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第1回「子どもは自分を成長させる力を持っている」

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モンテッソーリ教育

みなさま、こんにちは。ワシントン州ベルビュー市でバイリンガル(日本語&英語)モンテッソーリ幼稚園、ピカケスクールの園長をしております斉藤カルコーヴァン智美と申します。

モンテッソーリという言葉を耳にされた方も多くいらっしゃるかと思います。世の中にはさまざまな教育法がありますが、モンテッソーリもその一つです。このシリーズでは、その視点から考える子どもの発達段階、幼児教育、子育ての参考になるようなことをお届けできたらと思っています。

目次

私とモンテッソーリ教育の出会い

モンテッソーリ教育

私は大学を卒業してすぐにディズニーランドが経営する舞浜にあるチャイルドセンターの立ち上げ事業に関わりました。その際にいろいろな日本の保育施設を訪問し、その中にモンテッソーリの園もありました。

その時は、「特徴のある教具を使用しているなあ」と感じただけで、なぜそこで出会った男の子が国旗の色ぬりに夢中になっているのかはわかりませんでした。でも、モンテッソーリの園では、多くの子ども達が集中して何かに取り組んでいたのが印象的でした。

その後、チャイルドセンターで勤務を始め、子どもと関わることに喜びを感じ、もっと深く真剣に幼児教育を学びたいと思うようになりました。そして、幼児教育を学ぶためにハワイの大学院に留学し、その大学院に付属していたモンテッソーリスクールで、モンテッソーリに再び出会ったのです。

ハワイの小学校の教員免許も取得し、地元の小学校とモンテッソーリの幼稚園の両方でインターンシップも体験しましたが、「モンテッソーリ教育が子どもの発達を大切にした、個々の良さを生かしてくれる教育法だ」と感じ、モンテッソーリの教師としての道を進むことにしました。

モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、ちょうど日本の明治維新の頃の1870年にイタリアで生まれたマリア・モンテッソーリが考案したものです。

逆境にもめげず、女性ではイタリア初のお医者様になったモンテッソーリは、その科学的見解から、人間の子どもの成長プロセスには普遍性があることを見出し、モンテッソーリ教育法を編み出しました。

モンテッソーリ教育法とは、「わたしが自分でできるようになるのを手伝ってね」という子どもの願いを尊重した教育法です。

そのベースにあるのは、「どんな子どもも生まれながらにして自分を成長させる力を持っています。大人の私たちの役割は、子どもが自分の身体の主人公になりたがっている、その気持ちを大切にし、見守り、ガイドすること。もし、子どもにできないことがあるとするならば、物理的に不可能な環境にあるか、どうしたらいいのかどうか、そのやり方がわからないだけなのです」という考えです。

私は、モンテッソーリの記した「どんな子どもも生まれながらにして自分を成長させる力を持っている」という考え方や「子ども全体を育てていく」という教育方法がとても好きです。モンテッソーリ教育の中には平和教育も含まれており、その根っこには平和的な考えを持った子ども達が平和の種になって、将来の世界平和を築いていってほしいという願いが込められています。

人間の成長の普遍的な原理に沿った教育法とされ、多くの著名人がモンテッソーリスクールの出身であることも後押しして、ますます注目を浴びるようになりました。

子育ては日々忙しいですよね。最近はリモートクラスという状況下、家にいる子どものリモート学習のお手伝いやサポートも増えて、親御さんたちが大変になってしまっているのではないかと思います。

私自身も朝はいっぱいいっぱいで、子どもができることを親の自分がやってしまい、子どもの芽を摘んでしまうことになってしまったかなとハッとすることが時々、あります。

特に、学びの種がまかれる3~6歳に大切なことは、体験から身体で学んでいくこと。大人が良かれとつい手を出してやってしまうことが、子どもの可能性ややる気の邪魔になってしまわないよう、子どもの持つ本来の力を信じ、一人でできるようにお手伝いをしていけたら良いですね。

次回は、モンテッソーリ教育で考える子どもの発達段階についてお話しできたらと思います。

文・写真:斉藤カルコーヴァン智美
慶應義塾大学文学部、シャミナード大学院幼児教育学科卒。ワシントン州ベルビュー市にある日本語と英語のバイリンガル幼稚園、ピカケスクール園長。日本では株式会社オリエンタルランドが経営するチャイルドセンターの立ち上げに携わり、プログラム・マネージャーを務めた。渡米後はモンテッソーリの教員として、ハワイとシアトルで約14年間勤務。2017年夏にベルビュー市でピカケスクールを創立。

Pikake School 公式サイト:www.pikakeschool.com

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