目次
ダンジネス・クラブ(dungeness crab/アメリカイチョウガニ)とは
ワシントン州で「crab」といえば、一般的にダンジネス・クラブ(dungeness crab)を指します。この名前は、最初に漁が行われたアラスカの小さな漁村・ダンジネスに由来しています。
生息域はメキシコ北部からアラスカまで広く、北米西海岸で最も重要な食用ガニのひとつ。日本へは “cooked dungeness crab” として輸出されてきました。
シアトルをはじめとする太平洋岸のシーフード業界では、live crab/crab meat/boiled・cooked crab/crab cake といった表記は、一般的にこのダンジネス・クラブを指すのが通例です。
歴史的な豊漁となった2022〜2023シーズン
ワシントン州沿岸のダンジネス・クラブ漁業は、2022〜2023シーズンの総水揚げ量が1,300万トンを超え、記録的な漁獲量となりました。これは、2021〜2022シーズンの総水揚げ量を454万トン、過去10年間の平均を635万トン上回る大幅な増加です。
漁法とスポーツ・フィッシング
一般的な漁法は、ツナ缶や骨付き鶏肉などを入れたクラブポット(crab pot)を海中へ沈めて捕獲する方法です。シーズン中には、カナダ国境からフード・カナル最南端のオリンピアおよびシェルトンまで、期間・数量限定でスポーツ・フィッシングとして一般にも解禁されます。
ただし、資源保護のため以下の規制があります。
- 甲羅の長さ 6.25インチ(約16cm)以上
- オスのみ
- 1日5杯まで
家庭での下処理方法
活カニを調理する際は、以下の手順がおすすめです。
- 海水程度の濃さ(約3.5%)の塩水を沸騰させる
- カニを入れる(温度は一度下がる)
- 再沸騰後、18〜20分ゆでる
- すぐに冷水で2〜3分冷やす(余熱で火が入りすぎるのを防ぐため)
カニみそも美味で、甲羅に適量の酒と生卵を入れ、焦げる直前まで加熱すると豊かな風味を楽しめます。
あわせて読みたい


ダンジネス・クラブ (アメリカイチョウガニ:Dungeness Crab)
ワシントン州で「crab」と言えば、ほぼ必ず ダンジネス・クラブ(dungeness crab) のこと。学名はアメリカイチョウガニ。甲羅がイチョウの葉の形に似ていることからこ…
レッド・ロック・クラブ(red rock crab/イワガニ類)との違い
ワシントン州では、レッド・ロック・クラブ(red rock crab)も親しまれています。
特徴は以下の通りです。
- 爪の先端が黒く、背中は鮮やかな赤色
- 最大6インチ(約15.24cm)とダンジネスより小型
- さらに豊かな風味
- オイスターやクラムの天敵で攻撃的
- red crab/rock crab と呼ばれることもある
見た目や味わい、甲羅の大きさの違いから、ダンジネスとは明確に区別されています。

