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第2次世界大戦中に日本人・日系アメリカ人強制収容を実行させた大統領令9066号の発令から、2025年2月19日で83年。
日本によるハワイの真珠湾攻撃から約2ヵ月後の1942年2月19日、フランクリン・D・ルーズベルト大統領は大統領令9066号(Executive Order 9066)に署名し、国家の安全保障にとって「脅威」とみなされるすべての人物の強制退去を可能にしました。

アメリカ合衆国西海岸が軍管理地域に指定され、
そこに居住していた日本からの移民(一世)と、その子孫の日系アメリカ人に
強制退去を命じる掲示(1942年4月 カリフォルニア州サンフランシスコで撮影)。
約12万人の日本人と日系アメリカ人が強制収容された。
これにより、当時ワシントン州・オレゴン州・カリフォルニア州・アリゾナ州に住んでいた約12万人の日本人とその子孫の日系アメリカ人が、カリフォルニア州、アイダホ州、ユタ州、アーカンソー州、ワイオミング州、アリゾナ州、コロラド州の自然環境の厳しい内陸部10カ所に作られた収容所に強制収容されました。収容された人のうち約3分の1は日本から移住した日本人(一世)、約3分の2はアメリカ生まれのアメリカ人(二世)でした。
現在、2月19日は『Day of Remembrance』と名付けられています。毎年この時期には、この歴史を後世まで語り継ぎ、米国が同じ過ちを二度と繰り替えさないよう求める催しが、シアトルを含む全米各地で行われます。
2025年にシアトル地域で開催される主なイベントは次のとおりです。
2月8日(土)ピュアラップ
Puyallup Valley JACL – Day of Remembrance at the Remembrance Gallery
開場:10am
開始:10:30am
ギャラリー:11am-12pm(20人ずつ入場)
新たに開設された『Remembrance Gallery』では、ピュアラップ博覧会場において約8,000人が馬小屋や家畜展示場、粗末なバラックに収容された歴史の記録が展示されています。講演、ギャラリー見学、『Silent Fair』上映などが行われます。入場無料。Seattle Chapter of the JACL、Tsuru for Solidarity、Densho、the Japanese Cultural & Community Center of Washington、the Minidoka Pilgrimage Committee が共催します。
2月16日(日)シアトル大学
Minidoka Pilgrimage Planning Committee – Japanese American Day of Remembrance: Film Screening and Fundraiser
開催時間:1pm-4pm
会場:シアトル大学 Pigott Auditorium
北米最古の釣りクラブの歴史を描いたドキュメンタリー『The Tengu Club』の上映と、シアトル大学の Hidaka Taiko による演奏が行われます。本イベントは2025年ミニドカ巡礼の支援を目的としています。入場無料。
2月18日(火):ショアライン・コミュニティ・カレッジ
Shoreline Community College – Never Again Is Now: Remembering Japanese American Incarceration
開催時間:11am – 2pm
会場: Shoreline Community College 内 メインダイニングルーム(Room 9215)
シアトル在住のアーティストでコミュニティ活動家のエリン・シガキ氏とともに、日本人強制収容を記憶するイベント。シガキ氏によるプレゼンテーション 「Never Again Is Now: Remembering Japanese American Incarceration」(二度と繰り返させない—日本人強制収容の記憶)に続き、壁画制作ワークショップが開催されます。シガキ氏は、家族が収容された第二次世界大戦中のミニドカ強制収容所への巡礼を毎年企画し、また、Tsuru for Solidarity のメンバーとして、あらゆる人々の収容・拘束の廃止を目指して活動しています。2020年にベルビュー・カレッジに設置した「Never Again is Now」と題した壁画が破壊行為を受けたことは記憶に新しいです。
2月18日(火)ピュージェット・サウンド大学
Japanese American Day of Remembrance(日系アメリカ人追悼の日)を記念し、第二次世界大戦中にハワイで不法に自宅から強制退去させられた日系アメリカ人について描いたドキュメンタリー映画『Removed by Force』が上映されます。この作品は、ピュージェット・サウンド大学卒業生のウィリアム・カネコ氏が共同執筆した本に基づくもので、24時間以内に立ち退くよう命じられた約1500人の中には、親戚宅に身を寄せた人たちもいたものの、ホームレスになった人たちもいました。上映後にはカネコ氏とライアン・カワモト監督とのQ&Aが行われます。
2月19日(水)パイク・プレース・マーケット
