グーグルの親会社アルファベット傘下の自動運転企業 Waymo(ウェイモ) が、ついにシアトル都市圏での展開を正式に発表しました。公式ブログでは「We’re heading North – the Pacific Northwest to be exact!(北へ向かいます——太平洋岸北西部へ)」とのタイトルで、シアトルの街へ拡大することを明らかにしました。
サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティン、アトランタでは、すでに乗客が無人のロボタクシーの配車サービスを利用できるようになっています。世界有数のテクノロジーハブであるシアトルも、今回の動きがその実現に向けた一歩になるでしょうか。
過去のベルビューでの試験から規模を拡大

同社はこれまでアリゾナ州フェニックスやカリフォルニア州サンフランシスコなどで自動運転サービスを展開してきましたが、シアトルは秋から初春にかけては雨が多く、中心部は坂道も多い環境なので、Waymo が「雨でも晴れでも走れる」技術力をアピールするにはうってつけです。
シアトルのテクノロジー専門メディア、GeekWire によると、Waymo は2022年にベルビューの一部地域で試験走行を行った経緯があります。今回の取り組みはその経験を踏まえ、より広範囲に進められるとのことですが、すぐに Waymo を呼べるようになるわけではありません。Waymo は TechCrunch に対し、まずは今週から同社の車両にドライバーが同乗して運転する形で道路状況のデータを収集してから自律走行の試験へと移行し、「許可が得られ次第」サービスを始めたいと述べています。
デンバーでも同時に始動

同じタイミングで、Waymo は デンバー都市圏にも進出し、今秋には配車サービスを開始すると発表しました。公式ブログによると、第5世代の Waymo Driver を搭載した Jaguar I-PACE と、第6世代を搭載した Zeekr RT 車両を導入し、まずは基盤づくりから始めるとのこと。新しいシステムは、ミシガン州やニューヨーク州北部、シエラネバダ山脈での冬季走行経験を踏まえて開発されており、厳しい気候でも自律運転を継続できるよう設計されているそうで、市や州の当局と緊密に協力し、地域社会とのつながりを大切にしていくと述べています。
まとめ
Waymo のシアトル都市圏での自律走行配車サービスの開始は「許可を得られ次第すぐ」自律走行配車サービスの開始までにはまだ時間がかかりますが、実用化が進めば観光客にとっては空港やホテル、市内観光スポットへの移動がより便利になり、車を運転しない旅行者にも安心できる移動手段となる可能性があります。また、住民にとっても、自動運転車は高齢者や運転が難しい人の移動を支える新しい選択肢となり、通勤や買い物など日常の移動を補う存在になるかもしれません。生活や観光に少しずつ影響を与えていく動きとして注目です。