2025年1月1日にワシントン州の最低賃金が2.35%上昇し、時給$16.66に引き上げられます。
現時点でワシントン州は全米で最も最低賃金が高い州ですが、連邦最低賃金は依然として1時間あたり7.25ドルに据え置かれています。
市の最低賃金が州の最低賃金を上回る場合
市の最低賃金がワシントン州の最低賃金を上回る場合は、市の最低賃金が優先されます。
現在も、シアトル、シータック、タクウィラ、レントン、ベリンハム、ビュリエンの最低賃金は、ワシントン州の最低賃金を上回っています。
16歳未満の場合
ワシントン州法では、最低賃金は16歳以上が対象となっています。そのため、14〜15歳の時給は最低賃金の85%にあたる$14.16となる場合があります。
ワシントン州の最低賃金の算出方法
ワシントン州法により、ワシントン州労働産業局(Department of Labor & Industries)は、連邦労働統計局(BLS)の都市部の賃金労働者と事務職の消費者物価指数(CPI-W)に基づき、前年8月のCPI-W指数と当年8月のCPI-W指数を比較し、翌年の最低賃金を算出しています。
「ワシントン州の最低賃金を$15に」という動きが始まったのは2016年。ワシントン州の時給が初めて$15を上回ったのは、2023年でした。
最低賃金で生活はできるのか
ワシントン州では住居費が高騰しています。National Low Income Housing Coalition(NLIHC)のレポートによると、2ベッドルームのアパートの適正賃料(FMR)は月額2,097ドルです。最低賃金で働く場合、週に99時間、またはフルタイムの仕事が2.5件必要になります。
このレベルの家賃と光熱費を支払い、収入の30%以上を住宅費に充てないためには、世帯収入は月額6,989ドル、年収83,865ドルが必要となります(週40時間、年間52週間勤務)。
しかし、住居費と光熱費を収入の30%以内に抑えることを基本とした場合、ワシントン州で物件を借りるのに必要な時給と年収は次のようになっています。
住居 | 適正賃料 | 必要な時給 | 必要な年収 |
---|---|---|---|
ベッドルームなし | $1658 | $31.89 | $66,337 |
1 ベッドルーム | $1756 | $33.77 | $70,248 |
2 ベッドルーム | $2097 | $40.32 | $83,865 |
3 ベッドルーム | $2839 | $54.59 | $113,545 |
4 ベッドルーム | $3301 | $63.48 | $132,036 |
また、シアトル〜ベルビュー大都市圏の場合、スタジオなら時給$42.52、1ベッドルームなら時給$43.63が必要とされます。年収にすると、スタジオなら$88,440、1ベッドルームなら$90,760となります。
「低収入」は、どのぐらい?
The Department of Housing and Urban Development のレポートによると、2024年度のシアトル~ベルビューでの「低収入」(low income)にあたる世帯年収は、独身$77,700、2人世帯$88,800、3人世帯$99,900、4人世帯$110,950となっています。
ちなみに、2023年は、独身$70,650、2人世帯$80,650、3人世帯$90,850、4人世帯$100,900でした。