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第5回 日常に取り入れる、やさしいケアと「伝わる」子育ての知恵 

A mother sits cross-legged beside a man who helps a baby seated on a striped play blanket with toys inside a room.
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皆さん、こんにちは。Yukoです。 前回は、日々の「寝ない・泣き止まない」という悩みはもちろん、災害などで心がざわつく時に役立つ「ナーチャリングタッチ」をご紹介しました。今回は、乳児期によく見られる便秘やコリックのおうちケアと、親子のふれあいを深める「わらべうた」の魅力をお届けします。

目次

赤ちゃんのお腹の悩みにやさしくできること

乳児期に多くの親御さんが遭遇するのが、赤ちゃんのお腹の悩みです。もともと便秘がちな子どももいますが、特に多いのが「離乳食への移行期」に便秘になってしまうケースです。

また、夕方になると何をしても激しく泣き出す赤ちゃん。激しく泣く姿は本当にかわいそうですし、親御さんも途方に暮れてしまいますよね。

日本では「黄昏泣き」と一括りにされがちですが、実は英語圏で「コリック(Colic)」と呼ばれるものとは少し異なります。コリックは単なる機嫌の悪さではなく、未発達な消化器官によるお腹の張りや苦しさが主な原因と言われています。(参考:Mayo Clinic

大人も子どもも1日の疲れが出やすい夕方に激しく泣かれるのは、本当につらいものです。「何をやっても泣き止まない」状態が続くと、親は無力感(powerless)や絶望感(hopeless)を抱きやすく、実際にコリッキー(Colicky)な赤ちゃんを持つお母さんは産後うつの発症リスクが高まるというデータもあります。

ですが、覚えていてほしいのは、コリックは決して親の関わり方が悪いからではないということです。どうか自分を責めないでくださいね。

(※注釈・参照データ:コリック(激しい長泣き)と親のメンタルヘルスおよび産後うつ(PPD)の発症リスク増加に関する相関は、以下の学術研究・医学データベース等に基づいています。
・PubMed (National Library of Medicine): Infant crying and maternal postpartum depression
・BMJ(British Medical Journal):Mothers’ postpartum psychological adjustment and infantile colic

効果を急がない関わり方とおうちケア

コリックの症状を和らげる手段として、ベビーマッサージはとても有効だと言われています。ただ、辛そうに泣く我が子を前にすると、どうしても「早く治してあげなきゃ」と焦ってしまいますよね。

私のベビーマッサージの恩師が、かつてこんなことを話してくれました。

 「コリッキーな長女を連れて途方に暮れていた時、ベビーマッサージに出会い、『治したい(fixしたい)』一心で始めました。でも続けていくうちに気づいたんです。症状を直そうとするよりも、この子を信じて育つ過程(ジャーニー)を楽しむことの方が大切なのだと」

ベビーマッサージは、子育ての悩みを一瞬で消し去る魔法ではありません。ですが、「こういう時はこう接したらいいんだ」という関わりの引き出しを増やしてくれます。毎日同じように赤ちゃんに触れていると小さな「変化」に気づきやすくなり、親としての観察力や洞察力も育まれます。

便秘の時やお腹にガスが溜まりやすい赤ちゃんには、ぜひ優しくお腹を撫でるマッサージを取り入れてみてください。具体的な手順は掲載画像をご参照ください。

「遊び方がわからない」と感じたら

教室に来られる方から「初めての赤ちゃんなので、遊び方がわからない」「パートナーにも関わり方を学んでほしい」というお声をよくいただきます。

そんな方におすすめなのが、「わらべうた」を使ったふれあい遊びです。親子で一緒に歌いながら体を動かすだけで、張り詰めていた表情が自然と和らいでいきます。

わらべうたは、子育ての知恵がたくさん詰まった、赤ちゃんとの初めての会話(コミュニケーション)です。心地よいリズムで日本語の音と言葉を学びながら、世代を超えた “健やかな成長への願い” を届けることができます。

「健やかに大きくなりますように」 「子は宝。幸多い人生となりますように」

そんな温かい想いが、わらべうたには込められています。

声・リズム・タッチがつくる安心感

私が「わらべうたベビーマッサージ」を始めて、もうすぐ一年になります。最初はわらべうたにあまり馴染みのない方も、実際にふれあっていくうちに親子ともに本当に素敵な笑顔を見せてくださいます。

わらべうたの最大の魅力は、触れることに “リズム” が加わるため、日常に自然と取り入れやすいことです。上手・下手に歌う必要はまったくありません。

最後に、今日からおうちで楽しめる2つのわらべうたをご紹介します。

1.ちょつちょつ あわわ 

Four-panel cartoon showing a baby performing simple eye exercises: rubbing the eyes, rotating the eyes with the fingers, covering the eyes with hands, and making circular eye motions toward the sides.

目を見開き世界をよく見ること、口を慎み、耳を澄まして人の話を聞き、世の中をしっかり見通す力を育てるという、人生の基本を教える言い伝えが込められています。以前、日本語を母国語としないお子さんたちとこの遊びをした際、一瞬で引き込まれて大好きになってくれたことがありました。忙しい日常に笑顔を運んでくれる、まさしく「魔法の言葉」のような遊びです。

2.こまんかこまんか、こまんかなみ 

母親が膝の上で赤ちゃんを左右に揺らす遊び方と、次に赤ちゃんを持ち上げてジャンプさせる遊び方を示すイラスト。名前の遊び方を解説した2コマ構図。

「小さい波が大きくなるように、子どももすくすく大きくなりますように」という成長の願いが込められた、愛らしい手遊びうたです。

(遊び方は掲載画像をご参照ください)

完璧でなくて大丈夫、目の前のお子さんとの今この瞬間の「ジャーニー」を、歌とタッチで楽しんでみてくださいね。

写真・画像:本人提供

執筆者

リビングストン 祐后(ゆうこ)
元看護師。ベビーマッサージ教室主催&産後ドゥーラ。2008年より東京都立小児総合病院(旧・清瀬小児病院)にて、小児科や産科など多岐にわたる領域で10年以上の臨床経験を積む。2024年、Blossom&Berry ベビーマッサージインストラクター認定。現在はシアトル近郊を拠点に、日本語と英語のバイリンガルで親子向け教室を開催。発達心理学に基づいたアタッチメント(愛着形成)を軸に、マッサージを通じた「子どもの心を育む親子の絆づくり」をサポートしている。

公式サイト:yukomylilnest.podia.com
公式インスタグラム:@yuko_lilnest_babymassage
メール:yukoliv0513@gmail.com

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