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迷いやすい・間違えやすい「アメリカの交通ルール」をまとめてみた(1)

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アメリカの交通ルールは慣れてしまえば難しくありませんが、初めてアメリカに来た方にとっては、混乱することがあります。そこで、この記事では、アメリカで迷いやすい・間違えやすい交通ルールを15個まとめました。これからアメリカで運転する方や、交通ルールを知りたい方は必読です。

※ここでご紹介しているルールは、ワシントン州の交通法規に基づいています。米国全土でほぼ共通ですが、州・地域によって異なる場合もあります。ワシントン州の詳しい交通ルールは、Washington Driver Guide などをご覧ください。

もくじ

基本中の基本 ー アメリカは右側通行です。

アメリカは右側通行です。左側通行の日本などから来て運転する時、角を曲がったときに間違って左側に行ってしまわないように気をつけましょう。

歩行者や自転車が優先です。

アメリカの交通ルール

信号のある交差点では、右折や左折をする時、歩行者や自転車がいないか十分に確認しましょう。歩行者や自転車を優先する必要があります。

信号のない横断歩道や交差点でも、歩行者や自転車を優先します。

自転車やオートバイ(モーターサイクル)と道路を共有しましょう。

自転車専用車線のない道路

「常に車が優先」ではなく、自転車やモーターサイクル(オートバイ)と道路を共有すること。

自転車専用車線がある道路でない限り、道路の右側の白線は「路肩」(shoulder)であって、自転車が走るべきスペースではありません。

また、自転車やモーターサイクルは、車には影響のない、またはドライバーは気づかない、段差や危険物を避けるために、シフトダウンやウィービングをしなければならないことがあります。

こういったことを知らないで、自転車やオートバイにわざわざ接近して威嚇するなどの危険行為をするドライバーがいるのは、とても残念なことです。

当然ながら、自転車やオートバイ(モーターサイクル)は、車と比べると小さく、視界に入りづらいなど、安全面で独特の問題があります。交差点で左折・右折する前など、特によく確認しましょう。

また、ワシントン州では、2020年から、車でサイクリストを追い越す時は最低3フィート(91cm)の間隔を空けることが義務付けられています。違反が認められた場合は、ドライバーに罰金が科されます。

アメリカで自転車に乗っていて車にはねられて死亡したサイクリストは、2018年に857人に達しました。1990年以来最多の記録です。2010年から自転車に乗っていて車にはねられて死亡するサイクリストは増え続けています。

交差点での右折もいろいろあります。

アメリカの交通ルール

右側通行のアメリカでは、たいていの交差点は、赤信号でも完全に停車し、安全を確認すれば、右折することができます。

右折や左折をする時は、曲がる角に一番近い車線、そして右折や左折しても良い車線を使います。

その際、歩行者や自転車がいないか十分に確認しましょう。歩行者や自転車がいれば、優先する必要があります。

でも、赤信号で右折してはいけない場合があります。それは、上の写真のように、信号の横に『NO TURN ON RED』(赤信号では右折禁止)という標識がある場合です。たとえば、シアトル市内の中心部では車が歩行者やサイクリストをはねる事故が多いことから、赤信号での右折が禁止されている交差点が増えています。これに気づかないで赤信号で右折したところを警察が目撃した場合、違反チケットを切られて罰金を課されることがあります。

自分の前のドライバーが赤信号で右折していない場合、信号の横に『NO TURN ON RED』の標識があるかもしれません。イライラしたり、クラクションを鳴らしたり(honking)する前に、確認しましょう。

左折専用車線ですいすい

広い道路では、左折専用車線という便利な車線が道の真ん中にあります。黄色の実線と点線の囲まれた中央分離帯のような車線に入り、対向車線の車がなければ左折できます。この車線のおかげで左折待ちの車が連なることがなくなります。

ただし、この車線は対向車線から左折する車も入ってくるので、うまく対応する必要があります。

ALL WAY STOP は先着順です。

日本から来て「わかりづらい」と言われることが多いのが、全車一時停止を意味する「ALL WAY STOP」。交差点で一時停止し、先に交差点に到着した車から順に進みます。

でも、複数の車が同時に交差点に到着した場合、どの車が優先されるかは、状況によって異なってきます。一番右にいる車が優先される(right of way)のが基本ですが、歩行者がいる、直進か、曲がるのかなどによって異なります。「rules of four-way stops」などと検索してみると、英語での解説がオンラインにたくさん見つかるのは、それほど混乱する人が多いという証でもあります。

「STOP」という標識は、「一時停止」という意味。一時停止し、先着車がすべて動いたら、安全を確認した上で速やかに進みましょう。先着車がいなくなったのに他の車に譲っていると、後続車にクラクションを鳴らされたり、譲られた側のドライバーを困惑させたりすることに。

赤信号が点滅している交差点は、ALL WAY STOP と同じ扱いになります。停電などで信号が点いていない時も同じです。

また、「STOP All Way」と書いてある場合が多いですが、交差点では「STOP 4-WAY」、T字路では「STOP 3-WAY」と書かれていることもあります。また、「STOP 2-WAY」と書かれていたら、完全停止が必要なのは標識が立っている2方向のみ。残る2方向は停まらずに通過します。

ラウンドアバウト(roundabout)は減速して走ります。

環状交差点のこと。中央に設けられた円形のスペースを取り巻く環状道路に、3本以上の道路を接続したものをラウンドアバウトと言います。車両はこの環状道路を反時計回りに通行します。

