シアトルの歴史ある観光名所の一つ、パイク・プレース・マーケットが、恒例のホリデー・イベント『マジック・イン・ザ・マーケット』を11月29日(土)に開催します。2025年で30周年を迎えるこのイベントは、マーケットの伝統、シアトルならではのパフォーマンス、ホリデー限定スイーツ、そしてサンタクロースも登場するホリデーのイベントなど、全世代が楽しめるアクティビティが盛りだくさんです。
無料で楽しめるアクティビティ

- サンタクロースとの無料写真撮影 – サンタと一緒にホリデーの思い出を撮影(11am-4pm)。
- トナカイとのふれあい – トナカイたちに間近で会えるチャンス。
- 魔法の杖づくり – 自分だけのフェスティブな杖を作ってみては。
- ぬりえ式ホリデーカード – 数字に合わせて色を塗り、季節のデザインを完成!
- スカベンジャーハント – マーケットのどこかに隠れされているエルフを探して賞品をもらおう。
- ライトアップの写真撮影 – ライトアップしたマーケットの背景で最高のホリデー写真を。
- ホリデー合唱団 – 季節の音色をライブ演奏と合唱で楽しもう。
- Atrium Kitchen のシェフ、トレーシーによるクッキーデコレーション – 子どもから大人まで参加可。
- Sip & Savor:21歳以上限定のマーケット・テイスティング – マーケット内でホリデーの一口グルメとドリンクを味わおう。テイスティングチケットはこちらから購入可能。21歳以上限定。

ライトアップセレモニー(5:00PM – 6:00PM)

サンタのカウントダウンでマーケットの木々や装飾が一斉に点灯。ホリデーシーズンの幕開けを祝います!

パイク・プレース・マーケットの歴史 日本からの移民が大きく貢献

正面入口の上部に設置されている切り絵の壁画『Song of the Earth』
パイク・プレース・マーケットは、食材の価格高騰に怒る市民の声と、仲介業者が農作物を低価格で買い取ることに怒る農家の声を受けて1907年に開設された公衆市場です。
オープンしてすぐに人気となり、翌年の1909年には1日平均64軒の農家が出店し、月間30万人が訪れるようになりました。
日本から移住して農業を営んでいた日本人とその子どもたちの日系アメリカ人も出店しましたが、農家同士が出店する場所を取り合うようになり、多くの日本人・日系アメリカ人は市場の中でもアクセスの悪いところに追いやられてしまったそうです。パイク・プレース・マーケット・ファンデーションによると、日本人・日系アメリカ人に対する差別は1920年代〜1930年代に入っても続きましたが、マーケットで販売されていた野菜や果物の75%は日本人・日系アメリカ人の店によるものだったそうです。
1941年12月7日(米国時間)に日本がハワイの真珠湾を攻撃した当時、日本人・日系アメリカ人の農家はマーケットの店の5分の4を占めていましたが、1942年2月19日にフランクリン・ルーズベルト大統領が大統領令9066号に署名・発令して米国西海岸に住んでいた日本人や日系アメリカ人約12万人がアメリカ西部の過疎地に設置された強制収容所に収容されてしまうと、マーケットは廃れてしまいました。
そこで、マーケットを解体し、オフィスビルやアパートにするという再開発の案が出されましたが、1964年にマーケット保存を目標とする Friends of the Market という団体が設立され、建築家ビクター・スタインブルック氏が率いる保存運動が展開され、1971年にパイク・プレース・マーケットを歴史地区として保存する条例が有権者投票によって可決されました。
この保存と開発の決まりは現在も徹底して守られており、パイク・プレース・マーケットはシアトルを代表する観光スポットの一つとなっています!
パイク・プレース・マーケットの発展に貢献した日系人の歴史を伝えるために、正面入口の上部に設置されている切り絵の壁画『Song of the Earth』は必見です。


