10月も半ばを過ぎ、シアトル地域は気温が下がって紅葉が進み、秋が深まってきました。米国海洋大気庁(NOAA)が10月17日に発表した今年12月から来年2月に向けた長期的な季節予報によると、ラニーニャ現象がゆっくり発達し、今年の冬に全国の天候に影響を与えると予想されています。
気温
アラスカ南部では、平均より低い気温が予想されています。また、太平洋北西部のワシントン州やオレゴン州から北部のハイプレーンズ(グレートプレーンズの西部、ロッキー山脈以西)にかけても、平均よりやや低い気温が見込まれています。
一方、米国南部から東部の五大湖、東海岸、ニューイングランド、アラスカ北部にかけて、平均より高い気温が予想されています。特に、メキシコ湾沿いやテキサス州の大部分で平均より気温が高くなる確率が最も高くなっています。
それ以外の地域では、平均以下、平均並み、または平均以上の気温になる確率は、いずれも同じです。
降水量
米国南西部のフォー・コーナーズ(コロラド州、ユタ州、アリゾナ州、ニューメキシコ州の州境が接する箇所)から南東部、メキシコ湾岸、中部大西洋州南部にかけては、平年よりも乾燥することが予測されています。そのため、米国中部および南部の平原地帯で干ばつが続き、さらに悪化することが予想されています。
一方、五大湖周辺の州では、平均より多い降水量が最も高い確率で予想されています。また、アラスカ北部および西部、太平洋北西部のワシントン州やオレゴン州、米国北部全体でも平均を上回る降水量が期待されています。特にオハイオ州、インディアナ州、ケンタッキー州の一部でその確率が最も高くなっています。
一方、メキシコ湾沿岸の州やテキサス州、ニューメキシコ州南部では、平均より少ない降水量が最も高い確率で予想されています。
カリフォルニア州の大部分、中央平原の州、ボストンからワシントンD.C.にかけてのI-95沿いの降水量が平均以下、平均並み、または平均以上になる確率は、いずれも同じです。
山間部の積雪
前回の予報で指摘されていましたが、平年より気温が低く、降水量が多いとなると、ワシントン州のカスケード山脈では十分な雪が期待できる確率が高まります。
一方、中央ロッキー山脈、米国南西部、カリフォルニア州南部では、降水量が平年より少なくなると予想され、雪も平年より少なくなる可能性があります。
また、東海岸、特に米国北東部では、平年を上回る降水量が予想されていることから、ウィンタースポーツが楽しめる可能性が高くなっています。
2021年から2023年の冬はラニーニャ現象の影響を受け、シアトル大都市圏など標高の低い地域では積雪や凍結が発生するという、珍しい事態となったことは記憶に新しいはず。特に、2022年12月のクリスマス前後は凍結による被害が続出し、大変な騒ぎとなりました。同じ轍を踏まないよう、寒い冬に備える対策を準備しておくのが良いかもしれません。