FDAは7月19日、テイラー・ファームズ(カリフォルニア州)のレタス検体について専門家が再確認を行った結果、サイクロスポーラの陽性反応は「偽陽性」であったと結論付けたと発表しました。7月19日時点で、陽性が確認された検体は一件もないとしています。
FDAがテイラー・ファームズ製レタスの「偽陽性」を発表
FDAは前日の18日にテイラー・ファームズ供給の刻みレタス検体から陽性反応が出たと発表していましたが、同社は19日に判定誤りの連絡を受けたことを明らかにしました。
偽陽性と判明したのは、週末に南部国境での輸入検査の際に採取されたテイラー・ファームズ・デ・メキシコ産の刻みレタスの新たな検体です。テイラー・ファームズへは19日に訂正の連絡が入りました。
集団感染発覚からの経緯
- 7月17日: FDAの追跡調査により、発症前にタコベルを利用した患者が摂取したレタスの供給元がテイラー・ファームズ・デ・メキシコ1社に特定されました。同日、同社はメキシコ中央部産アイスバーグレタスの全米市場からの自主引き上げを発表し、FDAに回収通知を行いました。
- 7月18日: FDAよりレタス検体の陽性反応が発表されました。回収通知にはウォルマート販売の「マーケットサイド」ブランド製品(賞味期限7月18日~8月3日のアイスバーグサラダ・刻みレタス)や業務用商品が含まれました。
- 7月19日: FDAが陽性反応の「偽陽性」を公表し、検査結果を訂正しました。
自主回収の対象範囲と現状
テイラー・ファームズは当初提供された情報に基づき、予防的措置としてメキシコ中央部産アイスバーグレタスの自主回収を完了しています。回収対象はメキシコ中央部で栽培・加工されたアイスバーグレタスに限定されており、店頭で販売されているテイラー・ファームズブランドの製品を含むその他の製品は対象外です。
FDAは、今回の偽陽性の判定が、集団感染の調査や自主回収の根拠となっている疫学データに影響を与えるものではないとしています。追跡調査およびこれまでのデータにより、引き続きメキシコ中央部にあるテイラー・ファームズの拠点で作られた刻みアイスバーグレタスが原因製品として特定されています。
感染規模と「サイクロスポーラ」の特徴
サイクロスポーラ症(Cyclospora)の感染は、インディアナ州・ケンタッキー州・ミシガン州・オハイオ州・ウェストバージニア州の5州にあるヤム・ブランズ傘下「タコベル」の店舗で提供されていた刻みレタスとの関連が指摘されています。
CDCの発表によると、これまでに約100人が入院していますが、死者は確認されていません。
- 被害規模: これまでに1,644人以上の感染が確認され、94人が入院しました(死者は報告されていません)。
- 発症時期: 5月13日から7月13日の間に集中しています。
- 主な症状: 「爆発的な下痢」(explosive diarrhea)が最大の特徴で、数週間から1ヶ月以上も症状が出たり消えたりを繰り返すことがあります。お腹の張り、食欲不振、激しい疲労感を伴うこともあります。
ノロウイルスとの違い
シアトル・キング郡保健局によると、一般的な「ノロウイルス」は人から人へ爆発的に感染し、症状は1〜2日で収まることが多いですが、サイクロスポーラは人から人へは直接感染しません(排出された直後の寄生虫には感染力がないため)。
ただし、症状が非常に長引くという特徴があります。また、細菌ではないものの特定の抗生物質による治療が可能な点も、ノロウイルスと異なります。
シアトル・キング郡(ワシントン州)の現状は?
シアトル・キング郡保健局(Public Health – Seattle & King County)の発表によると、現時点でこの複数州にまたがる集団感染がキング郡に影響を与えている証拠はありません。 地元での予期せぬ感染者の増加も確認されていないとのことです。
同保健局は「現時点で特定の野菜の購入を控えたり、処分したりする必要はない」としていますが、FDAは汚染されたレタスが他の地域にも流通していないか調査を続けています。
注意!「水洗い」では防げない
シアトル・キング郡保健局の専門家であるアン・シェン(Ann Shen)氏は、サイクロスポーラは非常に強い寄生虫であり、「一般的な水洗い(野菜をすすぐ・洗う)だけでは完全に死滅させたり落としたりすることはできない」と警告しています。
少しでもリスクを減らすための具体的な予防策は以下の通りです。
- 皮をむく・こすり洗い: 果物や野菜は、表面を勢いよくこすりながら洗うか、皮をむくことでリスクを軽減できます。
- 加熱調理(確実な方法): 寄生虫は熱に弱いため、内部温度を70℃(158°F)以上に加熱すれば確実に死滅させることができます。
- リスクの高い食品を避ける: 過去にサイクロスポーラの原因となりやすかった食品(袋入りのレタスやサラダ用生野菜、ラズベリー、パッケージされた生のハーブ類など)を生で食べるのを控える。特に高齢者、乳幼児、妊婦、免疫力が低下している方は注意が必要です。
FDAと各州は、製品サンプルの収集と分析を続けています。最新の情報は、下記の公式サイトで確かめることをおすすめします。

