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第3回 ふれあい時間は、いちばん身近なマインドフルネス
― 忙しい毎日にできる小さな習慣 ―

Little girl being held up by an adult, smiling with a blue popsicle in her hand in a sunny park setting.
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皆さん、こんにちは。Yukoです。

前回は、心地よいタッチや歌が親子の「言葉の土台」を築くこと、そして“しあわせホルモン”と呼ばれるオキシトシンが、言葉を超えて心をダイレクトにつなぐサイエンスについてお話ししました。

今回は、初めての海外生活や慣れない環境の中で、知らず知らずのうちに「孤育て(孤独な子育て)」に陥ってしまっている方へ、心を少し軽くする「つながり」と「触れる習慣」についてお届けします。

目次

海外育児で感じる孤独やプレッシャー

Baby doll seated on a blanket in a sunny park, beside a signboard that reads ‘Park de Baby Message 6-13-2026’ with a shell centerpiece and lavender flowers.
6月に公園でベビーマッサージのイベントを開催

海外で子育てをしているみなさんは、ふと孤独を感じることはありませんか?

気づけば、一日中子どもとしか話していない。でも、パートナーは新しい環境や仕事に慣れようと必死に戦っている。「だから、私もがんばらなくちゃ。弱音を吐いちゃいけない…」と、一人で気を張り詰めていませんか?

かくいう私も、渡米当初は孤独を感じる毎日でした。そして、ナニーとして働く今でも、孤独、自問自答の日々です。

頼れる実家や友人が近くにいない海外生活では、社会からの孤立感や大人との会話の減少が、心に大きな負担をかけてしまいます。私のクラスに来てくださる方の中にも、「普段はワンオペ育児で大人と話す機会が本当に少ないから参加した」という方が少なくありません。

「子育ては楽しいはずなのに、どうもそうは思えない時がある」

でも、罪悪感を覚える必要はまったくありません。そう思うのは、あなたがそれだけ一生懸命に我が子と向き合っている証拠です。まずはよくがんばっている自分をいたわってあげてください。あなたはひとりではありません。

Village(ヴィレッジ)という考え方

Mother and grandmother watch two babies playing with toys on a sunny park picnic blanket under trees.
6月に公園でベビーマッサージのイベントを開催

アメリカには、“It takes a village to raise a child(子ども一人を育てるには、地域全体の支えが必要)”という言葉があります。親だけで抱え込むのではなく、社会やコミュニティ全体で子どもを育てていこうという考え方です。

日本でも現代は地域のつながりが薄れ、「孤育て」が大きな社会問題となっていますが、渡米された方々にとっても、これはすぐそばにある現実ではないでしょうか。

だからこそ、私たちは意識して自分の「Village(地域や仲間)」を作っていく必要があります。私のクラスも、ただマッサージの手技を学ぶ場所ではなく、同じように海外育児に奮闘する親御さんたちがつながり、弱音を吐き出せる温かい巣のような「Village」でありたいと願っています。

触れる時間が親子にもたらす安心感

Father holding a laughing baby as a woman leans in, engaging the child during indoor playtime.

コミュニティという外側の「Village」と同時に、家庭内で親子の絆を深める「触れる時間」も、心の大きな支えになります。

実は、ベビーマッサージは赤ちゃんのためだけのものではありません。触れ合うことで、マッサージを「する側」である親御さんの脳内にも同じようにオキシトシンが分泌されます。このホルモンには、ストレスを軽減し、気分を前向きにし、子育てへの自信を高める効果があります。臨床的にも、タッチケアが産後うつの症状緩和や予防に役立つという研究結果が報告されています。

ベビーマッサージを通して持つ“触れる”時間は、子どもも大人も、リラックスして“ありのまま”でいられる時間です。肌の温もりを通じて「ここにいて大丈夫」という安心感が双流し、親子の心が今この瞬間に完全に一致する――それこそが、いちばん身近な「マインドフルネス(心の安らぎ)」なのです。

日常の中のふれあい習慣と5つのポイント

ふれあい習慣は、日々のルーティンの中に、ほんの数十秒、数分だけ「意識して触れる」瞬間を組み込むだけで十分です。日常のほんの少しのふれあいが、張り詰めた心のコリをほぐし、安心の基地を作ります。

このマインドフルネスな時間をより効果的に楽しむために、私がクラスでも大切にしている5つのポイントをご紹介します。どれも難しい技術ではなく、お互いの安心感を高めるための「心の寄り添い方」です。

  1. やる前に赤ちゃんの許可をとる:「今からマッサージしようね」と優しく声をかけることは、一人の人間として尊重されている安心感を育てます。
  2. たくさんのアイコンタクト:視線を合わせることで、言葉を超えた深い信頼関係が生まれます。
  3. ポジティブな言葉とちょっと高めの声のトーン:高めで優しい声(マザリーズ)は、赤ちゃんの脳をリラックスさせ、心地よさを引き出します。
  4. じっくりしたマッサージの圧:優しく包み込むような、でも頼もしさを感じる絶妙な圧が、身体的な安心感に繋がります。
  5. 嫌がったらすぐやめる(赤ちゃんのキューに合わせる):赤ちゃんが泣いたり顔を背けたりしたら、それが「今はやめてね」のサイン(キュー/cue)。すぐに中断して抱っこしてあげることで、絶対的な信頼感が生まれます。

一人でがんばりすぎず、外のコミュニティに手を伸ばし、目の前の我が子の温もりに触れてホッと一息つく時間をもてますように。そして、シアトルという美しい街での育児が、あなたにとって心地よく温かいものになりますように。

子どもは親御さんの完璧さよりも、ありのままのママやパパ、そして安心を求めています。ふれあいを重ねると、子どもの心は愛で満たされ、安心の土台が出来上がります。

写真:本人提供

執筆者

リビングストン 祐后(ゆうこ)
元看護師。ベビーマッサージ教室主催&産後ドゥーラ。2008年より東京都立小児総合病院(旧・清瀬小児病院)にて、小児科や産科など多岐にわたる領域で10年以上の臨床経験を積む。2024年、Blossom&Berry ベビーマッサージインストラクター認定。現在はシアトル近郊を拠点に、日本語と英語のバイリンガルで親子向け教室を開催。発達心理学に基づいたアタッチメント(愛着形成)を軸に、マッサージを通じた「子どもの心を育む親子の絆づくり」をサポートしている。

公式サイト:yukomylilnest.podia.com
公式インスタグラム:@yuko_lilnest_babymassage
メール:yukoliv0513@gmail.com

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