Q:4歳の息子が、買い物に行くたびにお菓子を買ってくれと駄々をこねます。買い物に行く前に、何も買わないと言い聞かせるのですが、その場で泣かれるとついつい黙らせるためにお菓子を買ってしまいます。何か良い方法はないでしょうか?
A:買い物中に泣いたり、言うことを聞かず走り回ったりする子供をちょくちょく見かけますが、大概、大人がショッピングに集中していて子供の行動にあまり気づかないうちに、子供は退屈してきて駄々をこね始めるのがパターンです。日本では子供がちょっと昼寝している間に買い物に行ったりしますが、ワシントン州では子供は11歳位までは一人で留守番をさせないようにというガイドラインが示されています。
子供の言い分からすると、「家で遊んでいる方が楽しいのに、なぜ買い物に行かなければいけないのか」「お母さんはあんなにたくさん自分の欲しいものを買っているのに、自分は何も買ってもらえないのは不公平だ」ということになるのではないでしょうか。
ご相談の内容では、もうすでに駄々をこねる度に、お菓子のご褒美がもらえるというパターンが確立してしまっているようなので、このパターンを変えるのはかなり工夫が必要です。
買い物中に、よく言うことを聞いて、駄々をこねなかったならば、ご褒美がもらえるパターンに逆転することが基本です。
それにはまず、ショッピングに行く前に、今週の献立を立てて、ショッピングリストを作り、何を購入するかを決めておく必要があります。子供と一緒に、体に良い食品、あまり体に良くない食品のお話をしながら、献立を立てるのも一つの方法です。その中で、なぜお菓子が体に余り良くないものかお話しします。
リストを作った後、買い物に行く前に、今日の計画を子供に話します。たとえばショッピング中はお母さん・お父さんと一緒にいて、「何か買って~」と駄々をこねず、楽しく買い物が終わったら、帰りに30分公園で遊んで帰るという計画を話します。公園に行くのが、この場合ご褒美に当たります。ご褒美はその子供の本当に好きなものでないと効果は半減します。なるべく日常やることで、お金のあまりかからないものであることも必要です。もちろん、買い物の中に子供に健康的なお菓子をご褒美として買うこともできますが、それではショッピングに行くたびに何か買ってもらえるといったパターンを維持することになります。
さて、リストを作り、子供にも計画を話したら、実践に移ります。まず、何を買うのか、どこにあるのかなど、子供と話しながらショッピングをします。買わなくてはならない食品のある場所を子供に見つけさせてみたり、同じ食品を日本語と英語で言うクイズをしてみたりと、子供が興味を持てるようなショッピングを心がけましょう。そして、一番大切なのは、子供が言うことを聞いて、良い行動を取っているたびに誉めることです。とにかく最初は褒めて、褒めて、褒めちぎるのが大切です。ここまでやってもやはり駄々をこねた場合は、計画が上手く行かなかったのは残念だったと、冷静に買い物をやめてお家に帰るか、最初は大人がもう一人同行して、車の中で子供と待つなどのバックアッププランが必要です。
子供の行動は、持って生まれた性格と、生まれ育った環境に左右されますので、他の子供はこんなことはしないのになどと比較することは避けましょう。子供は一人一人違った個性があるので、それを尊重することがとても大切です。
ここで、いつも親の言うことを聞かない子供や、子供に ADHD や自閉症(広汎性発達障害)、その他の発達障害などがある場合、上記の工夫以上のものが必要です。ひどい場合は専門家(小児科医、学校の先生、カウンセラー等)に相談してみましょう。
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高田 Dill 峰子さん
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