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クルーズ船のハンタウイルス騒動 キング郡在住者3人が接触の可能性、現在モニタリング中

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2026年5月、シアトル・キング郡公衆衛生局(Public Health – Seattle & King County)は、クルーズ船「MVホンディウス(MV Hondius)」に関連したアンデス型ハンタウイルス(Andes type of hantavirus)への接触が疑われるキング郡在住者3人を、公衆衛生上の監視対象としていることを発表しました。

これはワシントン州保健局(Washington State Department of Health)と米疾病管理予防センター(CDC)からの通報を受けたものです。

現時点でキング郡内に発症者はいません。一般市民へのリスクは低いと評価されています。

目次

3人の状況について

飛行機内で接触した2人

キング郡在住の2人は、ハンタウイルス陽性と後に確認されたクルーズ船乗客と同じ飛行機に搭乗していました。この乗客は離陸前に機内から降ろされており、2人はすでにキング郡の自宅に帰宅しています。

2人とも現在は無症状(asymptomatic)で、キング郡公衆衛生局と連携しながら、自宅で症状の経過観察を続けています。

クルーズ船に乗船していた1人

3人目はMVホンディウスに乗船していたキング郡在住者です。現在は無症状ですが、ネブラスカ大学医療センター(University of Nebraska Medical Center)の国家隔離センターで、他のアメリカ人乗客とともに症状のモニタリングを受けています。

シアトル・キング郡公衆衛生局の見解

シアトル・キング郡公衆衛生局の健康局長代行であるサンドラ・J・バレンシアーノ(Dr. Sandra J. Valenciano)医師は次のようにコメントしています。

「ハンタウイルスに関するニュースを見聞きして恐怖を感じている方も多いと思います。しかし、今回の3人には感染の兆候はありません。強力な接触者追跡と監視体制を整えており、これはこれまでのハンタウイルスのアウトブレイクで感染拡大を封じ込めてきた対策です。現時点で、このウイルスがキング郡の住民に広がるリスクは低い状況です。これはCOVID-19が最初に出現したときとは大きく異なります。COVID-19は未知のウイルスでした。一方、ハンタウイルスについては、感染経路を含め、はるかに多くの情報が蓄積されています」

ハンタウイルスとは

ハンタウイルス(hantavirus)は感染例が少ない希少な感染症ですが、重症化する可能性があります。主にノネズミ(wild rodents:野生のげっ歯類)との接触によって広がります。特に尿・糞・唾液(urine、droppings、saliva)への接触が感染経路として知られています。

アンデス型ハンタウイルス(Andes type of hantavirus)は、ハンタウイルスの中で唯一、人から人への感染が確認されている種類です。ただし、この感染経路は非常にまれです。

人から人への感染には、長時間の濃厚接触が必要とされています。具体的には次のような状況が該当します。

  • 発症者との直接的な身体的接触
  • 密閉空間での長時間の共同生活
  • 感染者の唾液・呼吸器分泌物・その他体液への接触(キス、食器の共用、汚染された寝具の取り扱いなど)

日常的な外出や一般的な社会的接触でうつるウイルスではありません。

キング郡のハンタウイルス感染リスクについて

今回報告されたアンデス型ハンタウイルスは、アルゼンチンやチリに生息するナガオコメネズミが主な宿主であり、アメリカ国内では確認されていない種類です。

キング郡に生息するシカネズミ(Deer Mouse)が保有するのは「シン・ノンブレ型(Sin Nombre)」と呼ばれる別の種類のハンタウイルスです。こちらは人から人への感染はしません。1997年以降、キング郡での感染確認例は6件にとどまっています。

キング郡公衆衛生局の公衆衛生獣医師であるジョスリン・マリンズ(Dr. Jocelyn Mullins)医師によると、シカネズミは林の多い郊外の住宅地やガレージ、物置、山小屋などに巣を作ることがあります。建物が古くなくても、ネズミが住み着く可能性はあります。

ハンタウイルスに感染しやすい状況

シアトル・キング郡公衆衛生局によると、キング郡内でのハンタウイルス感染リスクが高まる可能性があるのは、主に以下のような状況です。

  • 長期間使用していなかった建物(物置、ガレージ、山小屋など)の清掃や使用開始時
  • ネズミの形跡がある家の中・周辺での清掃作業
  • 建設・電気・公園管理・害虫駆除などの屋外作業
  • ネズミが生息するキャンプ場のシェルターや山小屋の利用
  • ネズミが入り込んでいる車やトレーラーとの接触

ネズミの形跡があった場所の清掃方法

ネズミの糞・尿・巣材を見つけた場合は、掃除の前に必ず保護具を着用してください。

  1. 手袋と長袖を着用し、ゴミ袋を手元に準備する
  2. ハンタウイルスを不活性化できる消毒液(フェノール系の市販品、例:Lysol®)または漂白剤1:水9の割合で作った溶液を使用する
  3. 糞などの汚染物を消毒液で湿らせてからゴミ袋に入れ、ペーパータオルと追加の消毒液で拭き取る
  4. 掃き掃除や掃除機は使わないこと(粒子が空気中に舞い上がり、吸い込むリスクが高まります)

複数の巣や死んだネズミがある場合は、専門の害虫駆除業者に依頼することをおすすめします。

公式情報・参考リンク

最新かつ正確な情報は以下の公式ページでご確認ください。

引き続き、キング郡公衆衛生局の公式情報をこまめにチェックしておくことをおすすめします。

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