ワシントン州は、全米最大のりんごの産地です。シアトル近郊にも「りんご狩り(U-PICK)」を楽しめる農園が数多く点在していて、思い立ったら出かけられる気軽さが魅力のひとつ。グラベンシュタインやゼスターといった早生品種にはじまり、人気のハニークリスプやコズミック・クリスプなどへとバトンが渡っていくのも、秋の楽しみとなっています。今回は、2026年秋に訪れたい代表的な農園8カ所を、最新の開園情報とあわせてまとめました。
スノホミッシュ
ベイリー・ファーム

スノホミッシュ・バレーに広がる、5世代続く家族農園です。夏から秋にかけては野菜や花のU-PICKも盛んで、りんご狩りはその一部というのがこの農園らしいところ。2026年は9月中旬頃からハニークリスプの収穫が始まる見込みで、続いてコズミック・クリスプやレッド・ジョナプリンスも顔を出す方針とのことです。正式な開始日は、例年公式サイトで随時発表されています。料金は重さ制。ペットの同伴はできません。
パンプキンパッチやコーンなどの野菜の畑と、りんごやベリーなどの果樹園は、道路を挟んで別々になっています。日陰がないので、天気の良い日は帽子をかぶるのがおすすめです。
スワンズ・トレイル・ファームズ

シアトルから車で45分〜1時間15分ほど。5エーカーの敷地には4,000本超のりんごの木が栽培され、ハニークリスプ、コズミック・クリスプ、ジョナゴールド、アンブロシア、レッド・ルーベンズなどが収穫できます。U-PICK自体への入園は無料。同じ期間中は、有料のハーベスト・フェスティバル(9月12日〜10月31日、午前10時〜午後6時)や、夜に彩られる「グレート・ハーベスト・グロー」も開かれます。12エーカーにおよぶ巨大コーンメイズ(迷路)や動物ふれあい体験もあり、子ども連れに根強い人気を誇る農園です。
レイジング・ケーン・ランチ

オーガニック農園とハードサイダー醸造所(cidery)を兼ね備えた、家族経営の農園です。20種類以上のりんごに加え、アロニアベリーやハックルベリー、カレント類、ヘーゼルナッツなど、育てている作物の幅広さも見どころのひとつ。入園は無料で、収穫した分だけ重量制で精算します。

「木からタップまで(Tree to Tap)」を掲げるテイスティングルームは、6月から10月までの季節営業。金曜は午後3時〜8時、土曜は正午〜午後8時、日曜は正午〜午後5時に開いています。定番のScrumpy(野生酵母発酵)、Dry、Semi-Sweetのほか、ブラックベリーやアロニアベリーなど季節の果実を使った限定フレーバーも味わえます。スナックの販売はポテトチップスやプレッツェルのみなので、軽食の持ち込みが許可されています。サイダーを片手に、持参した料理をゆっくり味わえるのは嬉しいですね。
事前予約制のサイダープレス・パーティーもあり、収穫したりんごをその場で絞って原液を作る体験ができます(3時間枠で$250、要デポジット)。
スキップリー・ファーム
300種類を超えるりんごを育てる、驚くほど多様性豊かなオーガニック農園です。収穫はロディやプリスティンといった早生品種からスタートしましたが、2026年の収穫時期は全体的に2週間早いそう。週末は午後2時を過ぎてから訪れると、混雑を避けやすいようです。
スカジット・バレー
ジョンズ・クリーク・ファームズ
スカジット・バレーに位置し、80種類以上のりんごや梨を栽培する農園です。2026年の高温と乾燥の影響で、りんごが早く成長しているそうで、8月下旬に U-PICK が始まりました。ベルビューのファーマーズ・マーケットにも出店しています。
ウェナチー
スタッツマン・ランチ

ワシントン州中央部のウェナチーにある家族経営の農園です。ガラやフジ、ゴールデン・デリシャスといった人気品種が収穫できます。シアトルからは車で2時間20分〜2時間45分ほどとやや距離がありますが、果物の質の高さで根強いファンを抱える農園です。シアトルから向かうなら、途中でドイツ村レブンワースに立ち寄るのもおすすめです。

リンデン&ファーンデール
ベルウッド・ファームズ

ワシントン西部最大級の62エーカー(リンデンに47エーカー、ファーンデールに15エーカー)を誇り、果樹園・蒸溜所・レストラン・イベントスペースを備えた観光型農園です。果樹園には25,000本の果樹が栽培されており、22種類以上のりんごや梨を収穫できます。オーガニックではありませんが、可能な限りサステナブルな方式を採用していることから、サーモンにも安全と認定されています(Certified Salmon Safe)。秋にはトラクタートレインやパンプキンパッチが楽しめます。カナダの国境のそばにあり、カナダに行く途中に寄ることもできますが、カナダへの果物の持ち込みはできません。
スマップルズ

ファーンデールで代々続く家族経営の農園で、素朴で親しみやすい雰囲気が魅力です。コックス・オレンジ・ピピン、フジ、ハニークリスプ、ジョナゴールドなど人気の定番のに加え、トライアンフとレディ・イン・レッドという2つの新品種が初登場。100ポンド以上まとめて買うと15%引きになります。アップルサイダーは1ガロン$10、ハーフガロン$6。U-PICKした果物を持ち帰る袋や箱は、各自で用意しておく必要があります。
訪れる場合の注意点
- 収穫できる品種は、公式サイトの収穫スケジュールで随時更新されています。
- ペットは畑に立ち入れないため、同伴を許可していない農場がほとんどです。
- U-PICKしたりんごを運ぶカートやワゴンを持参できる農園もあります。
- ワシントン州の一部の農園では、収穫中に作物を食べず、計量と洗浄が終わるまで待つようルールを設けているところもあります。未洗浄の果物には細菌や農薬が残っている可能性があるという食品安全上の理由と、収穫した分をきちんと計量して代金を受け取るためです。入口や受付に掲示されている案内を確認するか、スタッフに直接聞いておくと安心です。
まとめ
シアトル近郊には、品種の多様さやファミリーイベントの充実度、規模の大きさなど、それぞれに個性あるりんご農園が揃っています。9月中旬はちょうど人気の高いハニークリスプが出そろうタイミングと重なり、いちばん混み合う時期になりそう。平日や午後2時以降を選べば、比較的ゆったりと収穫を楽しめます。

