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映画ロケ地めぐり『Outsourced(アウトソースド)』|シアトルとインドを結ぶ異文化交流コメディ

パイク・プレース・マーケット
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2000年代前半、アメリカ企業は人件費削減を目的にコールセンター業務を大量にインドへアウトソーシングしました。そんな時代背景を描いた『Outsourced(アウトソースド)』は、シアトルを出発点にインドでの異文化交流をユーモラスに描き、共感を得ています。

  • ジャンル:ロマンチック・コメディ
  • 公開年:2006年
  • 監督:ジョン・ジェフコート
  • 出演:ジョシュ・ハミルトン、アイーシャー・ダルカール、アシーフ・バスラ
  • レーティング:PG-13
目次

あらすじ

アメリカのコールセンターで働くトッド(ジョシュ・ハミルトン)は、突然、自身の部署がインドへアウトソーシングされることを告げられます。さらに、教育担当としてインド現地へ派遣されることに。ムンバイに到着したトッドは、空港での客引きや衛生事情の違いなどカルチャーショックを次々と体験。戸惑いながらも、現地スタッフや人々との交流を通じて異文化を理解し、成長していく姿が描かれます。

主なロケ地(シアトル)

©︎Rachael Jones

映画の冒頭から、シアトルの象徴的な風景が数多く登場します。

  • ケリー・パーク(Kerry Park, Queen Anne)
    ダウンタウンの摩天楼越しにマウント・レーニアを望む景色が映し出され、シアトルを象徴するオープニングカットとして使用されています。
  • パイク・プレース・マーケット(Pike Place Market)
    レトロな赤い看板が登場。観光客に人気の名所で、映画でも「シアトルらしさ」を表現する場面に使われています。
  • ウェストレイク・センター(Westlake Center)
    ダウンタウンにあるモール。ショッピングや人の往来が描かれるシーンで登場。
  • ベルタウン(Belltown)
    ダウンタウン北西の一角が短い場面で映ります。現在もレストランやバーが立ち並ぶエリアです。
  • シアトル公共図書館(Seattle Central Library)
    レム・コールハース設計のガラス張り建築が印象的に映し出されています。

その他のディテール

  • トッドの上司が食べているポテトチップスは、当時はワシントン州オーバーンに本社があった 『Tim’s Cascade Snacks』の製品。地元企業を小道具に使うことでシアトルとのつながりを強調していました。
  • 物語の大部分はインドで撮影され、ムンバイを中心に現地ロケが行われました。

まとめ

2000年代前半、アメリカ企業は人件費削減を目的にコールセンター業務を大量にインドへアウトソーシングしました。英語力に優れた若年層を多く抱えるインドは、米国企業にとって主要な拠点となりました。しかし、アメリカ国内の顧客の中には、英語表現や文化の違いに起因する顧客対応の質の低下に不満を抱く人も多く、社会的な議論に発展しました。

2010年代に入ると、フィリピンや東欧、南米も拠点として参入し、さらにAIや自動応答システムが普及して効率化と24時間対応が進展しました。2020年代には、顧客満足度やブランド価値を重視し、一部業務を国内に戻す「リショアリング」が見られるようになっています。実体験としても、アメリカ企業の顧客サービスに電話をかけると、アメリカ国内拠点だというアメリカ英語を話すスタッフが米国事情を理解した上で対応することがあり、新鮮な印象を受けることがあります。

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