ワシントン州は全米最大のりんごの産地。秋のシアトル近郊でも、家族や友人と一緒に『りんご狩り(U-PICK)』を楽しめる農園が数多くあります。グラベンシュタインやゼスターなどの早生品種から、人気のハニークリスプやコズミッククリスプまで、品種ごとに収穫の時期が異なり、8月下旬から10月にかけて長くシーズンを楽しめます。ここでは、2025年秋に訪れたい代表的な農園を紹介します。
スノホミッシュ
ベイリー・ファーム

スノホミッシュの豊かな農地に広がる5世代続く家族農園で、夏から秋にかけて多彩な野菜や花とともにりんご狩りが楽しめます。9月中旬頃からハニークリスプを中心に収穫が始まり、地元の人々に長年親しまれてきた温かみある雰囲気が特徴です。料金は重さで決まります。ペットの同伴は不可。
パンプキンパッチやコーンなどの野菜の畑と、りんごやベリーなどの果樹園は、道路を挟んで別々になっています。日陰がないので、天気の良い日は帽子をかぶるのがおすすめです。
スワンズ・トレイル・ファームズ

シアトルから車で約1時間。12エーカーの巨大コーンメイズ(迷路)や動物ふれあい体験など、子ども連れに人気の農園です。5エーカーに広がるりんご畑ではジョナゴールドやハニークリスプなどを収穫でき、ハーベスト・フェスティバルも同時開催され、秋の一日をたっぷり楽しめます。
レイジング・ケーン・ランチ

オーガニック農園とハードサイダー醸造所(cidery) を兼ね備えた家族経営の農園です。農場では20種類以上のりんごに加え、アロニアベリーやハックルベリー、カレント類、ナッツなども栽培されています。りんご狩りは秋に実施され、ヘリテージ品種や伝統的なサイダー用りんごまで幅広い品種が揃っているのが魅力。入園料は無料で、収穫した果物は重量制で精算します。園内にはピクニックテーブルや簡易トイレが整備されており、現金・クレジットカードの利用が可能です。

「木からタップまで(Tree to Tap)」をコンセプトに、農園で育ったりんごや果実を使ったシンプルで誠実なサイダーづくりを行っています。テイスティングルームでは、1種類から最大6種類まで選べるテイスティングが用意されており、少しずつ飲み比べることが可能です。サイダーは季節や仕込みごとにラインナップが異なり、Scrumpy(野生酵母発酵)、Dry、Semi-Sweet、ブラックベリーなどの定番に加え、季節限定のフレーバーも提供されています。
スナックはポテトチップスやプレッツェルのみ販売されており、軽食の持ち込みも許可されています。サイダーを片手に、持参した料理をゆっくり味わえるのは嬉しいですね。
事前予約制でサイダープレス・パーティーも開催。金曜日または日曜日の午前に3時間枠で参加でき、収穫したりんごをその場で絞り、サイダーの原液を作る体験ができます。
スキップリー・ファーム
オーガニック栽培に力を入れ、300種類以上のりんごを育てる多様性豊かな農園です。グラベンシュタイン(Gravenstein)、あかね、ゼスター(Zestar)、さんさ(Sansa)など珍しい品種もあり。週末は午後2時以降だと、混雑を避けながらゆったり収穫できます。料金は重さで決まります。10月の第2日曜には恒例のプラントセールも開催予定。
スカジット・バレー
ジョンズ・クリーク・ファームズ
スカジット・バレーに位置し、80種類以上のりんごや梨を栽培する農園です。定番の品種から珍しい品種まで、食味の違いを楽しめるのが特徴。公式サイトで収穫可能な品種を確認してみてください。
ウェナチー
スタッツマン・ランチ

ワシントン州中央部のウェナチーにある家族経営の農園で、桃や梨、りんごやブドウの人気の品種を収穫できます。シアトルからはやや距離がありますが、果物の質の高さで根強い人気を誇ります。クレジットカードやデビッドカードで支払ますが、現金で支払う場合は5%の割引がもらえます。収穫できる果物の詳細は公式サイトでご覧ください。週末は混雑するので、平日がおすすめ。シアトルから行くなら、途中でドイツ村レブンワースに寄ることもできます。

ファーンデール
スマップルズ
ファーンデールにある家族経営の農園で、素朴で親しみやすい雰囲気が魅力です。8月下旬にルビーマックから始まり、9月にはハニークリスプやジョナゴールド、あかね、フジなどが収穫期を迎えます。支払いは現金または小切手のみ(米ドルのみ)。地域に根付いた昔ながらのU-PICKを楽しめます。2025年はアップルサイダー、地元産の無濾過ハチミツも販売しています。U-PICK した果物を持ち帰る袋や箱を持参すること。
リンデン&ファーンデール
ベルウッド・ファームズ

ワシントン西部最大級の62エーカー(リンデンに47エーカー、ファーンデールに15エーカー)を誇り、果樹園・蒸溜所・レストラン・イベントスペースを備えた観光型農園。果樹園には25,000本の果樹が栽培されており、22種類以上のりんごや梨を収穫できます。オーガニックではありませんが、可能な限りサステナブルな方式を採用していることから、サーモンにも安全と認定されています(Certified Salmon Safe)。秋にはトラクタートレインやパンプキンパッチが楽しめます。カナダの国境のそばにあり、カナダに行く途中に寄ることもできますが、カナダへの果物の持ち込みはできません。

訪れる場合の注意点
- ペットは畑に立ち入ることはできないため、農場へのペットの同伴は許可されていません。
- U-Pick したリンゴを運ぶカートやワゴンを持参することもできます。
- ワシントン州の一部のU-PICK農場では、収穫中に作物を食べず、計量と洗浄が終わるまで待つようルールを設定しています。これは、未洗浄の果物には細菌や農薬の残留がある可能性があるための食品安全上の理由と、収穫した分をきちんと計量して農場が代金を受け取るためです。 ベリー類などでは比較的ゆるやかな農場もありますが、必ず入口や受付で掲示されている案内を確認するか、スタッフに聞くことをお勧めします。
まとめ
シアトル近郊には、品種の多様さやファミリーイベントの充実度、規模の大きさなど、それぞれに個性あるりんご農園が揃っています。秋の週末レジャーとして、または平日のちょっとしたお出かけとして、楽しんでみてはいかがでしょうか。

