アメリカの多くの州で、車に子どもを乗せる際、カーシート(チャイルドシート)の使用が法律で義務付けられています。でも、「法律だから」ではなく、交通事故に遭遇した時に子どもを衝撃から守るために非常に重要で、子どもの成長に合わせて使い分ける必要があります。この記事では、それぞれの特徴や、いつからいつまで使うのかを紹介します。
ワシントン州での決まり(2020年1月改定)
- 2歳まで:後ろ向きのカーシート(rear-facing car seat)を使用する。
- 2〜4歳:ハーネス付きのカーシート(後ろ向きまたは前向き:rear or forward facing)を使用する。
- 4歳以上:身長が4フィート9インチになるまで、ベルト位置を調整できるカーシートまたはブースターシート(日本では「ジュニアシート」と呼ばれるもの)を使用する。
- 身長4フィート9インチ以上:シートベルトをして後部座席に座る。(一般的に8〜12歳)
- 13歳まで:シートベルトをして後部座席に座る。
16歳未満の子どもが年齢・身長・体重に適したカーシート、ブースター、シートベルトを使用していなかった場合、ドライバーは124ドルの罰金を科されます。
自分の車に他人の子供を乗せる場合にも、その子供が使うカーシートが必要です。カーシートの正しい装着の仕方は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)公認の機関が運営しているクラスでも教えてもらうことができます。子供病院や産婦人科のある病院などでもクラスを提供していることがあるので、確認してみましょう。
キング郡で確認してもらえるところ&無料のカーシート・チェックイベント
カーシートを初めて車に取り付ける方も、何度も経験がある方も、正しく取り付けるのは難しいことがあります。ワシントン州交通安全委員会によると、60%のカーシートは正しく取り付けられていません。不安な場合は、病院や消防署などで確認してもらいましょう。
シアトルやベルビューのあるキング郡では、病院や消防署でカーシートの取り付けを無料でチェックしてもらうイベントがあります。
カーシートの選び方
カーシートとして商品化するには、ISO(国際標準化機構)が定めた固定装置規格 ISOFIX に対応していることが必要です。アメリカやヨーロッパではシート部分が回転するシリーズや、首のすわっていない乳幼児に負担がかからないようにするため椅 子の角度を3段階に調節できる機能がついているものなどが販売されています。また、ドイツでは体を包み込むシェル型というスタイルも発売されています (レーマー社製)。まず、車にあうかどうか試してみましょう。装着したら、左右や前方に動かないことを確認してください。
- カーシートに付属している取扱説明書(Owner’s Manual)を読んで理解すること。
- 米運輸省自動車安全ホットライン(電話:888-DAH-2-DOT)で、リコールされて修理が必要なカーシートについての情報を入手すること。
- 次の事項を確認すること。
・対象年齢
・体重・装着の方法
・認証済みかどうか(欧州衝突安全基準「ECE44/03」は最も厳しい基準)。
・衝撃を和らげる構造
・シートを取り外して洗うことができるか(シートカバーの素材も要チェック)
・製品自体の重さ
・カーシートとして以外の活用法があるか(ゆりかご、ベビーキャリー、ストローラーなど)
・保証期間
・収納方法
・何らかの調整ができるか(シートのすわり心地など)。中には成長に従って形状を3段階に変更でき、ジュニアシートにできるものも。
各国における対象年齢の違い
インファントシート、カーシート、ブースターシートの使用対象年齢は各国または各州によって異なります。行き先の国や州でどのような法律が実施されているか調べておきましょう。
車を所有していない場合
車を持っていない場合、病院やバース・センターなどから退院して帰宅する時は、レンタカーを借りる、または車を持っている家族や友人に送迎してもらう必要があります。出産を終えたばかりの母親が徒歩や公共交通機関で帰宅することは、勧められていません。
また、新生児はカーシートに入れて退院する決まりになっています。新生児用のカーシートを用意せず、抱っこして帰宅することはできません。レンタカー、家族や友人の車でも、カーシートが必要です(以下参照)。
レンタカーの場合
レンタカーをする場合、ほとんどのレンタカー会社でカーシートのレンタルもしています。子供の年齢・体重を正確に知らせましょう。また、特定のカーシートを希望する場合、それも知らせておきましょう(必ずしも希望に沿ってくれるとは限りません)。でも、車とカーシートがあわないこともあるので、その車にあったカーシートを用意する必要があります。
タクシーやシャトルなどの場合
ワシントン州の法律では、ハイヤーとして登録されている車はカーシートの使用が免除されています。ハイヤーとして登録されているかどうかは、車のレジストレーション(登録証)の “use” 欄に F/H または CAB と記載されています。
でも、カーシートの使用が免除されている場合でも、事故にあう可能性を考えてカーシートを利用する方が安全です。ハイヤーがカーシートを備えている場合もあるので、事前に予約する場合は、必ず確認してみましょう。詳しくは、Washington State Legislature の RCW 46.61.687 の(5)をご覧ください。
ライドシェアの場合
ハイヤーとして登録されていない限り、Uber や Lyft などのライドシェアは、個人が所有する車両を使用するため、カーシートが必要です。カーシートの使用が免除されている場合でも、事故にあう可能性を考えてカーシートを利用する方が安全です。