シアトルで最初の日本人建築家・小笹三郎氏が設計し、1910年に完成したパナマ・ホテルの新しいウェブサイトが完成し、公開されました。
日本からの移民が初めてアメリカ北西部に移住したのは1880年代。その後、日本から単身渡米した男性が宿泊する施設として開業したパナマ・ホテルは、1941年に日本がハワイの真珠湾を攻撃して太平洋戦争が勃発するまで「日本町」として栄えていた地域で営業し、翌年の1942年2月に大統領令9066号が発令された後、強制収容されることになった日本人とその子孫の日系アメリカ人の所持品を保管する場所となりました。
終戦後、すべての日本人と日系アメリカ人がシアトルに戻ってきたわけではなく、当時の経営者タカシ・ホリ氏が保管場所として提供したホテルの地下室には、引き取り手が現れなかった所持品がそのまま保管されています。1985年にホリ氏からこのホテルを購入したジャン・ジョンソンさんが1階をカフェとして改築した際、この地下室の一部と所持品の一部が見られるよう床の一部がガラスの床に張り替えられました。
パナマ・ホテルは、2006年に米国内務省により国定歴史建造物と指定され、2015年にナショナル・トラストにより米国の国宝に指定されました。また、2020年には日本の外務大臣表彰を受賞しています。
©Yuri Hikita
新しいウェブサイトでは、パナマ・ホテルの歴史や、北米に唯一保存されているホテル地下の日本式公衆浴場 『橋立湯』 の内観写真、1910年完成当時から使われ続けている設備や建築の特徴について紹介されています。
Panama Hotel
607 South Main Street
Seattle, WA, 98104
www.panamahotelseattle.net
