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ユーチューバー カリスマブラザーズ ジョージさん「好きなことを見つけ、それを全力でやってみる」

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カリスマブラザーズ ジョージさん

カリスマブラザーズ ジョージさん

ジョージさん略歴:1991年、東京生まれ。2014年12月にジローさんと2人で「カリスマブラザーズ」としてユーチューブにチャンネルを開設。商品紹介、奇抜なやってみた系、アメリカならではのロードトリップ、英語を使った動画を毎日配信中。現在は UUUM(ウーム)に所属。

【YouTubeチャンネル】
www.youtube.com/c/charismabros/
【カリスマブラザーズ公式 Twitter】 CharismaBros
【ジョージ Twitter】 CB_george12
【カリスマブラザーズ ファンサイト(CBF)】charismabros.fans

2014年12月にシアトルを拠点にユーチューブにデビューした、ユーチューバー「カリスマブラザーズ」。ジョージ、ジロー、みのの3人がいろいろなことをやってみる動画を配信し、2017年3月13日現在の登録者数は約49万7千人以上、動画再生回数は約1億5,000万回を超える。2017年に入ってファンサイト(CBF)もオープンし、テレビにも出演するなど、新しい活動も。これからの展望について、ジョージさんに聞いた。

悩みぬいて出した答えは「ユーチューバー」

カリスマブラザーズ ジョージさん

カリスマブラザーズ
左から みのさん、ジローさん、ジョージさん

ファンサイトもオープンしてますます忙しく、クリエイティブに活動されてますね。

ユーチューバーって、動画の企画から編集まで全工程を担当しているので大変なんですが・・・おかげさまで最近、本当に忙しいです(笑)。でも、それはこの業界が成長してきた証かと。うれしいことです。

チャンネルを開設したきっかけは?

海外で何かチャレンジしないと自分の中で納得できないと思って始めたのがキッカケです。それが2014年11月の事でした。

で、それから1ヶ月、こんなに悩んだことはないというほど悩みました。ボランティアを精力的にやってたりとかしてたんですが、なんというか、「何かやりたい、もっと大きく」と。でも、ジローと2人で「起業をしたい」みたいな感じで始めても、何をしていいかわからない。もがいてもがいて、行き詰まって、ある日、夜中の1時に、「一番仲がよかったみのに話してみないと終われない」と考えて、1時間も車を運転して相談に行ったんですよ。そして午前2時にみのの家に着いて相談して、そしたら「ユーチューブやってみたら」と。そこで感動しちゃって、「そうだよ!やるしかない!」そして、次の日にカメラを買いに行って、ユーチューブのチャンネルを作ったのが翌月の12月でした。

そこで「ユーチューブ」という提案をみのさんが出したのはなぜ?

みのはいろんな動画を見ていて、もともと好きだったみたいですね。それで彼なりに考えて、「おまえ、人よりは話うまいし、やってみたらいけるんじゃないか」と。当時は登録者が100万人を超えているトップクリエーターはヒカキンさんしかいなかった。今ははじめしゃちょーさんもいて、テレビなどでも「ユーチューバー」という言葉が使われて、ものすごく変化しましたね。

始めた当初はどんな感じでした?

2年前ですが、一日中、ジローの家で撮影して、朝の5時までかかって編集、朝の渋滞に巻き込まれて帰り、寝る。それをリアルに半年ぐらい毎日やって、動画を作りました。「今こうして昼夜逆転してやってるのも、将来の糧になる」と思っていたので、楽しかったですよ。絶対成功してやるという気持ちが強かったので、辛くなかったですね。

でも、編集は大変でした。最初は編集ソフトのどこで何ができるか知らなくて、それを探す作業もあったので、6時間かけて6分ぐらいのものが1本できるというペースでした。今はFinal Cut Pro を使って、6分ぐらいの動画は2時間で作れます。イントロはこれ、ここにこれ、と作りながら、考えながら、撮る。本腰入れてやろうという人は、やっぱりFinal Cut Proを 使ったほうがいいと思います。でも、趣味なら携帯でも編集できるアプリがありますよね。iMovie だっていいと思いますよ。

