アメリカの大学などで学ぶ留学生(F-1ビザ)は、原則として学外で働けません。その例外が「OPT」で、専攻に直接関係する仕事で経験を積むための制度です。学位ごとに原則12か月まで認められ、理系(STEM)の対象学位を取った人は、さらに24か月の延長を申請できます。つまり、アメリカの大学で学び、卒業後にアメリカで働く経験を積みたい場合、OPTは大事な選択肢です。
しかし、米国土安全保障省(DHS)は8日、このOPTに新しい手数料を設ける規則案を連邦官報に掲載しました。初めてのOPTには学生1人あたり7万ドル、STEM延長を含む2回目以降には3万ドルがかかるというもので、合わせると最大10万ドルの費用が必要になります。
数字で見る OPT の広がり
DHSによると、2024年に卒業前・卒業後OPTの就労許可を受けて実際に働いていた留学生は19万4554人で、2023年の16万627人から増えました。
国際教育研究所(IIE)の年次調査「オープンドアーズ」でも、2024〜25年度にOPTを使っていた留学生は29万4253人で、前の年より21%増えています。
新しい OPT 規則案の要点
新しい案によると、この費用を負担するのは学校で、払うまでは学校の担当者が推薦を入力できず、移民局も就労許可を出しません。しかし、DHSは、学校がこの費用を留学生本人や雇い主に回す可能性も認めています。
DHSは今回の発案の理由として、不正利用への対策とアメリカ人労働者を守ることを挙げ、OPTで働く1万人を超える留学生が、きわめて疑わしい雇い主のもとで働いていたとしています。OPTを使う留学生は、2024〜25年度に29万4253人で、前の年より21%増えました。
現在、学生が移民局に支払う OPT の申請料はオンラインで470ドル、紙で520ドルです。
アメリカで学ぶ留学生、1位はインド出身者 日本は12位
昨年11月に発表された国際教育研究所(IIE)の調査「オープンドアーズ2025」によると、2024〜25年度にアメリカで学んだ留学生(OPT利用者を含む)は117万7766人でした。出身国・地域別の上位15か国は次のとおりです。
- インド 36万3019人(30.8%、+9.5%)
- 中国 26万5919人(22.6%、-4.1%)
- 韓国 4万2293人(3.6%、-2.0%)
- カナダ 2万9903人(2.5%、+3.1%)
- ベトナム 2万5584人(2.2%、+15.9%)
- ネパール 2万4890人(2.1%、+48.7%)
- 台湾 2万3263人(2.0%、+0.5%)
- ナイジェリア 2万1847人(1.9%、+9.1%)
- バングラデシュ 2万156人(1.7%、+17.9%)
- ブラジル 1万7277人(1.5%、+2.4%)
- メキシコ 1万5652人(1.3%、+1.2%)
- 日本 1万3814人(1.2%、-1.0%)
- パキスタン 1万3165人(1.1%、+19.8%)
- ガーナ 1万2825人(1.1%、+36.5%)
- サウジアラビア 1万2702人(1.1%、-14.3%)
日本人留学生の人口
2024〜25年度にアメリカで学んでいた日本人留学生は1万3814人で、そのうち1,527人がOPTを使っていました。日本人留学生の受け入れが多い州としては、カリフォルニア州、ニューヨーク州に続いてワシントン州が挙げられています。
日本は1994〜95年度から1998〜99年度までアメリカへ最も多くの留学生を送る国でした。しかし、IIE の発表によると、最も多かった1997〜98年度でも4万7073人で、今はその3割ほどになっています。
ワシントン州の留学生人口
ワシントン州の留学生は2万4640人で、中国人が最も多く、インド、ベトナム、台湾、韓国と続きます。留学先はワシントン州最大のワシントン大学(UW)が1万962人と最も多くなっています。
今回の発表を受け、UWは、まだ規則案で手数料は発生しておらず、今のルールどおりに手続きを続けるよう学生に呼びかけています。
意見の受け付け
日本の「パブリックコメント」にあたる意見募集の手続きが、アメリカの規則づくりにもあります。今回の規則案に対しては、10月9日の時点で774件の意見が寄せられています。
意見の受け付けは11月9日(シアトル時間午後8時59分)までで、「Regulations.gov」で整理番号「ICEB-2026-0100」を入れて出せます。最終規則がいつ出るかは示されていません。

