Taiyo Pacific Partners　井上愛美さん

留学しようと思ったきっかけは？

私のシアトル留学は一言で表すと「リベンジ」です。大学一年生の夏、カナダのビクトリアへ短期留学したのですが、その時は英語がうまく伝わらず、ホームシックの毎日を過ごしていました。帰国後も入学当初目標としていた交換留学への意欲がなくなり、英語の勉強はほとんどせずにサークル活動に打ち込む日々でした。でも、サークル引退を目前に「このまま嫌なことから逃げ続けてもいいのか」「自分の弱さを克服したい」と思うようになったのか留学のきっかけです。

ちょうどその頃から、空いた時間になんとなく海外の大学を調べるようになりました。そこで出会ったのがワシントン大学の満開の桜の写真です。その時、直感で「ここで学生生活を送ってみたい」と思い、シアトルへの留学を決意しました。

シアトルはどんな街？

シアトルは一度旅行で訪れたことがあり、住みやすい街だと感じていましたが、実際に住んでみると一年を通して本当に雨ばかりなのでレインコートは手放せません。

でも、その中で生活するシアトルの人々は晴れの日をとても大切にします。夏は晴れの日が多く、週末は家族揃って公園でバーベキューや日光浴を楽しむ光景が印象深く素敵でした。

このインターンシップをどのようにして見つけましたか？

毎年11月にボストンで開催される日本人留学生向けのボストンキャリアフォーラムへの参加がきっかけです。幼い頃から自営業の父の影響で経営戦略に興味があったので、そこでは経営コンサルティング業界を中心に見ていました。そして、キャリアフォーラム開催前に公開される参加企業一覧の中に、現在のインターンシップ先を見つけました。

もともと経営コンサルティング業界に興味があり、投資先企業の価値を高めるためのアドバイスをする Taiyo Pacific Partners のビジネスモデルは魅力的でした。また、留学を通して、将来日本の経済発展に貢献していきたいと考えていたところだったので、日本市場を中心に投資活動をしている Taiyo Pacific Partners はまさに自分がやりたいことと一致していると感じました。

ワシントン大学の桜並木

インターンシップの内容について教えてください。

業務内容は大きく二つに分けられます。

（1）これから投資する先を見つけること。
（2）投資先の企業価値を上げること。

インターンシップでは両方の業務に関わらせてもらい、ポテンシャルがありそうな企業・業界のリサーチ、投資先企業の経営分析や取締役会議事録の翻訳などを中心に行いました。

このインターンシップでしか得られないと思われること、今後役立てたいことは？

ファイナンスの知識がまったくない中で始めたインターンシップでしたが、業務や社員の方とのセッションを通して、今まで取り組んだことのなかった「金融」という分野が面白いと思うようになりました。何事にも好奇心を持って取り組むことが、今回のように自らの視野を広げることに繋がるのだと再認識しました。

インターンシップ先には MBA 留学を経験された方が多く、留学後にキャリアを180度変えた方もいらっしゃいました。「自分はこういう人間だ」と決めつけず、いい意味で周りに流されてみる。偏見を持たず、何事にも挑戦してみる。そういった可能性の広げ方を今後できたらいいなと思います。

これから1年間留学する人へのアドバイスをお願いします。

留学の目的・目標を明確にし、それを達成するための小さな目標を定期的に立てることをおすすめします。私は1年間の留学生活で、当たり前ではなかったことが当たり前になっていくことを実感しました。そのような中では「どうして留学したのか」という目的を忘れやすくなってしまうので、定期的に自分の留学生活を振り返ることで、モチベーションを維持していけると思います。

留学を終えて日本に帰国し、大学を卒業後、経営コンサルティング会社に就職しました。今後の目標は、何にでも挑戦してみること。留学前は「これをしたら周りにどう評価されるか」と、いつも周囲の目を気にしていましたが、それぞれ違う価値観や考え方があっていいのだということを留学中の多くの出会いを通して学びました。やりたいと思ったことは実行してみる、常に自分の殻を破り続けることのできる人間になりたいと思います。

掲載：2017年10月