ユーチューバー同士のコラボで大ブレイク

大ブレイクのきっかけは、西海岸ロードトリップでしたね。

愛知県岡崎市の人気ユーチューバー、東海オンエアとのコラボでしたが、彼らはこっちで仲のいい友達の知り合いの知り合いで。チャンネル開設した当時、その友達に、「日本に帰って、東海オンエアに会ってくるから」と言ったら、「いや無理だから」と言われたんです(笑)。でも、へきトラハウスというユーチューバーに出会って、彼らを通じて東海オンエアにたどり着きました。紹介してくれたのも、僕の熱意が伝わったからだと思いますし、今でも彼らへの感謝は忘れていません。

当時、僕らの登録者は1万人いるかいないかぐらいだったんですが、東海オンエアとのロードトリップの動画を配信しながら、旅の2日目にヨセミテ国立公園に寄ったんですね。あそこは携帯の電波が通じないんですが、なぜかみのの携帯だけ電波が通じて、登録者数がいきなり2万2千人になってることがわかったんです。みのに「2万人突破おめでとう」って、さらっと言われて、「え、2万人て!どんだけ伸びたの?」って。今でもあの衝撃を覚えてます。

企画はどのように作っているんでしょう?

ユーチューブの中でのトレンドってありますね。コーラとか、メントスとか。そういった、ユーチューブの中で何がはやってるか、何がはやりそうか、見極めながら、やっています。企画を話し合うのは基本ですね。「家でできていいな」って、みんなにうらやましがられますが、家で結構働いてます。常に考えていて、常に働いていて、休みがない。

だから、アウトプットとインプットのバランスはめちゃくちゃ大事だと思うんです。普段は小説を読んだり、雑誌を見たり、ネットを見たりして、いろんな引き出しを作ってます。何が何に結びつくかわかりませんし。と言っても、今でも何がヒットするかわかりません。だからとにかくやってみる。

作っていればいいというわけではないですしね。でも、毎日新しい動画を配信するのは大変では?

そう、作っていればいいってわけじゃない。めっちゃ努力しないといけない。結局、楽な仕事はないですね(笑)。ユーチューバーって楽と思われがちなんですが、トップで闘うのはエネルギーもいる。しかも毎日配信。これは本当に大変なことなんです。僕は声を大にして言いたいですね(笑)。

今、日本のユーチューバーは毎日配信の文化ですが、アメリカのユーチューバーは、ひとつのチャンネルを30人とかでやって、配信は多くても週5日で、週末は休み。日本の文化とは、こういうところでもかなり違う。これから日本もそんなふうに分業になっていくと思いますが、実際、日本でヒカキンさんが週7日努力してやってるところを、僕らが週5に落としてヒカキンさんを超えられるわけがない。ほんとなら僕らは週8とか週9とか出さないといけない。でも体力的にキツイですね。ヒカキンさんが週5になったら、僕らも週6とか?(笑) 

今後さらに伸びるためには、方向転換が必要

これからやってみたいネタは?

ロードトリップはすごく面白かったんですが、需要があるかどうかはまた別の話で。こんなに手のこんだやつがなぜ受けなくて、なんでこんな手のこんでないのがこんな伸びるのって、いつもわからない。何が僕らで見たいんだろうといつも考えています。

最近気づいたのは、セルフブランディングは主張なんじゃないか、ということです。言い続けることによってブランディングになっていく。これまでは誰かがイメージを作り、それに僕らが乗っ取られ、あわせるというスタイルだったのが、最近は自分の主張を続けることによって、それが自分のブランドになり、視聴者がそれに慣れて行くんだなと。チャンネルとしてこれというものがあるのとないのとでは、すごく差があるんです。

では、「カリスマブラザーズはこうだ!」というのは?

