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2025年5月:アメリカの永住権(グリーンカード)保持者が知っておくべき重要ポイント

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トランプ政権下での移民政策に対する不安の声が広がっています。自己強制送還の通知が突然届いたり、知らない間にビザがキャンセルされたり、何十年も前の軽微な違反歴が理由で入国審査で拘束されるなどといったケースが報じられており、その影響でアメリカ国内に生活基盤がある永住権(グリーンカード)保持者が海外渡航の予定を変更したり、帰化申請へ踏み切ったりする人が増えています。

目次

グリーンカードとは?有効期限と更新の基本

グリーンカードは、アメリカの永住資格保持者であることを証明する身分証明書です。アメリカに住み、働く資格があることを証明することができます。法律上、18歳以上の永住者は常に有効なグリーンカードを携帯することが法律で義務付けられています。

  • 通常のグリーンカードの有効期限は通常10年です。
  • アメリカ人やグリーンカード保持者との結婚を通してグリーンカードを取得した方は、当初、2年間の条件付きのグリーンカードが発行されることがあります。2年間の有効期限が切れる前に、10年もののグリーンカードへの切り替えが必要です。

有効期限なしの古いグリーンカードをお持ちの方

1989年頃までに発行されたグリーンカードには有効期限が記載されていないものがあります。有効期限の記載がないグリーンカードは機械で読み取れず、Global Entryなどにも使えません。

移民局は、10年ごとに更新が必要な最新のグリーンカードに切り替えるよう勧めています。

2025年5月7日以降のアメリカ国内便の搭乗に注意:Real ID対応

5月7日より、空港のTSA(空港保安局)のチェックポイントでの身分証明が厳格化されます。アメリカ国内の旅行であっても、18歳以上の大人はReal IDに準拠した有効な身分証明書を提示しなければなりません。州発行のEnhanced Driver’s Licenseの他、グリーンカードや外国政府発行のパスポートも有効な身分証明書のリストに含まれています。

グリーンカードの更新申請:新しいI-90フォームに注意

  • 10年もののグリーンカードは有効期限の6ヶ月前から申請可能
  • 2年の条件付きのグリーンカードは有効期限の90日前から申請可能
  • 有効期限がない古いグリーンカードは、すぐに申請可能

また、カードを紛失したり、カードに記載されている情報に変更がある場合(例: 結婚してラストネームが変わったなど)も、すぐに申請可能です。

  • 2年の条件付きのグリーンカード保持者が条件削除の申請をする際の申請書:I-751
  • 10年もののグリーンカードの更新などの、その他の申請の場合:I-90

2025年5月29日より、I-90を使った申請では2025年1月20日に発行されたバージョンのみ有効です。それ以前に発行されたバージョンは使えなくなります。

新しいI-90には、以下のような質問が追加されています。

  • グリーンカード保持者になってから継続的にアメリカに滞在していなかった時期
  • アメリカ国外の自宅や雇用

現在、申請書の改正が頻繁に行われているため、申請時に有効な申請書であるかどうか必ず確認してください。

引越し後の義務:AR-11での住所変更申請

アメリカ国内に滞在しているグリーンカード保持者を含む外国人は、引っ越し後10日以内に「AR-11」という書類で移民局に住所変更の報告をする必要があります。

海外旅行と再入国の注意点

アメリカ国外への旅行は、有効なビザやグリーンカードを持っている人々にとってもリスクが高まっている傾向にあります。

基本的に、犯罪歴のないグリーンカード保持者は、出国や再入国に対して必要以上に不安や恐怖を抱く必要はないと思います。

ただし、犯罪歴のあるグリーンカード保持者は、できる限り出国は避けるべきです。どうしても出国する必要がある場合は、少なくとも、移民法弁護士に相談してからの方がよいと思います。

入国審査の厳格化:コンピュータやスマホの検査、ソーシャルメディアの確認

全体的に、入国審査が厳しくなり、空港でコンピュータや携帯電話の中身を検査されたり、二次審査に回されるケースも増えている傾向にあります。

移民法関連の申請に関しては、申請書の改正が頻繁に行われたり、審査期間が長引いたり、ソーシャルメディアのチェックなども行われるようになりました。

移民局は、申請者の身元確認や、申請内容との整合性、国家安全保障のスクリーニングなどが目的で、ソーシャルメディアの情報を使用しています。また、今後さまざまな申請において、ソーシャルメディア情報の提供を義務づける(申請書にソーシャルメディアの質問が追記されること)も発表されています。

琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
Kotokawa & Isohata, PS
6100 219th Street SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043. USA
Phone: (206) 430-5108
www.kandilawyers.com

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。

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