1月12日に開会したワシントン州議会の補足会期(supplemental session)は、折り返し地点を過ぎ、いよいよ後半に突入しました。60日間という短期間の中、2月4日に設定されていた最初の審議期限を通過し、現在も検討が続いている重要法案があります。急速に進化するAI(人工知能)への安全対策や、住宅不足解消に向けた民泊への新税導入など、私たちの生活に直接的な影響がある法案の行方に注目です。
目次
AIの安全性:チャットボットへの安全対策(AI Guardrails)
AI分野では、ボブ・ファーガソン州知事の要請に基づく companion chatbot(コンパニオン・チャットボット)の規制法案(SB 5984 / HB 2225)が注目を集めています。
- ポイント:AIが人間を装うことで利用者が依存したり、特に未成年者が不適切な影響を受けたりすることを防ぐ狙いです。
- 主な要件:運営者に対し、利用開始時および一定時間ごとに「これはAIであり人間ではない」と通知すること、また自傷行為の兆候を検知・対応するプロトコルの実装を義務付ける内容です。
- 現状:1月末から委員会での審議が本格化しており、全米でも先進的な消費者保護の枠組みとして議論が進んでいます。2月初旬の期限を通過し、現在は成立に向けた次のステップへ進んでいます。
住宅供給:短期レンタル(民泊)への新税導入案
住宅価格の高騰と供給不足への対策として、Airbnb(エアビーアンドビー)などの短期レンタル予約に対し、各自治体が最大4%(州全体で最大6%の可能性も含む)の課税を可能にする法案(HB 2559 / SB 5576)が再浮上しています。
- ポイント:オンラインプラットフォームを介した民泊予約に新税を課します。
- 目的:この税収を「手頃な価格の住宅(affordable housing)」の建設資金に充て、観光需要による住宅供給への圧迫を緩和することが期待されています。
- 現状:2月初旬に歳入委員会などで審議が進んでおり、現在は具体的な税収の管理方法や運用面での精査が行われています。一方で、業界団体からは観光業への打撃を懸念する反対意見も出ています。
労働者の権利:農場労働者への支援と移民税関執行局(ICE)対応
農業従事者の法的保護を強化する法案(SB 6045)も重要な争点となっています。
- ポイント:農場労働者への団体交渉権の付与や、連邦の移民税関執行局(ICE)による職場調査が行われる際の従業員への通知義務化などが盛り込まれています。
- 現状:公聴会を経て、現在は予算委員会で財務面や産業への影響が精査されています。
今後のスケジュール
ワシントン州議会の会期は、3月12日に終了します。2月中も継続的に話し合いが行われ、そこで最終的な合意が得られたものが法律となります。就任2年目を迎えたボブ・ファーガソン知事が推進するこれらの政策が、私たちの生活にどのような形で取り入れられるのか、今後の動きが注目されます。