それが見つかってないから、僕らの登録者数は48万人止まりなんですよ。僕らのようにネタ系と言われている場合は、僕の意見ですが、70万人が線引きで、そこから上に行くユーチューバーには、「このチャンネルに行けばこれが見られる」という安心感があるんです。今まだ50万とかでも、70万人に行く伸び方をしているユーチューバーは、そういうものを持っていると思います。

でも、僕らが48万人止まりなのは、それがないからなんです。アメリカっていう場所に僕らは甘んじていると思う。「このチャンネルに行ったらこれが見られる」という安心感を出せてない。トップの人たちと比べると、「あれ、なんかカリブラの動画ってバラバラだな」と感じると思います。

カリスマブラザーズ ジョージさん

でもそれが逆にキャラになり得ない?

そこが葛藤なんです。登録者数や再生回数という数字を伸ばすためにやるのか、自分たちがこのままでいいと言って、48万人止まりとかでやっていくのか。でもユーチューブって、結局、数字を高く持っていかないと、だめだと思うんです。

そういう意味で僕らは方向を転換する時期に差し掛かっていて、100万人を目指せる位置にいると思うんです。だからもっと3人で話し合って、「僕らのチャンネルはこれでしょ」「視聴者が見たいのはこれだ」と、決めていかないといけないんですよ。

3人でやっていることはプラスになる?

僕らのようなグループユーチューバーで、成功しているグループには、圧倒的なリーダーがいます。でも、僕らの場合、3人それぞれの裁量権が33%ずつみたいな感じなんで、スクラム組んでやっているんですね。本来なら企画を話しあっていかないといけない。月曜は企画会議で、その1週間を決め、動画それぞれの数字を見直し、どれが受けて、どれが受けなかったか、確認する。それができはじめたら、僕らはもっと伸びると思っています。

でも、今、ジローは日本、みのと僕はアメリカと、バラバラです。それが僕らの停滞の理由だと、勝手に思っています。そう思っていたいのかもしれませんが(笑)、でも、一緒にいた方がいいんですよ。ファンは3人一緒に見たいんですよね。

ユーチューバーになって一番良かったことは「ファン」の存在

では、ユーチューバーのいいところは?

やっぱり一番はファンのみなさんです。ファンのみなさんは「クリエーターさんたちに支えられてる」って言ってくれるんですけど、僕らはイベントをやったりするとそこに来てくれるファンの皆さんに元気をもらってます。

感動するシーンがたくさんあります。例えば、所属している事務所(UUUM)のU-FES.というイベントで、ファンの人たちの中には、ウチワみたいなのを作って、応援したいユーチューバーの名前とかメッセージとか、そこに書いてきてくれるんです。ちょっとアイドル化してるんですけど(苦笑)、そのウチワに「幸せをありがとう」と書いていた女性がいました。でも、僕らの方こそ、幸せをもらっていて、来てくれてありがとう、なんですよ。そういうことに僕はとても感動します。こんな僕をサポートしてくれて、応援してくれようとする人たち、本当にすごい。ファンの中には東京とシアトルの時間がわかるように携帯を設定してる人たちもいるらしく。熱いです!

二番は、2年前まで何もなかった、まったくゼロだった僕らが、例えばこうしてインタビューされるとか、テレビに出られるとか、いろんな記事になったりとか、すごいです。この速さがユーチューバーならではじゃないですか。フィードバックがすぐ来る。良かったら数字が伸びる。悪かったら伸びない。早く結果をほしがる現代の若者にはぴったりですよ。そして、一攫千金のチャンスがある。世界一稼いでいるユーチューバーのPewDiePieは年収23億円とか言われますよね。

変化の激しいネット業界、ユーチューブ業界。これからは?

