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シアトルの注目ニュース&話題:2025年4月28日(月)〜5月2日(金)

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目次

ワシントン州キング郡を含む全米8つの自治体、住宅都市開発省(HUD)および連邦交通局(FTA)を提訴

ワシントン州キング郡(シアトルやベルビューのある郡)を含む全米8つの自治体は2日、ワシントン州西部地区の連邦地方裁判所に、住宅都市開発省(HUD)および連邦交通局(FTA)を提訴しました。ニュースリリースによると、この訴訟は、公共交通およびホームレス支援の既存の補助金を受け取るために、議会の承認なしに「DEIの不推進」「移民支援の禁止」などの違法な条件を加えたことに対抗するもので、キング郡は「この行為は違憲であり、住民の重要なサービス提供を脅かす」と主張しています。訴訟には、ワシントン州のピアス郡とスノホミッシュ郡、サンフランシスコ市・郡、カリフォルニア州サンタクララ郡、ニューヨーク市、ボストン、オハイオ州コロンバスも加わっており、5月5日に仮差し止めを申請する予定です。その後、裁判所が認めれば、HUDとFTAが今回の未承認の条件を執行することを差し止めることになります。今週中の判断が見込まれています。

連邦判事、パーキンス・コーイ法律事務所を標的にした大統領令は「違憲」- 恒久的な差し止め命令

連邦地裁のベリル・ハウエル判事は2日、シアトルのパーキンス・コーイ法律事務所に対する大統領令は「違憲な報復行為(unconstitutional retaliation)」にあたると述べ、即時に無効とし、トランプ政権に対してその執行を停止するよう命じたと、AP通信などが報じました。同事務所がヒラリー・クリントン陣営を代理したことなどを問題視して弁護士のセキュリティ権限停止や連邦契約打ち切りを命じることは前例のない権力乱用と断じたことになります。

NPR(公共ラジオ)とPBS(公共テレビ)への連邦資金提供停止を命じる大統領令

トランプ大統領は1日、NPR(公共ラジオ)PBS(公共テレビ)への連邦資金提供を打ち切る大統領令に署名しました。政権は偏向報道を主張し、公共放送公社(CPB)に対して6月末までに助成金規定を改定し、両組織への直接・間接の資金提供を停止するよう命じています。これに対し、PBSNPRは「明白に違法」と反発し、CPBも政権を提訴しました。NPRは予算の約1%、PBSは約16%をCPB資金に依存しており、特に地方や小規模局への影響が懸念されています。NPR加盟局であるシアトルのKUOWも、年間予算の約5%(約100万ドル)をCPBからの助成金に依存しており、その資金はNPRの人気番組「Morning Edition」や「All Things Considered」のライセンス料、衛星通信、緊急警報システムの維持に充てられています。KUOWは、報道の自由と公共メディアの独立性が脅かされているとして懸念を表明する声明を出し、リスナーからの寄付などを通じて安定した運営を目指すとしています。

シアトル主要3社が2025年Q2決算発表、アマゾンは好調も関税に懸念

シアトルを本拠地とするアマゾン、スターバックス、マイクロソフトが2025年度第2四半期(暦年ではQ1)の決算を発表しました。アマゾンは売上1,557億ドル(+9%)、純利益171億ドルで予想を上回る好決算となりました。広告やAWSも堅調ですが、対中関税の影響を懸念し、今後の業績見通しは幅を持たせています。スターバックスは売上がわずかに増加したものの、利益は大幅減少。米国での客足減と運営コストの増加が響き、株価は6%以上下落しました。マイクロソフトは売上696億ドル(+12%)、純利益241億ドルと好調。クラウドとAI関連事業の成長が評価され、株価は発表後に約9%上昇しました。

シアトル・キング郡で犯罪件数が減少

シアトルおよびキング郡全体で犯罪が減少していることが、警察や検察の最新データから明らかになりました。パンデミック時に急増した暴力や窃盗の件数が減少傾向にあり、状況が改善しつつある可能性が示されています。AXIOSは、「全国的に犯罪が減少する中で、シアトル地域はこれまでその動きに遅れていましたが、ようやくパンデミック前の水準に戻りつつある兆しが見られる」と報じています。

数字で見る現状

  • 今年4月25日時点で、シアトル警察は強盗、レイプ、殺人などを含む財産犯罪と暴力犯罪を合計11,331件記録。
  • このペースが続けば、2025年の同種犯罪件数は前年比22%減(2024年は45,884件)になる見込み。
  • 暴力犯罪だけでも1,374件で、前年より約20%減少
  • 車両盗難は32%減と大幅に減少。

キング郡では昨年、6年ぶりに銃関連の暴力が減少。今年もその減少傾向が継続しており、今週発表予定の2025年のデータでもそれが裏付けられるとしています。

シアトルに女子プロアイスホッケーチーム誕生:PWHLが西海岸に拡大、カナダのバンクーバーとのライバル対決にも期待

2025年4月30日、北米の女子プロホッケーリーグ(PWHL)は、シアトルを本拠地とする新チーム「PWHLシアトル(仮称)」の設立を正式に発表しました。チームは2025–26シーズンからリーグに参戦し、、Climate Pledge Arena(クライメット・プレッジ・アリーナ)でホームゲームを開催、練習は Kraken Community Iceplex で行われます。

