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東日本大震災の地震が起きてから、アメリカにいて何もできない自分を罪深く感じます。

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Q:東日本大震災の地震が起きてから、地震の報道に釘付けで、私の日本の家族や友人は影響を受けていないのに、涙もろくなっています。あんなに悲惨なことが起きて、アメリカにいて何もできない自分を罪深くも感じます。子供も母親が簡単に涙ぐむので心配しているようです。アメリカ人の夫に話しても、地震のことは他人事のような言い方をされ、わかってもらえません。

A:このたび、日本での地震・津波の被害にあわれた方々に心からお悔やみを申し上げると共に、お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りし、遺族の方々にお見舞いを申し上げます。

いまだにご家族が行方不明の方、原子炉の事故関連の被害や対策に関わっておられる方に、状況が解決に向かうことを願っても願いきれません。

アメリカに来てから、阪神・淡路大震災、9/11、そして今回の大震災など、突然で想像も及ばなかった惨事を、メディアを通して見てきました。年を重ねるごとに、テクノロジーの発達で、より迅速な、色々な映像や報道が見られるようになって現状が全世界に伝わり、援助・協力を受けたりできる反面、悲惨な画面を何度も何度も見続けることによる心理的な影響は計り知れません。状況がわかってからも被災地のシーンを見続けることは良くないと思います。特に自分自身にトラウマ的な経験などがあると、惨事がきっかけでその時のことがフラッシュバックのように思い出されることもあります。子供には、画像を見た場合、適切な説明と思いやりを示すことが大切です。

それでは、日本国外に住み、家族が直接影響を受けなかった人は何ができるのでしょうか?まず頭に浮かぶのが、アメリカ各地で行われている募金です。シアトル地区では Seattle Japan Relief が寄付ができる団体などのリンクを掲載しています。日本の組織に直接送金することも可能です。ただ、寄付金は一時的なものではなく、長期的なものも大切です。阪神・淡路大震災の被災者の方が今も募金箱をお店に置かれているといった記事を目にしました。今回の規模の震災では長期的な資金集めが必要です。子供と一緒に募金するなど、子供たちに助け合っていくことの大切さを示す機会にしてください。

日本の友人や家族に、私たちも心配し、見守っていることを伝えることも、私たちでもできることの一つです。一部の被災地ではまだ電気が復旧していなかったりしますから、最初に無事が確認できた場合、しばらくは相手に資源を使わせてしまうのは避けましょう。日本人が我慢強くこの災害に取り組んでいる勇気に海外からの賞賛が起きています。そのことを海外に住む私たちも誇りに思い、日々の行動に反映させるというのはいかがでしょうか。

アメリカから物資を送る、支援隊員を送るなどの動きもありますが、現場を知らない、状況を把握していない者が現時点で適切な判断ができるのか、自分を満足させるためにやっているのではないか、などの自己分析が必要だと思います。阪神・淡路大震災の経験者からのメッセージにありましたが、その当時、各地から送られた古着や、腐ってしまった食品を捨てる仕事をされている方がおられたそうです。何も考えずに現場に出向き、被災者のための食事を食べ、寝る場所を取ってしまったという例も書かれていました。皆さんの心のこもったメッセージの書かれた千羽鶴などは、善意であるばかりに、避難所から仮の住居などに住まわれた方々を困らせてしまったそうです。

パシフィック・ノースウエストにも将来、大地震が来ると予測されています。自分の周りを見つめなおし、地震にあった時の準備が必要です。緊急時の家族との連絡の取り方、最低3日分の水や食料の準備、応急手当の医療品、着替え、そしてテントなどといった雨風を避けられるシェルターなどが必要です。

日本国外に住んでいても、日本国外に長くいて、アメリカナイズされていても、日本で生まれ育っていれば、日本は母国であり、今回の震災の心理的な影響は大きなものがあります。アメリカ人のご主人の反応についてですが、地震大国の日本に比べ、アメリカ国内では西海岸で育った人以外は地震経験者は限られています。自分の気持ちをわかっていないような反応をしているからといって、ご主人が気に留めていないとは限りません。普段の夫婦関係のあり方も影響しているのかもしれませんので、2人でじっくりと話し合ってみましょう。

Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん
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