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サウンドトランジット、シアトルのライトレールに改札口の試験導入を正式承認

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シアトルのライトレール(リンク・ライトレール)には、改札口がありません。乗り降りは自由で、ORCAカードやクレジットカードを自分でタップするだけ。2009年の開業からそれが当たり前の風景でしたが、その仕組みがいよいよ変わることになりそうです。

6月にお伝えした「改札口の導入を本格検討へ」という記事の続報です。サウンド・トランジットの理事会は8月27日、最大14駅に改札機(フェアゲート)を試験導入するパイロット・プログラムを正式に承認しました。

目次

なぜ今、改札口が必要なのか

Rail ticket vending machine labeled ORCA on the right in a station lobby with a bright yellow tactile guidance path leading toward the wall and emergency equipment in the background.
ライトレールの駅には改札ゲートがなく、券売機や支払いカードをタップするスキャナがあるのみ
(ダウンタウンのウエストレイク駅)

もともと「バリアフリー方式」を採用していたシアトルのライトレールは、乗客が自主的に運賃を払う前提で設計されていました。2009年から取り締まり制度が始まり、2019年には「フェア・アンバサダー」(fare ambassador)と呼ばれるスタッフが乗客に声をかけながら啓発を続けてきました。

しかし、コロナ禍を経て状況が変わりました。2018〜2019年には約85%あった運賃支払い率が、近年の電子カウントでは約63%にまで低下しています。つまり、3人に1人が払っていない計算です。(なお、18歳以下は公共交通機関を無料で利用できます

路線網もこの数年で大きく成長しました。現在は60マイル(約96km)・50駅規模まで拡大しており、ウェスト・シアトルやエベレット、タコマ、バラード、イサクアへの延伸によって、今後さらに39駅が加わる計画です。運賃支払い率の低下と路線網の拡大が重なったことで、改札口の導入は「検討」から「実行」へと段階が進みます。

6月からの経緯

6月時点では、コンサルタント会社WSPによる調査報告書が理事会委員会に提出されたばかりで、6月25日の理事会での議論が次の節目とされていました。

その後、8月6日には理事会のライダー・エクスペリエンス委員会が全会一致で計画を前進させることを決定。そして8月27日、理事会本会議での正式採決となりました。

今回の採決で承認されたのは、設計・計画費用として600万ドルの支出です。実際の建設費(総額8,700万ドル程度と見積もられています)については、設計が固まった後、あらためて理事会で採決される予定です。

どの駅に設置される?

対象となるのは、シアトル中心部のノースゲートからインターナショナル・ディストリクト/チャイナタウンまでの9駅に加え、リンウッド・シティ・センター、ダウンタウン・レドモンド、ベルビュー・ダウンタウン、フェデラル・ウェイ・ダウンタウン、シアトル・タコマ国際空港の合わせて14駅です。6月時点の候補駅と変わりはありません。

この14駅だけで、システム全体の乗車のおよそ85%をカバーできるとされています。地上区間のレーニア・バレーや一部の近距離区間は、引き続き改札なしのままになる見込みです。ただし、これらの駅名はあくまで現時点の候補であり、今後の設計や検討の過程で変わる可能性もあります。

乗り方はどう変わる?

ORCAカードやクレジットカードなどをスキャンする支払機

現在は乗車時のタップだけが求められていますが、導入後は退場時にもORCAカードをタップする「双方向ゲート」方式が推奨されています。乗るとき・降りるとき、どちらもタップが必要になります。

改札のない駅で運賃を払わず乗車した場合は、ゲートのある駅を出る際に精算される仕組みになるようです。

18歳以下は引き続き無料ですが、Youth ORCAカードをタップしてゲートを通ることが必要になります。低所得者向けの「ORCA Lift」利用者も、専用カードでゲートを通過できます。車椅子・自転車・ストローラーに対応した幅の広い改札も各駅に設置するなど、アクセシビリティ面の設計は、今後の計画づくりの中で詰められていくとしています。

いつから始まる?

改札ゲートの設置は、2029年から2030年ごろが目標とされています。並行して公共への説明や技術面の準備も進められる予定で、サウンド・トランジットは2027年末までに、パイロット・プログラムの評価方法や具体的な目標をまとめた枠組みを理事会に示すとしています。

6月に「本格検討へ」とお伝えしてから2か月あまり。改札口の導入は、正式な承認という一歩を踏み出しました。とはいえ、実際にゲートが設置されるのはまだ2029年以降の話です。乗り方が変わるまでにはもう少し時間がありそうですが、今後も続報があり次第、お伝えしていきます。

Sound Transit: Fare gates are coming to many Link stations

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