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第55回 経営者変更の際の不動産賃貸借契約書の手続きについて

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企業の経営者が変更することはよくありますが、レストランや店舗を持つ企業経営者がビジネスを他の経営者に売る際に必要な手続きがあります。経営者間の買収契約やリース契約、取引先との契約改定等はもちろんですが、店舗やオフィススペースを賃貸してビジネスを営む経営者は、商業賃貸借契約書の変更に関して貸主と交渉する必要があります。今回は、この不動産賃貸借契約の取り扱いについて、簡単にご説明します。

通常、貸主と借主間では賃貸借契約書を交わしますが、その契約書には又貸しや譲渡に関する条項が含まれています。特に商業用のリースは5年から10年の契約が普通で、その契約期間中に、事業の変更、たとえば、経営者の変更や企業間の売買等があることは稀ではありません。その際、オフィスや店舗等の賃貸借契約を変更するか、買い手(新しい経営者)への法的責任についての条項が含まれている必要があります。

買い手(新しい経営者)に法的責任を移行させる方法としては、基本的には、以前の経営者と新しい経営者同士の又貸し(Sublease)契約書を結ぶか、リース契約書そのものを次の経営者に譲渡するかの選択になります。いずれの場合においても、契約書にその取引を自由にできるように明記していない限りは、貸主からの承認を得る必要がありますが。また、前者の又貸しの場合は、もし新しい経営者が家賃を滞納した場合は、元の経営者に支払い義務が発生する(RCWA 59.12.030)のに対し、譲渡の場合はリース契約責任そのものを譲渡する手続きをすることによって、元経営者が法的責任から開放されることになります。なお、後者の譲渡の手続きを完了させるには、貸主の承認に加え、貸主が「元の借主に支払いを求める権利を放棄(Release)する」という約束を書面にする必要があります。

ところが、多くの貸主は契約譲渡、つまり、元の借主に支払いを求める権利を放棄する契約を交わすことを拒む傾向にあります。企業買収や経営者変更等がある場合には、まず、リース契約書の譲渡が可能かどうかを調べた上で、企業売買の交渉を始めることが懸命だと言えます。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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