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アメリカ駐在を成功させるポイントとは?異文化理解とセルフケアで成果につなげる5つの心得

Photo by CoWomen on Unsplash
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この春にアメリカへ赴任された方も、現地での生活や仕事に少しずつ慣れてきた頃ではないでしょうか。また、昨年や一昨年に赴任された方の中には、現地スタッフとのコミュニケーションに苦労されている方もいらっしゃるかもしれません。

多くの日本企業や駐在員の支援実績から感じるのは、駐在の成功を左右するのは専門知識や英語力だけではないということです。今回は、弊社の独自視点による「アメリカ駐在成功のポイント」をご紹介します。 

目次

1. 文化の違いを理解する

日本とアメリカでは、コミュニケーションや意思決定の考え方が大きく異なります。代表的な理論であるホフステードの「文化的次元理論」では、日本は上司や組織を重視する傾向が強い一方、アメリカは役職に関係なく個人の意見を尊重する文化とされています。そのため、日本人から見ると「上司への遠慮がない」「組織のルールを軽視している」と感じる場面でも、現地ではごく自然な行動であることが少なくありません。まずは文化の違いを理解することが、信頼関係構築の第一歩となります。 

Table of six cultural dimensions with Japanese explanations: Power Distance, Individualism–Collectivism, Masculinity–Femininity, Uncertainty Avoidance, Long-/Short-term, Indulgence–Restraint.
*あくまでも日本と米国における傾向です

コミュニケーションスタイルの理解には、すべての文化的次元が重要ですが、スペースの都合もあり、今回はこの中でPower Distance(パワーディスタンス/上下関係・権限の違いへの許容度)について説明します。 

ハイパワーディスタンスは、基本的には上司や先輩の意見に従う、上席者の判断や決定を重視する傾向があり、日本やアジア圏の国はハイパワーであるとされています。

一方で、ローパワーディスタンスは、上下関係に関わらず個人の意見を明確に言う、役職の上下に関係なく個人や現場の判断が尊重される文化とされ、アメリカやヨーロッパ諸国が属すると考えられています。
引用: Project Communication from Start to Finish, Geraldine E. Hynes (2019) 

2.「伝わる」コミュニケーションを意識する

もう一つのコミュニケーション理論は、人類学者エドワード・ホールが提唱したコンテクストカルチャーです。

多くのアジアやアフリカ諸国に見られるハイコンテクストカルチャーは、間接的で非言語的なコミュニケーションを基盤とし、人間関係や社会的絆を重視する傾向があります。

一方、米国や多くのヨーロッパ諸国はローコンテクストカルチャーの国とされ、直接的な言語によるコミュニケーションが重視され、言葉や文字などによる明示的かつ詳しい説明が重要とされています。
引用: Beyond Culture, Edward T. Hall (1976) 

日本では空気を読み、行間を理解することが期待されますが、アメリカでは目的・背景・期待する結果まで、言葉で明確に説明することが重視されます。つまり「そこまで説明しなくてもわかるだろう」と考えてしまうと、誤解や認識のずれが生じやすくなります。 例えば、日本人マネジャーが「細かいことは都度、現場で判断してください」と伝えた場合、日本では「状況に応じて対応してほしい」という意味として理解されるのが一般的です。しかしアメリカでは、「どこまで自分で判断してよいのか」が明確でないと、不安を感じる社員が少なくありません。逆に、目的や役割、期限、判断権限まで細かく説明するのは、信頼していないからではなく、曖昧さを残さないことが相手への配慮という考え方によるものです。 

3. オープンマインドと柔軟性を持つ

観光や短期出張と異なり、現地法人で働く駐在員には、異文化への適応力が求められます。成功している駐在員に共通するのは、自ら現地スタッフへ積極的に声をかけ、価値観や仕事の進め方を理解しようとする姿勢です。 一方で、「現場に任せている」とは言うものの、十分なフォローアップをせず、距離が広がってしまうケースも見受けられます。信頼関係は待っていて築かれるものではなく、自ら行動することで育まれます。

4. 自分自身をマネジメントする

海外赴任では、本社からの期待、文化や言語の違い、孤独感など、多くのストレスを抱えることがあります。そのため、自分に合ったストレス解消法を見つけ、感情をコントロールすることも重要な能力です。 地域活動への参加や、アメリカにいるからこそできる趣味など、社外や日系コミュニティから離れたつながりを持つことは、心身のリフレッシュだけでなく、新たな視点や人脈づくりにもなります。 

5. 英語力だけに頼らない

駐在が成功する条件として英語力を挙げる方は多いものの、英語力だけを過度に重視する必要はありません。 もちろん英語力は重要ですが、流暢に言語を話せることと、現地スタッフとの信頼関係を築けることは別の能力です。

英語が完璧でも相手を理解しようとしない管理職より、多少英語が不自由でも相手の考えも尊重しようと、真摯に耳を傾ける管理職の方が、現地スタッフから信頼される場面を数多く見てきました。 実際に成功されている駐在員の中には、必要に応じて通訳を活用しながら成果を上げている方も少なくありません。 

おわりに

駐在の成功は、英語力や専門知識だけでは決まりません。文化の違いを理解し、相手を尊重しながら柔軟に行動できること、そして現地スタッフとの信頼関係を築くことが何より重要です。 また、文化の違いが「価値観の違い」なのではなく、「良かれと思っている行動が違う」という場合も少なくありません。相手の行動を評価する前に、その背景にある考え方を理解することが重要です。

執筆者

総合人事商社クレオコンサルティング
経営・人事コンサルタント 永岡卓さん

2004年、オハイオ州シンシナティで創業。北米での人事に関わる情報をお伝えします。企業の人事コンサルティング、人材派遣、人材教育、通訳・翻訳、北米進出企業のサポートに関しては、直接ご相談ください。
【公式サイト】 creo-usa.com
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