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人事の視点から見る2022年の労働市場: アメリカの失業率とリモートワーク、賃金、物価

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2022年は、コロナ関連の規制は大幅に緩和されましたが、人事においては、大量退職が招いた採用難と人件費高騰が印象深い激動の年となりました。

今回は、さまざまなデータを通して、この一年に実感したことを再確認してみたいと思います。

もくじ

アメリカの完全失業率

出典:米国労働統計局(BLS)

このグラフは、2022年の月ごとの失業率の遷移を示したグラフです。定期的にニュースでも取り上げられていたので、数字の流れは把握されている方も多いと思います。

年始は州によって大きな開きがありましたが、現在はワシントン州、オレゴン州も含め、多くの州が4%前後に収束しています。

これは、就労意欲のある人ほぼすべてが就業中で、引き続き採用難であることを如実に物語っています。

リーマンショック後に10%を前後していた失業率がかなり遠い昔の話のようです。

リモートワークの実態

出典:従業員データ WHFリサーチ シニアマネージャデータ
アトランタ連邦準備銀行

コロナが一段落した後も、生産性が向上するともてはやされているリモートワーク。「リモートやハイブリッドの働き方でなければ、採用はできない」と言い切る人まで出てきました。

下記はリモートワークに移行することによって生産性がどう変化したかを調べた資料です。

「オフィスで働いても、自宅で働いていても、生産性は変わらない」と考えている人が大半ですが、シニアマネージャでは「生産性が落ちた」と考えている人の方が多いことがわかります。

世界の賃金

近年では稀に見る円安・ドル高によって、個人にも企業にもインパクトがありました。

特に、人件費が急騰しているアメリカの賃金を日本円に換算して驚く人は多いです。

しかしながら、下記の OECD 加盟国に対して行われた調査(Employment
Outlook 2021)によると、日本人の賃金がなかなか上がらない一方で、世界の賃金は上昇しています。

日本人の賃金の中央値は、今やアメリカの半分程度。最近、海外に出稼ぎに行く日本人が増加するのも納得できるデータとなっています。

消費者物価指数

出典:米国労働統計局(BLS)

消費者物価指数は、個人として実感している人も多い、急激な物価上昇を裏付けるデータです。

多少落ち着いてきた感もありますが、まだ前年同月比で7.7%増となっています。

地元の集会で、「昔は5ドルで買えたクリスマスツリーの飾りが、今は150ドルもする」と話している人がいましたが、「それは最低賃金が33セントだった時代の話でしょう」と反論されていました。しかし、国を問わず、昨今の急激な物価上昇にはストレスが溜まっている人も多いようです。

EEOC(雇用機会均等委員会)への提訴件数

出典:EEOC

差別を原因とする雇用関連訴訟件数は年々減少傾向にありますが、近年は同一労働同一賃金に関する訴訟の割合が高まっています。

2022会計年度の EEOC による雇用主訴訟の具体例として、マリオット・コートヤードホテルの運営会社が、「女性よりも男性のフロントデスク・スーパーバイザーの賃金が高い」という苦情に対応するため、男性従業員の賃金を女性従業員と同額に下げたところ、これが違法な賃金カットであると訴えられたケースがあります。結果として、同社は25名の従業員に総額40万ドルのバックペイを支払うこととなりました。

また、トラックエンジン製造大手のカミンズでも、女性従業員が入社後17カ月を経過したころ、自分の給与が4万ドルだったのに対し、新たに入社した男性従業員の給与が4万7千ドルだったとして訴えたケースがあります。こちらもバックペイとして同社は女性従業員に1年半分の7万7千ドルを支払いました。

既にテクノロジー産業で始まっている大量解雇からもわかるように、「来年も物価高による不景気が続く」と多くの専門家がさざまな予測をしており、混乱は多少落ち着いても不確実性の高い年になりそうです。

それでも、2022年を乗り越えたことによって、何が起きてもそれなりに対応する自信がついた企業もあるのではないでしょうか。

来年も御社のビジネスが大波小波を乗り越えて維持・拡大されることを、心より願っております。

総合人事商社クレオコンサルティング
経営・人事コンサルタント 永岡卓さん

2004年、オハイオ州シンシナティで創業。北米での人事に関わる情報をお伝えします。企業の人事コンサルティング、人材派遣、人材教育、通訳・翻訳、北米進出企業のサポートに関しては、直接ご相談ください。
【公式サイト】 creo-usa.com
【メール】 info@creo-usa.com

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