ワシントン州では、2026年1月1日から最低賃金が時給17.13ドルに引き上げられます。
州法に基づき、州労働産業局(Washington State Department of Labor & Industries、以下L&I)は毎年、米国労働統計局(U.S. Bureau of Labor Statistics)が公表する「都市部の賃金労働者および事務職員向け消費者物価指数(CPI-W)」をもとに最低賃金を算出しています。前年度8月と当年度8月のCPI-Wを比較し、その上昇率に応じて最低賃金が調整されます。
2025年時点の州最低賃金は時給16.66ドルで、全米で最も高い水準です。地方自治体は州よりも高い最低賃金を設定することが可能で、シアトル、シータック、タクウィラ、レントン、エベレット、ビュリエン、ベリンハム、キング郡未編入地域ではすでに上回る最低賃金が適用されています。一方、連邦の最低賃金は時給7.25ドルに据え置かれています。
残業免除対象従業員の給与基準も引き上げ
最低賃金の上昇に伴い、残業代の支払い対象外となる従業員(Exempt Employee)の給与基準も引き上げられます。
2026年は、全ての雇用主に対して、残業免除対象従業員の給与を最低賃金の2.25倍以上にすることが義務付けられます。これは週給1,541.70ドル(年収80,168.40ドル)に相当します。
この基準は2028年まで段階的に引き上げられる予定で、最終的には最低賃金の2.5倍となります。なお、コンピュータ関連職の免除対象者については、年俸ではなく時間給での支払いも可能で、2026年は時給59.96ドルです。
若年労働者・ライドシェア運転手への影響
14〜15歳の若年労働者に対しては、最低賃金の85%の支払いが認められており、2026年は時給14.56ドルとなります。
また、ライドシェア運転手の最低報酬も2026年1月1日に引き上げられます。
- シアトル市内
1分あたり0.70ドル+1マイルあたり1.63ドル、または6.12ドル(いずれか高い方) - シアトル市外
1分あたり0.40ドル+1マイルあたり1.38ドル、または3.55ドル(いずれか高い方)
競業避止契約(Non-compete Clauses)の年収基準も変更
L&Iは、競業避止契約が有効とされるための最低年収基準もCPI-Wに基づいて算出しています。
- 従業員:126,858.83ドル
- 独立請負人:317,147.09ドル
賃金に関する苦情・相談窓口
L&Iは州の労働基準法を執行しており、すべての賃金支払いに関する苦情を受け付けています。苦情はオンライン、郵送、または地域オフィスで提出可能です。
労働者の権利や賃金に関する相談は以下から行えます:
- 電話:360-902-5316
- フリーダイヤル:1-866-219-7321