アメリカの土曜深夜の人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で俳優のブラッド・ピットが国立アレルギー感染症研究所長のアンソニー・ファウチ博士に扮して話題になりました！
アンソニー・ファウチ博士といえば、ホワイトハウス新型コロナウイルス対策班の一員として一躍有名になった方。まだわからないことが多いこの新しいウイルスやその感染拡大の状況、対策、見通しなどについて科学にもとづいて説明してくれる上、トランプ大統領などによる根拠の薄い楽観的な発言や不確かな発言、誤情報を、落ち着いた口調で科学にもとづいて説明し直す姿が、真実を知りたい人たちの信頼を勝ち取っています。
それは、ファウチ博士の写真を食用紙に印刷してあしらったドーナツが話題になったり、ファウチ博士をあしらったアパレルやマグカップなどのグッズが redbubble や etsy などでオンライン販売されたり、ゴールデンステート・ウォリアーズのスター選手ステフィン・カリーがファウチ博士との質疑応答をインスタでライブ配信したりしたことからもわかります。
そのファウチ博士をブラッド・ピットが『サタデー・ナイト・ライブ』で演じた短いオープニング動画が話題になったのは4月25日に放送された在宅版第2回。
新型コロナウイルス感染抑制のため、テレビ番組などもさまざまな変更をせざるを得なくなっている中、今年で45周年を迎えたこの番組もニューヨークのスタジオからの放送は3月11日を最後に一旦中止となりましたが、4月11日の土曜日に「在宅版」（ホーム・エディション）として放送を再開。第1回は、出演者がそれぞれの自宅にいることをうまく利用した寸劇などを披露し、今シーズン2番目の視聴率を記録しました（1番は昨年12月にエディ・マーフィが出演した回）。
そして、先日の4月25日に放送された第2回は、「ホワイトハウス新型コロナウイルス対策班の主要メンバーの一人からのメッセージ アンソニー・ファウチ博士」と画面に表示された後、ファウチ博士のような（？）人が “Good evening! I’m Dr. Anthony Fauci.” と、語り始めました。
特徴のあるしゃがれ声、人差し指で前方を指しながら両手を挙げる仕草などはファウチ博士に似てる感じでしたが、全体的にあまり似てない・・・（苦笑）。でも、これまでのトランプ大統領のトンデモ発言や、最近の「消毒剤を注射したら」「強い光を当てたら」という誤情報（？）を滅多切りしながら、冷静なファウチ博士を演じきった後、カツラとメガネを取ったらブラッド・ピット！
“Now, to the real Dr. Fauci, Thank you for your calm and your clarity in this unnerving time and thank you to the medical workers, first responders, and their families for being on the front line. And now, live, kind of, from all across America, it’s Saturday Night Live.”
（本当のファウチ博士へ。この不安な時において、あなたの冷静さと明快さに感謝します。そして、最前線にいる医療従事者、第一対応者、そしてその家族に感謝します）
と感謝の言葉で締めくくりました。
「なぜブラッド・ピットが？」と思われた方！これは CNN でのインタビューで「ベン・スティラーとブラッド・ピットだったら、どちらにご自分を演じてほしいですか？」と聞かれたファウチ博士が、笑いながら “Oh, Brad Pitt, of course!” と回答したことがきっかけになったようです。
自宅待機が続く中、クリエイターは新たな次元でのクリエイティビティが問われ続けますね。同じ自宅待機の状態ながら、視聴者に笑いをもたらしてくれる彼らに、ますますプロ意識を感じるようになりました！
