1890年にシアトルのセントラル・ディストリクトで創業し、ピュージェット湾地域に67店舗を展開している家族経営のドラッグストア 『Bartell Drugs』(バーテル・ドラッグス)が、Rite Aid (本社:ペンシルバニア州キャンプヒル)に9500万ドルで売却されることが発表されました。
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— Bartell Drugs (@bartelldrugs) October 7, 2020
ワシントン州に69店舗、全米19州に約2400店を展開しているナショナルチェーンの Rite Aid は7日、「売却後も Bartell の名前は残り、閉店や約1,600人の職員を削減する計画はない」「約70人の本社従業員は合併後の組織でのポジションについて注意深く、等しく吟味される」と発表。Bartell Drugs も「お客様へのメッセージ」で同じ内容を伝えています。売却は12月に完了する見込み。
シアトル・タイムズによると、同社は財務データをほとんど公開していないものの、明らかな財務上の問題の兆候は見られなかったとのことですが、「このパンデミックで売上が減少する前から、バーテル・ドラッグス社は長期的な展望について疑問の声が高まっていた。特に大不況以降、ドラッグストア業界は利益が減少し、アマゾンや他のオンライン小売業者に売上が着実に奪われ、保険会社による処方薬の償還も減少している」と指摘しています。
Bartell Drugs の最高経営責任者(CEO)の Kathi Lentzsch 氏は、KING5の取材に対し、パンデミックが同社の売却決定につながったことを認めました。シアトル市の企業税を含むさまざまな税金の上昇も要因の一つとして具体的に言及しましたが、シアトルのダウンタウンの3rd Avenue にあった店舗の閉鎖につながったホームレス問題への市の対応は、今回の売却決定の要因にはなっていないと述べています。
Rite Aid も Walgreen や CVS などのはるかに規模の大きいナショナルチェーンとの競争が激化しています。