MENU

ワシントン州の人口、初の800万人を突破 成長を支えるのは「移住者」

  • URLをコピーしました!

米国国勢調査局が先月発表した推計によると、アメリカ全体の人口が増えるペースは、2024年の1.0%から2025年には0.5%へと低下しました。その理由の一つは、国外からアメリカへ移住してきた人が、2024年の270万人から130万人(2025年7月1日時点)に減ったことです。

そんな中、ワシントン州の人口は8,001,020人に達しました。2020年の約770万人から、わずか5年で約30万人増えたことになります。

目次

州の人口増加を支える要因

米国国勢調査局のデータによると、ワシントン州の成長は以下の要素で構成されています。

  1. 国外からの移住:全米で国外からの移住が半減する中、ワシントン州では国外からの移住者による人口増が最大の割合を占めています。
  2. 国内他州からの転入:アメリカ国内の他州からの転入もプラスを維持しています。多くの州が国内他州への人口流出(国内純移動のマイナス)に直面する中、ワシントン州は国外・国内の両方から流入を確保できています。
  3. 自然増の推移:出生数が死亡数を上回る状態を維持しているものの、ベビーブーム世代の高齢化に伴う死亡数の増加と、34歳以下の出生率の低下が課題となっています。
スクロールできます
増加の要因人数(純増)構成比
国外からの移住46,202人63.2%
自然増(出生ー死亡)17,230人23.6%
国内他州からの転入9,238人12.6%
その他392人0.6%
合計73,062人100%
出典:U.S. Census Bureau, Vintage 2025 Components of Change

2026年予測:これからの家賃と住まいはどう変わる?

人口800万人突破という明るいニュースの一方で、シアトルの公共放送 KUOW などは、シアトル経済が「テック不況(Tech Recession)」の瀬戸際にあると警鐘を鳴らしています。

1. 「テック・ブーム」から「テック・グルーム(停滞)」へ

シアトル地域の雇用市場には厳しいデータが出ています。

  • 記録的な大量解雇ワシントン州雇用保障局(ESD)の WARN で公開されている通り、2026年に入ってから Amazon、Meta、Expedia、T-Mobile といったシアトル地域に本社または大規模な拠点を置く企業による大量解雇が続いています。これが短期的には人口増のブレーキとなる可能性があります。
  • 雇用の純減:KUOWの報告によると、シアトル地域では昨年、1万3,000件の雇用が純減しました。例年4万件の雇用増がある同地域にとって、この減少幅はドットコムバブル崩壊(2001年)やリーマンショック(2009年)に匹敵する深刻な数字です。Indeed Hiring Lab によると、シアトル地域の求人掲載数の減少(2020年比で約35%減)も報告されています。また、テック情報サイトの GeekWire は特に「ソフトウェア開発(Software Development)」や「データ&アナリティクス(Data & Analytics)」分野で指数が30前後(2020年比で約70%減)にとどまっており、テック業界の採用抑制が鮮明になっていると指摘しています。

2. 2026年の家賃・住宅市場への影響

この雇用情勢の変化は、これからの住まい探しに直接影響します。

  • 家賃の伸びは「穏やか」:過去1年で約5万戸という記録的な住宅供給があったことも重なり、2026年の賃料上昇率は2%〜4%程度の緩やかな上昇に落ち着く見通しです。(GPS Renting)また、2026年1月より、ワシントン州全体で年間家賃引き上げの上限が9.683%に設定されました。これにより、大幅な値上げのリスクが軽減され、賃貸市場の安定化が進むと見込まれています。
  • イーストサイドやライトレール沿線での需要増加:一方で、Amazonがベルビューへのオフィス集約を継続していることから、需要の重心はシアトル市内からイーストサイドや、利便性の高いライトレール沿線(リンウッド等)へと移り、これらのエリアでは引き続き安定した需要が見込まれます。

統計による時期の違いについて

今回の発表は全米一律の基準で算出される「米国国勢調査局」によるものですが、実はワシントン州財務管理局(OFM)が独自に行った統計では、2024年4月1日の時点で既に800万人(約803万人)を突破したと発表されていました。

州独自の統計は、予算配分や行政サービスのために、より早いタイミングで公表される傾向があります。今回の連邦政府による発表で、改めて「公式に800万人を超えた」ことが全米に示された形となります。

📚 参考資料および情報源

  • 米国国勢調査局(U.S. Census Bureau)
  • ワシントン州財務管理局(OFM)
    • 州独自の推計では、連邦政府の基準よりも早い2024年4月1日時点で人口800万人突破を記録しています。OFMは自然増が2017年から減少傾向にあることや、住宅建設の38%がキング郡に集中していることなど、詳細な地域動向を報告しています。詳細はこちら
  • ワシントン州雇用保障局(ESD)

国勢調査局:U.S. Population Growth Slows Due to Historic Decline in Net International Migration(2026年1月27日発表)
国勢調査局:Vintage 2025 Population Estimates(2026年1月27日発表)
ワシントン州財務管理局:Washington state tops 8 million residents in 2024(2024年6月28日発表)

  • URLをコピーしました!
目次