ここ数年、日本でもラウンドアバウト=環状交差点が増えつつあり、2016年秋時点で約50カ所あるそうですが、まだ実物を見たことがないという人の方が多いかも。アメリカではごく一般的で、市街地でも郊外でもよく登場します。

日本とアメリカの違いは、1)日本では時計回り(右回り)なのに対し、アメリカでは反時計回り、2)日本では環状交差点を出る時だけ左ウィンカー(英語では turn indicators、または turn signal。でも日常会話では signal と言うことが多いです)を出します。ワシントン州運輸省は、ラウンドアバウト進入時は方向指示器を出す必要はなく、出る直前に右の方向指示器を出すように説明しています。

日米どちらの場合も、すでに環状道路を走っている車が優先。急にラウンドアバウトに進入したりすることがないよう十分に気をつけましょう。

ハザードランプやヘッドライトの点滅は「ありがとう」を意味しません。

クラクションやハザードランプは緊急時や危険を伝え、注意を引くためのもの。他の状況でちかちか点滅させると、挑発していると思われてしまうかもしれません。

「ありがとう」を伝えたいときは、つい、お辞儀してしまうかもしれませんが、その代わりに、手を軽くあげたり、同時に口の動きで “Thank you” と伝えたり、笑顔で手を振ったりします。車線変更などでスペースを譲ってくれた後方車にはバックミラー越しに手を振ったりするのが一般的なようです。

また、歩行者に道を譲ってもらった場合は前述の「ありがとう」のジェスチャーをして、さっさと進みましょう。遠慮して「いえいえ、お先にどうぞ」というようなジェスチャーをしてしまうと、相手を混乱させてしまうこともあります。

また、交差点で信号待ちする時、「対向車線のドライバーがまぶしいだろう」とヘッドライトを消さないこと。怪しまれるかもしれません。

シートベルト、カー・シート(チャイルド・シート)は必須です。

シートベルトの着用は法律で義務づけられています。ドライバーだけでなく、助手席でも後部座席でもシートベルトをしていない状態で見つかったら、していなかった本人が罰金を支払うことになります。

子どもは、一定の年齢・身長までカー・シート(チャイルドシート)やブースター・シートが義務付けられています。詳しくは「アメリカでの運転の注意点「カーシート (チャイルドシート)の使用は義務」でご覧ください。

YIELD は相手が優先です。

YIELD(「譲れ」という意味)の標識があるところでは、自分が今から合流する車線を走っている車を優先します。標識の手前で徐行、または停止し、安全を確かめてから合流します。

ポイントは、日本の一時停止とは違って、車が来ていなければ止まらずに進んでよいという点。見通しがいい場所などで、合流する道路に車がいないのが明らかなのにいちいち停止すると、後続車に追突されるかもしれません。

合流される車線を走っているドライバーは、そのまま通行します。合流してくる車を優先してあげようと勝手に決めて停止したり減速したりすると、後続車に追突されるかもしれません。

KEEP CLEAR の上で停車しません。

道路に書かれたこの言葉。これは、「この部分で停車してはいけない」という意味です。

向こう側に渡りたくてこの部分に入ってしまい、信号が赤になって渡りきれなくなった・・・なんてことになると大ブーイングで、罰金ものです。

踏み切りの手前で一時停止しません。

バスやトラックなど大型車以外は、踏み切りの手前で一時停止する必要はありません。踏み切りの信号に従って、必ず左右の安全を確かめてから横断しましょう。

日本と同じ感覚で一時停止をすると、逆に後ろから追突されるかもしれません。

スクールバスにくれぐれも注意してください。

登下校の時間帯に運転していると、スクールバスに遭遇することがあります。子どもたちがスクールバスを安全に乗り降りするために停車しなくてはならない場合に停車しなかったら、事故にならなかったとしても、ドライバーに罰金が科される可能性があります。

緊急車両は最優先!妨害しない!

消防車や救急車、警察車両など緊急車両のサイレンが聞こえたら、また、サイレンを鳴らした消防車や救急車が来たら、すみやかに道路わきに寄って停車します。

緊急車両が対向車線から来た場合、基本的には減速・停車とされていますが、道路わきによって停車するのが最適な場合はそのようにしましょう。中央分離帯があっても同じです。(Move Over Law)。

追い越し車線/HOV/CARPOOL LANEの使い方

追い越し車線:日本でも高速道路で追い越し車線があるように、アメリカでは一番左側(HOVレーンを除く)は追い越し車線です。この車線をゆっくり走っていると、後ろからクラクションを鳴らされたり、短気なドライバーにあおられたりすることがあります。

HOV/Carpool Lane:渋滞緩和の目的で2人以上、または3人以上乗車してる車の優先車線を、HOV(High Occupancy Vehicle Lane)または Carpool Lane(相乗りしている車専用車線)と言います。利用するのに必要な人数が書かれた標識をチェックしましょう。I-405 のベルビュー市とリンウッド市の区間は、1~2人しか乗っていない場合、月~金の午前5時から午後7時までは有料になります(3人以上は無料。この時間帯以外は人数に関係なく無料)。詳しくはこちら

エクスプレス・レーン:シアトル地域を南北に走る I-5とレイク・ワシントンの東西を結ぶ I-90では、エクスプレス・レーンと呼ばれる優先車線を時間帯によって南行きと北行き、西行きと東行きで交替して使用することになっています。エクスプレス・レーンについてはこちら

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