ワシントン州の州立公園などを利用する際に必要な『ディスカバー・パス(Discover Pass)』の料金が、2025年10月1日に改定されました。1日利用のデイパスは引き続き10ドルのままですが、年額パスの料金は現行の30ドルから45ドルに値上げとなっています。ワシントン州公園局(Washington State Parks and Recreation Commission)の発表によると、この値上げは2011年の導入以来初めてで、長期的なインフレへの対応が理由です。
ディスカバー・パスとは?
ディスカバー・パスは駐車許可証で、購入日から1年間有効。2台の車両間で共有することが可能です。このパスを利用することで、同乗しているすべての人が以下の場所にアクセスできます。
- 100を超える州立公園
- 350以上のレクリエーション・サイト
- 700を超える水辺のアクセス・スポット
- 90以上の自然保護区および自然資源保護区
- 33の野生生物保護区
利用対象は、ワシントン州公園局(State Parks)、ワシントン州魚類野生生物局(Washington Department of Fish and Wildlife)、自然資源局(Department of Natural Resources)が管理する土地となっています。
値上げの背景
2025年4月にワシントン州議会で可決され、5月に州知事ボブ・ファーガソン氏が署名した法律に基づいて料金改定が行われました。ディスカバー・パスの収益はすべて州公園局のトイレの清掃、トレイルの維持、森林の健康管理、海岸線保護など、幅広い活動に充てられています。
障がい退役軍人パス(LDV)の拡大
今回の法改正により、『生涯障がい退役軍人パス(Lifetime Disabled Veterans Pass)』の利用範囲が広がりました。これまでは州立公園のみの対象でしたが、2025年10月1日以降は以下の土地にも無料でアクセスできます。
- 自然資源局(DNR)管理地:330万エーカー、80のキャンプ場、複数の水辺アクセス・係留地
- 魚類野生生物局(WDFW)管理地:100万エーカー以上、全33野生生物エリア、数百の水辺アクセススポット
ただし、キャンプ予約や変更に対して手数料が発生します。
今後の料金見直し
新たな法律では、ワシントン州予算管理局(Office of Financial Management)が4年ごとに料金を見直し、議会へ勧告する仕組みも導入されました。これにより、利用実態や経済状況を踏まえた定期的な見直しが行われることになります。
まとめ
ディスカバーパスは、ワシントン州の豊かな自然を楽しむために欠かせない制度であり、その収益は公園や自然保護活動を支える基盤となっています。今後も州の自然資源を次世代に継承するために最大限に有効活用されることが求められます。詳細はディスカバー・パスの公式サイトでご覧ください。