置され、暖簾をくぐると、目の前には十数人がすわることのできる寿司カウンター、右手はプライベート・ダイニングも楽しめるテーブル席、そして左手は大きな窓を最大限に利用したダイニング・ルームが広がる。

17歳だった高校時代にシアトルの北にあるリンウッド市の高校に編入し、シアトル大学で国際ビジネスを専攻した北村さん。しかし、幼少の頃から料理が好きで、大学時代からキャンパス外の日本食レストランで働いていた経験から、料理の道に入ることを決意。シアトル市内のレストランで経験を積み、27歳の時にフリーモントに初めての店 『馳走』 を開店して「自分の店を持つ」という夢を実現した。その後、馳走を売却し、『Kappo 割烹』 を開店。しかし、2010年からはこの 『田むら』 一本。昨年にはシアトル・マガジンの最優秀レストランにも選ばれたこともある。。

旬の食材が中心のメニューは頻繁に変わるが、北村さんが開店から数ヵ月後にメニューに加えたのが、『サステナブル寿司の盛り合わせ』。これはサステナブルな魚介類の基準となっているサンフランシスコのモントレーベイ水族館による 『Seafood Watch List』 の “Best” と “Good Alternative” のカテゴリにリストされている魚介類のセレクションを使ったもの。今回は、クック入江産のソッカイ・サーモン、ピュージェット湾産のグイダック、アラスカ産のキング・クラブとスポット・プラウン、ワシントン州産アルバコア・ツナ、ステラー湾の帆立の握りとチャム・サーモンのイクラの軍艦巻きを堪能。手作りの温かみのある皿も、和を演出してくれる。

もちろん、サステナブルな寿司はセットで注文しなくても個別に握ってもらうこともできる。メニューに並ぶネタの名前の横に魚の絵が書いてあるのがサステナブルの印。上の写真の握りは、サステナブルなアラスカ産キング・クラブに、サステナブルではないカナダはユーコン・リバー産のキング・サーモン、そしてピュージェット湾産のウニ。好きなものをいろいろ食べたい人にぴったりだ。

また、同店は一品料理も充実。これはハマチかまの焼き物。身がしっかりついているので、食べ応え十分だ。その他には、オーガニック牧場のスカジット・リバー・ランチの鶏肉や豚肉を使った一品、秋から冬にかけてグッとおいしくなる大根を使ったぶり大根、アラスカ産ブラック・コッド(銀鱈)のみりん干し、オーガニック農場のフル・サークル・ファームの水菜を使ったサラダなど、バラエティ豊かな料理が楽しめる。

一品ずつ注文するのが面倒という人は、北村さんのセレクションによる「おまかせ」にトライしてみてはいかがだろう。サプライズが楽しめること間違いなしだ。

食後のデザートも、”和” の雰囲気たっぷり。バターで焼いた餅に餡子をかけた一品や、秋らしく栗を使ったクリーム・ブリュレなど、季節によってセレクションが変わる。このクリーム・ブリュレは生地に栗がたっぷり混ぜ込んであり、表面のカラメルもほど良い分量と硬さなのが嬉しい。笹の葉と共にサーブされるシンプルさが日本らしさを感じさせてくれる。

サステナブルな寿司が食べられるのは、シアトル市内では同店が2軒目。おいしさを犠牲にすることなく、これを実現しているのは北村さんならでは。旬の食材はもちろん、できるだけオーガニックやナチュラルにこだわろうとすることからも、新しい世代のシェフであることを感じさせてくれる。

掲載:2010年11月

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