1人で車通勤する人が10年ぶりに増加 シアトル通勤調査

平日の勤務時間のダウンタウン

シアトル中心部での通勤・移動手段は、COVID-19パンデミック以降、大きな変化を遂げています。リモートワークから始まり、現在は出社の再拡大が進む中、通勤の選択肢や人々の価値観も多様化しました。シアトル・タイムズによると、2024年の「Seattle Commute Survey(シアトル通勤調査)」で、1人で車通勤する人が10年ぶりに増加したことが明らかになりました。一方で、通勤における満足度や移動の価値観には明確な傾向が見られます。この調査は、ダウンタウンおよびファースト・ヒルやサウス・レイク・ユニオンといった中心市街地に勤務する約20万人の従業員を対象として実施され、2024年10月のデータに基づいて、4月28日に公表されました。なお、2025年1月2日からアマゾンが週5日出社義務を全従業員に課したことで約5万人に影響が及んでおり、このデータはすでに古くなっている可能性があります。

  • 27%の通勤者が2024年に単独で運転してダウンタウンに通勤
  • 単独運転者は、最も満足度が低い通勤者層
  • 自転車・スクーター・徒歩での通勤者は、最も満足度が高い
  • 公共交通機関の利用率は25%で、2010年代の46%を大きく下回る
  • 在宅勤務は週平均で34%(特に月曜・金曜に集中)
  • 市全体で単独運転通勤の割合は31%に上昇(10年ぶりの増加)
  • 通勤方法の選択は、安全性、信頼性、アクセス、所得も関係しています。

シアトル市、小規模ビジネス向け助成金プログラムを提供 — 2025年テナント改善支援

シアトル市は2025年の「小規模ビジネスの成長を支援するための助成金プログラム」を開始しました。「2025年テナント改善プログラム(Tenant Improvement Program)」を通じて、看板助成金と設備補助金の2種類のパッケージを提供し、費用負担を軽減し、収益拡大を後押しします。

Forbes 世界のビリオネア番付 ワシントン州からも多数ランク入り 

米フォーブス誌の2025年版「世界のビリオネア番付」にワシントン州からも多数のビリオネアがランクインしたと、 AXIOSが報じました。ワシントン州のトップは元マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー氏で、資産は約1,180億ドル(世界10位)。マイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(1,080億ドル)、ゲイツ氏の元妻で慈善活動家のメリンダ・フレンチ・ゲイツ氏(300億ドル)、ジェフ・ベゾス氏の元妻でアマゾンの創業に携わり、現在は慈善活動家のマッケンジー・スコット氏(270億ドル)らが続きます。シアトル発のテックや小売、カフェ産業が生んだ資産が、地域の発展に影響を与えています。

ちなみに、世界1位はイーロン・マスク(約3420億ドル)、2位はマーク・ザッカーバーグ(約2,160億ドル)、3位はジェフ・ベゾス(約2,150億ドル)です。

ワシントン州、若年労働者保護を強化する新法を制定

4月28日、ボブ・ファーガソン州知事は、未成年者の労働環境を守るための法案「下院法案1644(HB 1644)」に署名しました。若年層の就労が進む中、未成年者労働法違反が増加しており、新法は違反企業に対する罰金を引き上げ、問題のある雇用主には未成年者の雇用を禁じる措置を可能にします。違反1件あたりの罰金は最低100ドルからで、重大なケガや死亡につながった場合は最低7万1000ドルが科されます。2027年以降は、2年ごとにインフレ率に応じて見直されます。また、労働産業局(L&I)は許可証発行前に職場の健康・安全検査を実施することが義務づけられました。

米労働統計局(BLS)のデータは2009年から2023年の間に16歳から19歳の若者の就労率が30%以上増加したことを示していますが、労働産業局(L&I)によると、この期間に14歳から17歳の労働者による労災申請件数は60%増加しました。

ワシントン州議会、ディスカバーパスの年間料金引き上げを可決

ワシントン州議会は、州立公園やその他の公共用地への車両アクセスを提供する「ディスカバーパス」の年間料金を、現在の30ドルから45ドルに引き上げる法案(上院法案5390号)を可決しました。Washington State Standard によると、ボブ・ファーガソン州知事が署名して成立すれば、ディスカバーパスの価格は2025年10月1日に、約14年ぶりに改定されることになります。パスの収益は、州内の100以上の州立公園や数百のレクリエーション施設の維持管理に充てられます。

サウンドガーデン、ロックの殿堂入り決定:シアトル発グランジの先駆者が音楽史に名を刻む

DENVER – JULY 18: Vocalist/Guitarist Chris Cornell of the Heavy Metal band Soundgarden performs in concert July 18, 2011 at Red Rocks Amphitheater in Denver, CO.
©︎TDC Photography / Shutterstock.com

2025年4月27日、シアトル出身の伝説的グランジバンド「サウンドガーデン」が、ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)入りを果たしました。1984年に結成され、シアトル発のグランジ・ムーブメントを牽引したバンドのひとつである彼らが、正式に音楽史に名を刻んだことになります。

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