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シアトルでボタン海老を釣る(Spot Prawn)

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シアトルでボタン海老

最近書いた釣りの連載記事は、「シアトルで釣り」と言いながら、実はどれも遠路3時間もドライブしないとできない、「シアトルではできない釣り」ばかりだ。

それだけ都市部の環境悪化が進んで、釣りの対象となる魚がひとつ、またひとつと消えてしまったわけで、30年前の活況ぶりを思いだして溜息をついているのは、筆者だけではないだろう。

ところが、一方で、「え、こんなに近いところでまさか、こんなに獲れるんですか?」とたいていの人が腰を抜かすのが、エリオット湾のエビ獲りだ。

もくじ

シアトルのダウンタウンの目の前の海

シアトルでボタン海老獲り

まさに、スペース・ニードルのまん前の海で、立派なエビがザクザク獲れる。それも芝エビのような小物ではなく、あのエビの王者とも呼ばれるボタン海老(Spot Prawn)なのである。中華料理店などの水槽に、よく活海老が泳いでいるが、まさにあの海老なのだ。

今年は例年以上に豊漁で、先日の解禁日には5人で400匹のリミットを、半日で達成してしまった。いや、本当は500匹も獲れてしまって、漁獲リミット(一人80匹)を超えた100匹を泣く泣く海に戻すほどの大漁だったのである。

エビの獲り方は簡単だが、ポイントは深場なので、残念ながら小さくてもボートがないと不可能である。でも、岸から200~300メートルほどのところでもエビは獲れるので、ゴムボートなどでも何とかできないことはない。

必要な道具

  • ボート
  • エビ専用のカゴ(網の開口部のサイズが7/8インチ)
    ※カゴの数は一人2個まで、ボート一艘に4個まで
  • ロープ 最低300フィート(約90m)
  • エサとして使う缶詰入りのキャット・フード

やり方は、以前ご紹介したカニかご漁とよく似ている。ただし、カゴはエビ専用の網の開口部のサイズが7/8インチのカゴを使用しなくてはならない。また、カゴの数は一人2個まで、ボート一艘に4個までと決められている。これにエサとしてキャット・フードの缶詰に穴をたくさん開けたものを入れ、海底まで下ろしてやるのだが、その深さは半端ではない。エビが良く獲れるのは水深250フィート(約76m)前後なので、ロープの長さは余裕を持って300フィート(約90m)はないと届かない。短すぎると、ロープの終わりに結んだブイごと水没してしまって、一巻の終わりであるからご用心。

さて、待つこと1~2時間。エサの匂いにつられてエビがゾロゾロとかごの中にたくさん入ったころを見計らって、カゴを引き上げるのだが、これが中々の重労働である。300フィートのロープを引っ張ってあげるのに、たっぷり15分はかかり、腕はクタクタになってしまう。エビがたくさん入っていると、水の抵抗も大きいだけになおさら重い。しかし、やがて上がってきたかごの中に真っ赤なエビの姿が見えてくると、疲れは一瞬に消えうせてしまうのである。

生で食べるのが最高

シアトルで甘エビ獲り

このエビは寿司ダネに使われるボタン海老であるから、生で食べるのが最高である。我が家では刺身か握り寿司が定番となっていて、他の食べ方はしない。焼いたり、フライにしても悪くは無いが、生で食べられるものをもったいないと思う。頭は味噌汁に入れたり、から揚げなどにすると美味なので、捨てないように。また、この甘エビは冷凍できるので、殻つきの身の部分をきちんと冷凍パックすれば、一年後でも刺身で食べられるので、貴重な保存食でもある。

シアトルでボタン海老獲り

唯一の問題は、最近は漁期が極端に短くなって、この数年間は解禁日は5月の第1土曜日一日だけとなってしまった。昔は4月から10月まで解禁だったのに、あまりの変わりようである。しかし、その規制のおかげか、今でもエリオット湾でこれだけのエビが獲れるのだから、喜ぶべきなのだろうが・・・・。

ワシントン州で魚釣りや潮干狩りをするには、ライセンスを購入する必要があります。また、量・数には制限があります。ワシントン州魚類野生動物管理局(WDFW)の公式サイトでライセンスを購入し、規則を読んでから出かけましょう。

文:光岡則夫
1952年、横須賀生まれ。小学生の時に2年間をアメリカで過ごす。東京大学卒業後に電通に入社、旅行会社への転職を経て、1981年にロサンゼルスの DENTSU AMERICA へ。その後、オイル・チェンジのバルブを販売する会社をシアトルで起業。普段は釣りや松茸狩りなど、ワシントン州の四季を満喫する日々を送っている。『ぶらぼおな人』での取材記事はこちら。ワシントン州での釣り、松茸狩り、栗拾い、山菜取りなどについてまとめた 『人生そぞろ歩き』 を文芸社から出版。

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