シアトル観光の際に立ち寄る人も多いのが、ダウンタウン北にあるワシントン大学(University of Washington/略称:UW・ユーダブ)です。1861年創立、西海岸で2番目に長い歴史を持つワシントン州最大の総合州立大学で、シアトル・タコマ・ボセルの3キャンパスを展開しています。特にシアトル校は、約5万2000人が学ぶ最大規模のキャンパスです。ライトレールの U District Station と University of Washington Station の二駅が完成し、ダウンタウンや北部からのアクセスが便利になりました。
ワシントン大学シアトル校の概要
- 名称:University of Washington(ワシントン大学)
- 住所:Seattle, WA
- 創立年:1861年(当初はダウンタウンに開校)
- 現在地移転:1894年
- 敷地面積:634エーカー(約2.6平方キロ)
- 建物数:約220棟(博物館・ギャラリー・劇場を含む)
- 生徒数:51,719人(ワシントン大学公式サイト 2024-2025年度)
- ハスキー・スタジアム:最大収容約7万人
- 公式サイト:www.washington.edu
- 駐車場:路上駐車・有料駐車場あり
キャンパスの人気スポット
スザロ図書館(Suzzallo Library)

- レッド・スクエアに面する荘厳なゴシック様式の図書館
- Business Insider「全米で最もクールな大学図書館16選」に選出
- 大読書室は映画『ハリー・ポッター』のホグワーツ魔法魔術学校を思わせる雰囲気

ドラムヘラー・ファウンテン(Drumheller Fountain)

©︎University of Washington
- 1909年のアラスカ・ユーコン・太平洋博覧会(A-Y-P Expo)の目玉として造られた噴水
- 晴れた日にはファウンテン越しにマウント・レーニアを望める絶景スポット
- 現在も大学の象徴的な景観のひとつで、卒業式などの写真撮影にも人気
最初の校舎:デニー・ホール(Denny Hall)

- 1895年に完成したシアトル校で最初の校舎で、当初は「アーサー・ビルディング」と呼ばれた
- 現存する最古の建物で、ロマネスク様式の重厚な外観が印象的
桜の名所「The Quad」

- 春にはソメイヨシノが満開になる中庭
- 開花期間は短く、天候次第で訪問タイミングが難しいが、春の風物詩として有名
ビル・ゲイツゆかりの建物

- Bill & Melinda Gates Center for Computer Science & Engineering
最新のコンピューターサイエンス教育・研究拠点で、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の支援によって設立 - William H. Gates Hall
弁護士だったビル・ゲイツの父であるウィリアム・H・ゲイツ・シニアの名を冠した法学部の建物 - 現代的な建築デザインで、UWの最先端研究を象徴する存在
バーク・ミュージアム(Burke Museum)

- パシフィック・ノースウエストの自然史・文化を伝える博物館
- ワシントン州唯一の恐竜の化石を含む約1600万点を所蔵し、その60%を公開
- 1885年に若手自然研究家たちが創設
- 2019年に新館オープン、展示・研究スペースが大幅に拡充
- 敷地内で8万種の在来植物を栽培

ハスキー・スタジアム

ワシントン大学のアラスカ・エアラインズ・フィールド・アット・ハスキー・スタジアム、通称ハスキー・スタジアムは、シアトルのレイク・ワシントン湖畔に位置する名門スタジアム。1920年に開場し、改修を重ねながら拡張を重ね、現在は約7万人を収容できる、ワシントン大学アメリカンフットボールチーム「ハスキーズ(Huskies)」の本拠地として全米に知られています。スタンドからはレイク・ワシントンやカスケード山脈、オリンピック山脈を望むことができ、この絶景は「ザ・ビュー」(The View)と呼ばれるシアトル名物。さらに、湖に面している立地を活かし、観客がヨットやセールボートで集う「セイルゲーティング(sailgating)」は他に類を見ない光景です。
ウォーター・アクティビティ

©︎Rachael Jones
- レイク・ワシントン沿いでカヌー、カヤック、ヨット、ウインドサーフィンなどが可能
- ウォーターフロント・アクティビティセンターで、生徒職員だけでなく、一般市民もレンタル可能

アラスカ・ユーコン・太平洋博覧会(A-Y-P Expo)
- 1909年に、後にワシントン大学キャンパスとなる土地で開催された国際博覧会
- アラスカ、ユーコン準州、アジア太平洋地域との貿易促進を目的に開催
- 会期中に多くの建物や景観整備が行われ、Drumheller Fountainやキャンパスのレイアウトの基礎が完成
- この博覧会では、日本、中国、フィリピン、ハワイなどが参加し、各国の文化・産業・芸術を紹介するパビリオンや展示が設置
- 日本館では工芸品、陶磁器、絹織物、茶の文化などを展示
- 日本からは、渋沢栄一、杉村濬(駐米大使)、中村是公(後の南満州鉄道総裁)などの著名人が参加
ユニバーシティ・ディストリクト(U District)

- 学生街として賑わうエリア。通称「The Ave」に本屋・カフェ・古着屋・レストランが並ぶ
- ユニバーシティ・ブックストアでは教科書や画材、ワシントン大学のマスコット「ハスキー」のグッズが購入できる
- ライトレールの U District Station と University of Washington Station の二駅が完成し、ダウンタウンや北部からのアクセスが便利に
FAQ(よくある質問)
ワシントン大学は観光で訪れてもいいですか?
はい、観光客も訪問可能です。ただし、ワシントン大学は学生の学びと研究の場ですので、授業や活動の妨げにならないようマナーを守って見学してください。
見どころはどこですか?
スザロ図書館(Suzzallo Library)の大読書室は必見で、春にはThe Quadのソメイヨシノも人気です。キャンパス内のバーク・ミュージアムやレイク・ワシントン沿いのウォーターアクティビティもおすすめです。
1909年のアラスカ・ユーコン・太平洋博覧会(A-Y-P Expo)に日本も参加しましたか?
はい、1909年のアラスカ・ユーコン・太平洋博覧会(A-Y-P Expo)には日本も公式に参加しました。日本館では工芸品や茶の文化などを展示し、渋沢栄一や駐米大使の杉村濬、中村是公らが訪米しました。彼らは横浜港から客船で太平洋を渡りシアトルに到着し、博覧会を通じて日米交流が深まりました。
桜はいつ咲きますか?
ワシントン大学の桜は毎年3月下旬から4月上旬に見ごろを迎えます。開花時期は天候により変動するため、訪問前に最新情報をチェックしてください。
一般の人もキャンパス施設を利用できますか?
一部の施設は一般利用可能です。例えば、スザロ図書館やワシントン大学の東アジア研究の中心であるタテウチ東アジア図書館などの図書館、キャンパスのスターバックスやレストランでの食事、ハスキースタジアムでのアメフトの試合観戦、ウォーターフロント・アクティビティ・センターではカヌーやカヤックのレンタルが可能です。図書館や教室は学生・関係者専用の場合があります。
駐車場はありますか?
キャンパス周辺には有料駐車場や路上駐車スペースがありますが、混雑しやすいため、ライトレールやバスなどの公共交通の利用もおすすめです。特に、ライトレールの U District Station からはキャンパス中央部、University of Washington Station からはハスキー・スタジアムやキャンパス南部へのアクセスが便利です。

