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シアトル・ライトレール「2ライン」全線開通!浮橋を渡る世界初のライトレールが運行開始

©︎Sound Transit / Peter Bohler
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3月28日、シアトル周辺の交通網を塗り替える歴史的なプロジェクト「クロスレイク・コネクション(Crosslake Connection)」が開業しました。これにより、ライトレール「2ライン」の全線がついに連結。世界で初めて、ライトレール車両が浮橋(うきはし/フローティング・ブリッジ)の上を走行し、乗客を運ぶという画期的な偉業を成し遂げました。

今回の開業により、イーストサイドとシアトル市内、シアトル・タコマ国際空港、フェデラルウェイ、リンウッド、そしてその間の各地域がライトレールで結ばれ、地域交通ネットワークが完全に統合されました。

目次

新設区間とネットワークの拡大

Courtesy of Sound Transit

今回開通したのは、2ラインの最終部分となる約7マイル(11.2km)の区間です。

  • 新設駅: マーサー・アイランド(Mercer Island)駅、ジャドキンズ・パーク(Judkins Park)駅
  • 空港方面(南)へ行く場合の「1 Line」との接続点: インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅
  • 全体規模: 現在のリンクライトレール・システムは、総延長63マイル(約101km)、全50駅を擁する巨大ネットワークへと成長しました。
出発所要時間(目安)備考
シアトルのダウンタウン〜ベルビューのダウンタウン約20〜25分「2ライン」直通
ベルビューのダウンタウン〜レドモンド約 20〜25分「2ライン」直通
ベルビュー〜シアトル・タコマ国際空港約 50〜55分インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅で「1ライン」に乗り換え
マーサー・アイランド〜インターナショナル・ディストリクト約 10分「2ライン」直通

運賃と支払い方法

カテゴリ対象年齢・条件片道運賃1日券(Day Pass)
一般成人(18歳以上)19歳〜64歳$3.00$6.00
ユース18歳以下無料不要
シニア・障がい者65歳以上 / 規定の障がいをお持ちの方$1.00$2.00
低所得者(ORCA LIFT規定の収入条件を満たす成人$1.00$2.0011

2026年2月、クレジットカードやスマートフォンをリーダーにかざすだけで運賃が支払えるコンタクトレス決済『Tap to Pay(タップ・トゥ・ペイ)』が導入されました。

一人分の片道運賃は、手持ちのクレジットカードや、クレジットカードを紐付けしたスマホをこのスキャナにかざして支払うことができます。特に、たまにしか公共交通機関を利用しない人や、短期滞在の旅行者にとって便利です。

ただし、1日券(Day Pass)や一人以上の運賃の支払いはできないので、券売機を使う必要があります。詳細は下記のページでご覧ください。

地域リーダーたちの声:未来への投資

インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅からベルビュー方面へ向かう「2 Line」
©︎ Sound Transit

パティ・マレー上院議員は、「『ベルビューにライトレールはいつ来るのか?』という長年の問いに、ついに『約8分おきに来る』と答えられるようになった。世界初の浮き橋を走る電車に乗れるのは、素晴らしいエンジニアリングの驚異です」と述べ、このプロジェクトが全米で最も野心的な公共交通機関の拡張であることを強調しました。

新しく開業したシアトルのジャドキンス・パーク駅
©︎Sound Transit / Peter Bohler
新しく開業したマーサー・アイランドのマーサー・アイランド駅
©︎Sound Transit / Peter Bohler

また、マリア・キャントウェル上院議員は、「ワールドカップ開催を控えた絶好のタイミングでの開業です。シアトルからレドモンドの職場まで40分で移動可能になり、空港や将来のソニックス(NBA)の試合会場へも、渋滞知らずでアクセスできるようになります」と、経済へのポジティブな影響を語りました。

運行スケジュール

レイク・ワシントンの浮橋を走行中のライトレールから
2026年3月28日撮影

「1ライン」(One Line)および「2ライン」(Two Line)の運行時間は以下の通りです。

  • 運行時間: 毎日 午前5時頃 ~ 深夜12時頃まで
  • ラッシュ時の運行間隔: 新設駅では約8分間隔
  • ラッシュ時以外の運行間隔: 10~15分間隔
  • 高頻度区間: リンウッド・シティセンター駅とインターナショナル・ディストリクト駅の間は、1ラインと2ラインが重複するため、約4~5分間隔で列車が到着します。

※STエクスプレスバスは、2026年8月まで現在のルートとスケジュールで運行を継続します。

ライトレールの公式サイトはこちら

生活者と旅行者へのメリット

この開通は、日々の通勤・通学客の生活の質を向上させるだけでなく、旅行者にとっても非常に便利になります。

  • 渋滞回避:I-90の慢性的な渋滞に左右されず、シアトルとベルビュー間を移動できます。
  • 絶景:レイク・ワシントンを横断する車窓からは、マウント・レーニアやシアトルのスカイラインを一望でき、地域屈指のビューポイントが誕生します。
  • アクセス拡大:シアトル・タコマ国際空港から「1ライン」でシアトル中心部に移動して「2ライン」に乗り換えるだけで、ベルビューやレドモンドへ手軽にアクセスできるようになります。
  • 駅の駐車場:駅の無料駐車場に車を駐車してライトレールに乗ることもできます。駐車場の一覧はこちら
  • 自転車と乗車:自転車を持って乗車することができます。
  • 自転車の駅での保管:駅にはバイクルーム、バイクロッカー、バイクラックがあります。一覧はこちら

ライトレールの公式サイト:www.soundtransit.org/ride-with-us
路線図:www.soundtransit.org/get-to-know-us/maps
駅の駐車場:www.soundtransit.org/ride-with-us/parking/parking-locations

世界初の技術と安全性

2025年9月8日に行われたテスト走行で、自力で浮き橋を走行するライトレールの車両
©︎Peter Bohler/Sound Transit

レイク・ワシントンに架かるI-90の浮橋に線路を敷設する計画は、その難易度の高さから世界的に注目されてきました。サウンドトランジットによると、浮橋特有の揺れや伸縮に対応する技術は数々の賞を受賞しており、2025年9月には浮橋を初めて自力で渡る歴史的テスト走行に成功。これは、架線から電力供給を受けた鉄道車両が浮橋を渡った、世界初の成功例となります。

サウンドトランジットによると、この数ヶ月間、運行担当者はインターライニング(Interlining)と呼ばれる、インターナショナル・ディストリクト/チャイナタウン駅での「1ライン」と「2ライン」の相互乗り入れテスト

浮橋とは?

©︎Rudy Willingham

「浮橋(floating bridge)」は、橋脚を海底や湖底に固定するのではなく、巨大なコンクリートの箱型構造物(ポンツーン)が水に浮かんでいます。そして、その上に道路と線路が設置されています。水深が深く、通常の橋脚を立てられない湖や湾に適しています。

レイク・ワシントンの東のベルビューと西のシアトルを結ぶこの浮橋は高速道路 Interstate 90(I-90)の一部で、全長2,020m。世界で二番目に長い浮橋として知られています。

ちなみに、世界で最も長い浮橋はこのI-90の北にある520の浮橋で、全長2,350mです。

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