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2025年2月:EB-2 国益免除による申請(National Interest Waiver)

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アメリカでは、雇用に基づいてグリーンカード(米国永住権)を申請することができます。

雇用に基づくグリーンカード申請は、外国人の能力や学歴・経歴によって、主に、EB-1、EB-2、EB-3、EB-4、EB-5という、5つのカテゴリに分かれています。

もくじ

EB-2とは

EB-2は第2優先カテゴリで、このカテゴリのグリーンカードの年間割当数は全体の28.6%に第1優先カテゴリで使われなかった分を合わせたものとなります。

第2優先カテゴリは、さらに次の2つのカテゴリに分かれています。

  1. 科学や芸術、ビジネスの分野で優れた能力の保持者(Exceptional Ability)
  2. 修士号以上の学位を持つ専門職者(Advance Degree Professionals)

通常、このカテゴリの申請には、労働認定証(Labor Certification)とスポンサー、つまり、Job Offerが必要となります。しかし、Schedule A Occupationsに該当する職業では、すでに労働局が「アメリカに十分な労働者がいない」と判断しているため、労働認定証は必要ありません。看護師や理学療法士、大学教授などが、このSchedule A Occupationsに該当する職業の一例です。

さらに、このカテゴリには、「申請者である外国人労働者の能力や技術が、アメリカにとって有益である」と判断された場合に限り、労働認定証(Labor Certification)とスポンサーを免除してもらうことができる国益免除による申請(National Interest Waiver)というカテゴリが存在します。

今回のコラムでは、この National Interest Waiver(NIW)についてお話します。

National Interest Waiver(NIW)カテゴリの申請

上述の通り、NIWのカテゴリの申請は、労働認定証(Labor Certification)とスポンサーが必要ないため、自己申請(Self-Petition)が可能です。

ただし、専門分野での国益への貢献を証明しなければならないため、起業家ではない場合、Job Offerがあるケースがほとんどです。

申請条件

  1. 科学や芸術、ビジネスの分野で優れた能力の保持者 (Exceptional Ability)、または修士号以上の学位、あるいは学士号と、学士号取得後専門分野での斬新的な経験5年を持つ専門職者 (Advance Degree Professionals)であること。

小見出し:Exceptional Ability とは

科学や芸術、ビジネスの分野で優れた能力の保持者であることを証明するためには、以下の項目のうち、少なくとも3つを満たさなければなりません。

• 専門分野での学位、証明書、または賞を持っている証拠。

• 過去の雇用主から、専門分野で少なくても10年間フルタイムの就労経験があることを証明するレター。

• ライセンスや認定証が必要な職業であれば、それらを持っている証拠。

• 専門分野での報酬が、専門分野での優れた能力に値する証拠。

• 専門分野の団体の会員である証拠。

• 専門分野での業績や実績、または専門分野への貢献に対して、同僚、政府機関、またはプロフェッショナル組織から認識されている証拠。

• 上記には該当しないものの、専門分野で優れた能力の保持者であることを証明できる証拠。

小見出し:Advance Degree Professionals とは

外国人労働者が専門分野に関連する学位を持っていることは当然ですが、Job Offerも専門分野での学位を必要とする職業でなければなりません。例えば、Mechanical Engineeringで修士号を取得した外国人労働者が、歯科衛生士としてのJob Offerがあっても、この申請条件を満たすことはできません。

また、もし、学士号と5年の経験をベースに資格を満たすには、5年の経験が斬新的でなければなりませんし、また、同じ専門分野でなければなりません。例えば、Computer Scienceで学士号を取得後、5年間マーケティングの仕事をしていたのでは、この申請条件を満たすことはできません。

  1. 米国に多大な価値と重要性のある分野の仕事に携わっていること。

外国人労働者自身の専門分野での活動が、アメリカの国益に繋がる必要があります。外国人労働者の活動が雇用主の利益に繋がるというだけでは、申請条件を満たすことができません。また、申請者が起業家の場合、会社を設立しただけでは、アメリカの国益への貢献を証明することはできません。

3. 申請者がその分野の仕事を前進させうる資質・条件を持っていること。

外国人労働者が、どのように国益に貢献できるのか、また、国益に貢献できる資格を持っていることを証明しなければなりません。単に、専門分野での経験があるだけでは、国益への貢献を証明するのに十分ではありません。

4. 総合的に判断して、労働認定証(Labor Certification)の免除が、米国にとって利益となること。

移民局は、NIWの申請を審査する際に、申請者が提出した証拠書類を総合的に審査します。審査において、単一の要素や証拠はありません。

琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
Kotokawa & Isohata, PS
6100 219th Street SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043. USA
Phone: (206) 430-5108
www.kandilawyers.com

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。

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