Tsuru for Solidarity – Stop Repeating History: Days of Remembrance and Resistance
開催時間:10am-11am
会場:パイク・プレース・マーケット(First Ave & Pike Street 正面入口)
2025年は、大統領令9066号の署名から83年目、そして第二次世界大戦中に日系アメリカ人が収容されたWRA(戦時転住局)およびDOJ(司法省)キャンプの大半が閉鎖されて80年目に当たります。しかし、現在、第二次大戦中の日本人強制収容が先例として利用され、新たな大統領令のもとで移民の排除、収容、強制送還が推し進められています。Tsuru for Solidarityは、こうした歴史と現代の政府の行動を結び付け、タコマのノースウェスト収容センターで現在進行中の大規模な収容・強制送還に対する抵抗方法を提案します。
2月19日(水)ベインブリッジ・アイランド
Bainbridge Island Japanese American Exclusion Memorial — Day of Remembrance: Community Work Party
開催時間:10am-12pm
会場:Bainbridge Island JA Exclusion Memorial(4192 Eagle Harbor Dr NE, Bainbridge Island)
地域ボランティアとともに、記念碑の屋外清掃(剪定・除草・マルチングなど)を行います。どなたでも参加可。道具の提供あり。

2月19日(水)ワシントン州都オリンピア
Washington State Legislature – Day of Remembrance Resolution
開始:10am
会場:ワシントン州議会 下院議場
シャロン・トミコ・サントス州下院議員とボブ・ハセガワ州上院議員が、毎年ワシントン州議会にて大統領令9066号が日系アメリカ人にもたらした影響を記憶する決議を提出します。
2月19日(水)シアトル
Seattle JACL, Puyallup Valley JACL, Olympia JACL, Blaine Memorial UMC – Day of Remembrance Film Premier: Removed by Force
開催時間:6:30pm-8pm
会場:Blaine Memorial United Methodist Church Sanctuary(3001 24th Ave S, Seattle)
第二次世界大戦中にハワイで不法に自宅から強制退去させられた日系アメリカ人について描いたドキュメンタリー映画『Removed by Force』が上映されます。この作品は、ピュージェット・サウンド大学卒業生のウィリアム・カネコ氏が共同執筆した本に基づくもので、24時間以内に立ち退くよう命じられた約1500人の中には、親戚宅に身を寄せた人たちもいたものの、ホームレスになった人たちもいました。上映後には共同プロデューサー/脚本家ウィリアム・カネコ氏とライアン・カワモト監督とのディスカッションが行われます。
2月19日(水)ベルビュー
City of Bellevue & King County Library System – Emerging Radiance: DOR Opening Reception
開催時間:6pm-9pm
会場:キング郡図書館(15600 NE 8th St, Bellevue)
ベルビュー市とキング・カウンティ図書館が、日系アメリカ人農家の歴史を称える拡張現実(AR)作品『Emerging Radiance: Farmhouse』を発表。このインスタレーションは2027年2月まで展示されます。オープニングイベントには、アーティストのミシェル・クマタ氏とタニ・イケダ氏が登壇。午後7時30分のブレイクアウトセッションで、アーティストによる解説を聴くことができます。
2月22日(土)ワシントン大学
Nikkei Student Union (NSU) – Day of Remembrance: Learning from the Past, Fighting for the Future
開催時間:3pm-5pm
会場:ワシントン大学シアトル校 Intellectual House
ワシントン大学日系学生会(NSU)によるプログラム。講演、太鼓パフォーマンスがあります。
2月23日(日)タコマ
Tsuru for Solidarity – Stop Repeating History: Days of Remembrance and Resistance
開催時間:1pm-3pm
会場:Northwest Detention Center(NWDC)(1623 East J Street, Tacoma)
現在800人以上が家族と引き離され、無期限の収容を強いられているノースウェスト収容センターにて、Tsuru for SolidarityとLa Resistencia が抗議活動を行います。
無実の人の強制収容が二度と繰り返されないよう求める活動を続けているシアトルの非営利団体 Densho は、日本人・日系アメリカ人強制収容を経験した人の体験談を映像や記事で記録し公開しています。日本語版はこちら。