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ノースウエストの秋の味覚 白鮭のイクラ、オーガニック丹波栗、かぼちゃ

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白鮭のイクラ(Chum Salmon Roe)

イクラ丼

Sushi Kappo Tamura 田むら
【住所】 2968 Eastlake Avenue East, Seattle, WA 98102(地図
【電話】 (206) 547-0937
【公式サイト】 sushikappotamura.com

秋は川をのぼる前の鮭に脂がのって最高に美味しい時期。メスは卵をたくさん抱えているため、イクラも旬を迎える。

「イクラ」はもともとロシア語で、魚卵を意味しているが、日本では特に鮭の卵である筋子をばらばらに加工したものを指す。平安時代には越後の国から筋子を持った鮭が献上された記録があるものの詳細はわかっておらず、明治時代にロシア人から加工法を学んだというのが通説だ。

シアトルのイーストレイクで 『田むら』 を経営する京都出身の北村太一さんがお勧めする秋の味覚は、まさにそのイクラ。しかし、どのイクラでも良いわけではなく、北村さんによると、英語では Chum Salmon と呼ばれる白鮭のイクラがダントツに美味である。「味が良く、濃厚ですね。他のイクラとは値段もかなり違います」。

同店では基本的に寿司として出されているそうなので、ぜひトライしてみてほしい。入荷量がかなり多い時は、写真のようにいくら丼として食べられることもあるかもしれないので聞いてみよう。

その他に北村さんが個人的に「これははずせない」というシアトルの秋の味覚は「メロン」。「ファーマーズ・マーケットに行けばワシントン州産のものがいろいろ売られていて、あちこちから香りが漂ってくるほど。何でもおいしいですね」。

※イクラの入荷状況は来店前に確認するのがおすすめ。

オーガニック丹波栗

栗

1993年にシアトルのユニバーシティ・ディストリクトで生産者と食材を主役にしたファーマーズ・マーケットを立ち上げた Seattle Neighborhood Farmers Markets。ディレクターのクリス・カーティスさんがカリフォルニア州で見たマーケットをシアトルでも実現しようと数人のボランティアと創設した非営利団体で、現在は市内の7つのエリアでマーケットを展開している。

21年目を迎えたユニバーシティ・ディストリクトのマーケットには、一般消費者はもとより、地元レストランのシェフも買い出しに訪れる。1998年にはニューヨーク・タイムズ紙に紹介され、2012年には Boston Globe に「全米第3位」、同年 Forbes 誌に「全米トップ10のマーケットの一つ」、そして今年は旅行誌 Conde Nast Traveler にも「米国のベスト・マーケットの一つ」に挙げられるなど、継続して全米で高く評価されてきた。

そのユニバーシティ・ディストリクトに出店している滝克典さんは、ワシントン州を分断するカスケード山脈の東に位置する農園で1996年からオーガニックの和野菜や果物を栽培している。オーガニック農家は他にもたくさん出店しているが、和野菜を中心に販売しているのは滝さんだけだ。

9月22日の店頭には栗、茄子、大根、シシトウ、春菊、ベリー、苦瓜などが所狭しと並んでいた。その一部はスーパーマーケットでも買えるものだが、滝さんが作る質の良いオーガニック食材をを求めてわざわざ来る買い物客が引きを切らず、あえてファーマーズ・マーケットを買い物場所に選ぶシアトライトの意識の高さが感じられる。滝さんに感謝の言葉を声をかけて行く買い物客も多い。

栗

殻付きの栗は1パウンドあたり6ドル。食育にもよさそう

さて、今回の注目は、滝さんが育てた丹波栗。栗の皮はツヤツヤで光を帯び、いかにも新鮮そうだ。1パウンドあたり殻付きなら6ドル、殻をとってあるものは10ドル。殻がついた栗を見る機会はそうないことから、親子の食育にもおすすめ。栗をむくのは大変だが、それだけの価値があると、早速、土鍋で栗ご飯を作ってみた。所要時間は普通の米を炊く時と変わらないが、炊いているうちからほのかな甘みのある香りがあたりに漂う。蒸しおわって蓋を開けると、ご飯の間に大きな黄色い栗が。口の中にじんわりとおいしさが広がって行く。地元の食材を通じて季節の移り変わりが感じられるノースウェストにいるということは、なんともありがたいことだ。

かぼちゃ

かぼちゃのチーズケーキ

Setsuko Pastry せつこ・ペイストリー
【電話】 (206) 816-0348
【公式サイト】 www.modern-seattle.com/menu/

ケーキや焼き菓子の販売・卸売りを行っている 『Setsuko Pastry』。この時期は、秋ならではのかぼちゃを使ったチーズケーキが人気だ。

材料は、カボチャ、卵、クリームチーズ、ヘビークリーム、砂糖、小麦粉、バター、グラハムクラッカーとシンプル。そのおかげで、かぼちゃの色がきれいに出て、濃い風味が味わえる。丁寧に裏ごししてある生地はとても滑らかだ。

栗のモンブラン

栗のモンブラン

今から冬にかけてのおすすめは、手作りの粒餡、生クリーム、フランス産の栗を使った和風モンブラン、ホワイト・チョコレートとダーク・チョコレートの2段ムースケーキ。パーティの多い季節に喜ばれること間違いなし。

せつこさんにとっての秋の定番は焼き芋。「洗ったさつまいもをアルミホイルで包み、250度の低温で40分ほどオーブンで焼くだけなので、日本で食べた焼き芋が大好きな子供のために仕事の合間に作っています。子供はこれを朝食にもおやつにも食べていますね。味付けも何もなくても、低温で焼くことで甘さがすごく増えて美味しいですよ」。

掲載:2014年9月



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