どうなるんでしょうね。アメリカで出たYouTube RED が日本に上陸間近で、アメリカでは最近YouTubeTVも始まりました、これから日本でも映画やドラマがYouTube上でもっと配信されるようになって、もちろんテレビみたいな番組形式やライブ配信も多くなっていくと思います。だからこれからはウェブでの動画に特化したプロデューサーや監督などの人材がもっと必要になるんじゃないでしょうか。

好きなことをとことんやる、個性を出せる・伸ばす環境が大切

カリスマブラザーズ ジョージさん

ユーチューバーは、今や「子供達が一番なりたい職業」ですね。

僕が親になったら、子供に投げかけたい質問があるんです。「なんでそれをやりたいのか?」って。子供の頃は純粋に「好きだから」だと思うので、それならとことんやらせたい。飽きたら違うものをやればいい。僕の場合、あまりゲームとかの遊び道具を買ってもらえなかった。言葉を選ぶのが難しいのですが、「あれをやりなさい」と言われて、「わかった」と答えるような、親が敷いたレールに乗っていた人生でした。自分の好きなものを探しにいく時間がなかったんです。

でも、今、絶対その時間が必要だったと思いますね。自分で見つけるっていう、そういう努力を子供にさせていかないと、大人になったときにほんとに困る。以前ほどではないと思いますが、日本は、オールラウンダーを良しとする風潮がありますよね。でも個性を伸ばすほうがいいんじゃないかなと僕は思うんですよ。そして「好奇心」を持つことと同時に、「探究心」も持ち合わせてもらいたいですね。アメリカは個性を尊重していると思います。好きなこと、得意なこと、それを見極めて伸ばせ、と。

「全力でやってみました!でも失敗しました!」っていう方が、僕は面白い。とにかく、人生、後悔だけはしない方がいいと思います。

カリスマブラザーズは個性的な3人の集まりですね。

めっちゃ個性的ですよ。でも感性が似てるんです。何をやりたいとか、こういうふうにしたいとか。

最終的に、自分の個性とか可能性とかを信じてあげられるのって自分しかいない。結局、自分との戦いですよね。「成功するぜ」と、みんなに言ってたっていいじゃないですか。何を恐れてるのかなって思いますよ。何をする時にでも、ゼロからのスタート。でも、何かマイナスがあるんじゃないかと恐れている。 

僕は「自分は何が好きなんだろう?」と、とことん突き詰めて考えたんです。そうやっているうちに、自分で何かを引き寄せることもありますよね。僕がもがいてもがいて、みのに会ってユーチューブの話が出たのは、自分で引き寄せたと思うんです。

でも、ユーチューブを始めて半年間、僕らは何のためにやってるのかわからず、視聴者も40人ぐらい、身内しかいないという状況でした。それは言わば、マイナスの状況ですよね。それでも楽しかったから半年間ほとんど無休でできたんです。きっとみんなにもそういうことがあると思う。自分が好きなもの、自分に1ミリもうそをつかない、まわりに何を言われても好きなことは何か、と。その好きなことを見つけたら、なんでもできる。

そうじゃないところに行ってしまうから、無理してストレスを抱えたりしてしまう。誰にもそういうことにはなってほしくないです。

10年後、僕は舞台監督とか、脚本とか、プロデューサーとかやっています。この間、ニューヨークに行ったんです。4日間いて、ミュージカルを3本を観て、とても感動しました。チケットを買いに行くというハードル、劇場に足を運ぶというハードル、席に座るというハードル、3つのハードルを越えて、最後はスタンディングオベーション。舞台上はユーチューブみたいな、刻んで作る編集なしのナマモノです。しかも、演奏も生演奏だし。「これ、神じゃん!」みたいな。

とんでもない努力があわさらないと感動するものは作れないですよね。それを見たとき、そんなナマモノに携わりたいとすごく思いました。なので、10年後はそういうことやってるはず!「ブランディングは主張」ですから、今から言っておきます(笑)。

余談:
いつもジャングルシティを見てくれているジョージさん。「ジャングルシティは、ウェブサイトが左寄りだった時から見てますよ。右にめっちゃ余白あるなーって見てたんですよ(笑)。ある時からパッときれいになって。ようやくリニューアルしたなと。歴史を感じます。ふだん、イベントも見ますし、インタビューも読みます。あと、ニュース!日本語で助かります」

掲載:2017年3月 取材:編集部

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