シアトル市は、2026年1月1日から市内の最低賃金を時給21.30ドルに引き上げます。これは物価上昇率(CPI-W)に基づく毎年秋の定期改定によるもので、現在の時給20.76ドルからの上昇となります。
2025年から全雇用主に共通の最低賃金を適用
2025年1月1日から、シアトルでは事業規模(Schedule Size)に関係なく、すべての雇用主に同一の最低賃金が適用されています。
小規模事業者によるチップや医療保険給付金の控除は認められません。すべての従業員に対し、最低賃金を直接支払うことが義務付けられています。
2026年の最低賃金額
| 適用開始日 | 最低賃金 |
|---|---|
| 2026年1月1日(木) | $21.30(時給) |
この引き上げ額は、シアトル・タコマ・ベルビュー都市圏の物価上昇率(Consumer Price Index for Urban Wage Earners and Clerical Workers:CPI-W)を基準としたインフレ率に応じて決定されています。Office of Labor Standards(OLS)は、毎年秋に翌年の最低賃金を発表する運用を行っています。
シアトル以外の地域との違い
シアトル市の最低賃金は独自の条例に基づいて設定されており、他都市の最低賃金法の影響を受けません。シアトル以外の都市や地域では、それぞれ独自の最低賃金が定められています。
ワシントン州全域の地域別最低賃金は、Washington State Department of Labor & Industries(L&I)の「Local Minimum Wage Rates」で確認できます。ジャングルシティでも記事を掲載しているので、ご覧ください。

最低賃金の確認方法
また、キング郡内で働く・事業を営む人は、住所を入力して該当する最低賃金を確認できる「Minimum Wage Lookup」マップが利用可能です。
OLSは、市内の雇用主・従業員を対象に、最低賃金に関する情報提供や研修の申し込み受付も行っています。事業者や従業員向けのガイドラインやサポート情報は公式サイトで確認可能です。
シアトル圏の物価上昇率、年間2.8〜3.8%に 住宅価格や生活コストの上昇が背景に
USA Facts によると、シアトル〜タコマ〜ベルビュー地域では、2024年8月から2025年8月にかけての消費者物価指数(CPI-U)が約2.8%上昇しました。また、労働統計局によると、同期間に3.2%の上昇が報告されています。
この上昇率は、「住居」「食料」「エネルギー」「医療」「交通」など生活費を構成する主要品目の価格変動を反映しています。特に住宅価格と家賃の上昇が大きな要因となっており、生活コスト全体を押し上げているとされています。

