ピュージェット湾に生息するオルカの個体群「サザンレジデント」の調査を行っている Center for Whale Research が、3頭のオルカが姿を消しており、死亡したと推測されると発表しました。5月に今年2頭目の赤ちゃんの誕生が確認され、合計個体数は76頭とされていましたが、これにより73頭となります。
絶滅の危機に瀕しているサザンレジデントには、J、K、L の3つのグループがありますが、今回それぞれのグループから1頭ずつ消息が確認できない状態です。
J17:42歳のメス。昨年死んだ赤ちゃんオルカの遺骸を17日間にわたり運び続けた Tahlequah(J35)の母親。J17は昨年の冬、ストレスが原因と見られる体調不良に陥っているとされていました。J17は、メスのJ53、オスのJ44の母親でもあります。
K25:28歳のオス。昨年の冬、体調不良と見られていました。
L84:29歳のオス。カナダ水産海洋省による調査でも確認されない状態が続いていました。
同センターは、チヌークサーモン(キングサーモン)が減っていることから、サザンレジデントがピュージェット湾、ジョージア海峡、ファンデフカ海峡の内陸沿いに入ってこなくなっていると声明で指摘しています。
Marine Mammal Commission によると、
サザンレジデントは1960年代から1970年代にかけて射殺や捕獲で個体数が減り、1976年には71頭に。その後、これらの行為が禁止されてから、1995年には98頭まで増加しましたが、その後は減少を続けており、73頭は過去34年間で最低となっています。
