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シアトル市が2本の行政命令を発出 トランプ政権の州兵派遣などの可能性に備える

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シアトルのブルース・ハレル市長は8日、トランプ政権が連邦化した州兵をシアトルに配備する可能性や、連邦移民当局が移民・難民の取り締まり活動を行う可能性に備え、2本の行政命令に署名しました。シアトル市の公式発表によると、今回の命令は「一方的な部隊派遣への備え」と「移民・難民コミュニティの保護」という2つの柱で構成されています。

目次

行政命令(1):連邦部隊派遣に備えた対応体制の整備

1本目の行政命令は、連邦化された州兵部隊がシアトルに派遣された場合、市が法執行機関への統制権を維持し、地域社会を保護するための枠組みを整備するものです。

  • 市は、違法な派遣に備えた法的対応の事前検討を行い、タスクフォースを設置。州知事、州司法長官、市法務局、地域コミュニティとの連携体制を明確化する。
  • さらに、シアトル市警(SPD)が連邦の指揮下に入らないことを再確認し、連邦政府による違憲・不当な介入を防止する方針を強化する。
  • 憲法修正第1条(First Amendment)に基づく抗議活動の権利も改めて確認され、抗議が平和的に行われるよう、市と主催者との協働体制を強化する。

シアトル市長室:Executive Order 2025-07: City of Seattle Response to Potential National Guard Deployment

行政命令(2):移民・難民コミュニティの権利保護と透明性の強化

2本目の行政命令は、移民・難民コミュニティを保護し、連邦移民当局による活動の透明性を高めるものです。

  • 市は、新たに覆面や身元不明の連邦職員による移民取締りを禁止する条例案を策定し、市有地での連邦移民取締りの拠点化・実施も禁じる方針を示している。
  • また、シアトル市警(SPD)には、覆面・身元不明の人物による拘束事案への対応指針を明確に示している。
  • これに加えて、市は法的支援の強化や「Know Your Rights(権利を知る)」トレーニングの拡充を進め、移民・難民コミュニティへのサービスを70%増額する計画。

シアトル市長室:Executive Order 2025-08: Strengthening Seattle’s Response to Federal Threats to Immigrant and Refugee Communities

連邦政府による州兵の派遣

現時点で州兵(あるいは州兵を活用した連邦任務部隊)が派遣されている、または派遣が報じられている都市・地域は、次のとおりです。

シアトル市の今後の取り組み

シアトル市はこれまでもトランプ政権による資金削減や政策変更に対抗する複数の訴訟を起こしてきました。2026年度予算案では、連邦資金削減に備え、住宅支援や食料支援などの必須サービス確保に2,760万ドルを投資。移民・難民局(Office of Immigrant and Refugee AffairsOIRA)は、「One Seattle Community Resource Fair」シリーズを開催し、地域団体との連携を強化しています。

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