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アメリカでの妊娠・出産 第3回:お産の基礎

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アメリカでのお産は、ケアの仕方が日本と大きく異なるところがあります。でも、アメリカでの医療システムと構造がわかっていれば決して怖いことはありません。

アメリカでお産を含め家庭医として15年以上勤務している経験と、日本とアメリカの両方でお産をした妻の経験をふまえつつ、正常妊娠の場合の妊婦検診からお産まで、アメリカと日本の相違点に注目しながらお話しします。

第3回は、病院でのお産の基礎についてお話しします。

もくじ

病院にはいつ行くの?

妊娠37週以降になれば、赤ちゃん(胎児)はいつ出てきても大丈夫です。

病院に行くタイミングは、日本とアメリカで大きな違いはありません。規則的な陣痛が始まった、破水した、出血があった、胎児の元気がない(動きが少ない)などの症状があれば、病院に行って確認してもらいましょう。病院に行くかどうか迷うような時はあらかじめ電話で問い合わせるといいでしょう。産科のある多くのクリニックや病院では、24時間電話を受け付けています。病院に行ってお産が近いと判断されれば入院となり、まだもう少し時間がかかると判断されれば、「家に帰って様子を見て下さい」と言われることもあります。

アメリカでお産をしている多くの施設は複数の医師が協力して診療をしていますので、必ずしも外来担当の医師がお産に立ち会うとは限りません。施設によっては研修医(レジデント)や医学生、研修ナースが担当することがあります。その場合は、現場に指導医(アテンディング)もいます。

病院に何を持っていく?

日本人の患者さんからよく聞かれる質問です。多くの病院では入院に必要なものはほとんどすべて揃っていますので、基本的な身の回りのものさえあれば、他には何も持って行かなくても大丈夫なようにできています

病院内ではお母さん(妊婦)に薄いガウンが提供されますが、やや寒い印象がありますので、羽織るものがあるといいかもしれません。赤ちゃんの着る物、帽子、ブランケットやオムツも病院で用意されますが、せっかくですのでかわいい服を用意してもいいかもしれません。私達の経験では、お母さんがはくスリッパがあるととても便利でした。

入院時には持って行かなくてもいいのですが、退院時に忘れてはいけないのは赤ちゃん用のカーシートです。多くの病院では、カーシートがないと退院させてくれないので気をつけましょう。赤ちゃんの身体が小さい時は、カーシートにしっかりフィットするか確認してくれます。

立ち会い出産は当たり前!

アメリカでは出産時のパートナーや家族の立ち会いはごくごく普通に行われています。むしろサポートする人がいないと「大丈夫かな?」と思われるくらいで、一人で出産することは稀です。

病院によって違いはありますが、本人がよければ2〜3人までの立ち会いが認められているところが多いです。当院では、帝王切開でもパートナーまたは家族の一人が手術室に入り、出産に立ち会うことができます。

入院期間が短い!

アメリカのお産で一番びっくりするのは、入院から退院までが早いことかもしれません。

正常妊娠、正常分娩であれば1泊2日、または2泊3日で帰ることが多いです。陣痛が長引いたり、合併症が生じた場合はもう少し長くなる場合もありますが、初産の方でも退院の条件がそろえば2泊3日で帰ることができます。

その理由は、アメリカ人の多くは早く家に帰って落ち着きたいという気持ちが強いのと、病院にいるとお金がかかるということがあります。帝王切開の場合でも、手術をしてから2〜3泊で退院することがほとんどです。

この短い日数の間に産後チェック、赤ちゃんの予防接種やスクリーニング検査などを一気にするので、とても忙しくなります。

出産前までに赤ちゃんの名前を決めておくことをお薦めします。病院が出生証明書の最初の手続きをしますので、名前が決まっていないとかなり催促されます。

次回は実際のお産についてお話しします。

執筆:近藤洋先生(こんどう・よう)
Providence St. Peter Family Medicine Residency Program, Program Director
University of Washington Department of Family Medicine, Clinical Assistant Professor
北里大学医学部卒。北里大学麻酔科学にて麻酔専門医を取得後、バングラデシュでの医療協力を機に、家庭医への転科を決心し渡米。St. Peter Family Medicine Residency Program で家庭医研修後、ワシントン州スパナウェイの Community Health Care で産科を含めた家庭医として勤務。その後、家庭医研修医の指導医として St. Peter Family Medicine Residency Program に戻り、地域に根ざした医療、臨床及び研修医教育に携わる。2019年より現職。
【公式サイト】www.providence.org

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や医療アドバイスではありません。読者個人の具体的な状況に関するご質問は、直接ご相談ください。

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