去る5月6日、ベルビューで開催された Visit Bellevue 年次総会 & デスティネーション・アワード(Visit Bellevue Annual Meeting & Destination Awards)にて、夏の恒例行事「ジャパンフェア」が Event of the Year(年間最優秀イベント)に、そして2023年に開店した日本食レストラン Takai by Kashiba が Business of the Year(年間最優秀ビジネス)に選ばれました。
この総会は、全米で観光業を祝う「National Travel & Tourism Week」の一環として開催され、観光関係者やビジネスリーダー約200名が参加。テーマは「成長と回復力の先駆者(Pioneering Growth & Resilience)」で、観光と経済の発展に寄与する地域の取り組みが称えられました。
ジャパンフェア:ベルビューを代表する日本文化イベントに成長

受賞を喜ぶジャパンフェア実行委員長の清水楡華さんと中本アレンさん
日本文化を紹介する大型イベント「ジャパンフェア」は、ベルビューで18年間にわたり開催されてきた「Aki Matsuri(秋まつり)」の伝統を受け継ぐ形で、2016年にスタートしました。
メイデンバウアー・センターで開催された第1回ジャパンフェアの来場者数は約1万5000人。その後、コロナ禍ではオンライン開催に切り替えながらも、世界2万人以上にリーチし、2023年には対面イベントとして復活。過去最多の来場者数約3万人を記録しました。今回、伝統芸能・和食・現代カルチャーが融合する多彩なプログラムが高く評価され、「イベント・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。2025年のジャパンフェアは、7月12日(土)・13日(日)の二日間にわたり、メイデンバウアー・センターで開催されます。
Takai by Kashiba:美食で魅せるベルビューの日本食レストラン

左から:Takai by Kashiba のクリスタル・ヴァスケスさん、エドウィン・加柴さん、
高井潤さん、加柴司郎さん(右)
「ビジネス・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた Takai by Kashiba は、伝説的寿司職人・加柴司郎さんの系譜を継ぐ高井潤さんによる日本料理店。洗練された寿司と和食が話題を呼び、地域だけでなく観光客からも高い評価を得ています。味だけでなくホスピタリティの高さ、地域への貢献も受賞理由のひとつとされています。

ベルビュー市の観光業の成長と今後の展望

2024年におけるベルビューの宿泊観光客数は220万人に達し、地域経済へのインパクトは19億ドル。州および市における税収は1億2700万ドルとなり、地域経済に大きく貢献したことが強調されました。
ホテル業界の収益は前年比19%増の2億7200万ドルを記録。主要イベントへの支援によって創出された宿泊数は26,400泊、関連する観光支出は2,800万ドルに上りました。マーケティング面でも大きな成果があり、SNSでのインプレッション数は9億7千万回、Visit Bellevue 公式ウェブサイトの訪問者数は63万超と、過去最高水準に達しました。また、観光客向けの移動サービス「ベルホップ(BellHop)」の利用者数は15万人以上に達したほか、モバイル観光案内所も26,000人超の来場者に対応しました。

今後に向けた施策としては、新たなブランドビジュアルとウェブサイトの刷新が発表されたほか、サステナビリティ・多様性・アクセシビリティに配慮した観光推進部門の新設も発表されました。
グルメ分野では、新たなシェフ主導型イベント「The Radiant Table」や、人気企画の「Bellevue Eats」シーズン2が展開予定。さらに、ベルビュー初となる公式グルメガイドの発行が2025年秋に予定されています。
2026年に向けては、FIFAワールドカップの開催準備や、ベルビューとシアトルを結ぶイーストサイド・ライトレールの延伸計画も期待されます。