昨年7月にジャングルシティでもお伝えした、アムトラック・カスケーズの次世代列車「Airo」。その第1編成が2026年5月17日、シアトルのキング・ストリート・ステーションに到着しました。
「あの列車、どうなったっけ?」と気になっていた方も多いのではないでしょうか。ここで改めて、現在の進捗と、これから何が起きるのかを整理しておきます。
3段階のテストを経て、ついにシアトルへ
第1編成は、コロラド州プエブロの専用試験場でのテストからスタート。制動性能、乗り心地、ソフトウェア、安全システムの確認など、約400kmの走行試験を完了しました。
次に、アムトラックが自ら管理・運営する東海岸のノースイースト・コリドーで実際の線路を使った走行試験を実施。他の鉄道会社の線路を借りると日程調整に時間がかかるため、自社線区での試験を先行させた形です。
そして5月17日、最終テスト地のシアトルに到着。ここからは、路線固有の安全システムとの通信確認、乗務員訓練、模擬運行と続きます。
乗れるのはいつ?運行開始の見通し
アムトラックとワシントン州交通局(WSDOT)は、2026年秋の営業運行開始を予定しています。最初は2編成を使って運行し、3編成目は予備として確保する計画です。
ただし、乗客を乗せるには「3編成がパシフィックノースウェストでのテストを完了していること」「乗務員・整備スタッフの訓練が完了していること」の両方が条件とされています。全8編成の製造は2026年中に完了する見込みで、順次投入される予定です。
座席数は大幅増、快適性も向上
新型 Airo の車体には、アムトラック・カスケーズの象徴的なグリーン、クリーム、モカの三色が採用されました。また、各車両にはカスケード山脈のグラフィックがあしらわれ、シアトルやオレゴンらしい地域性を反映したデザインとなっています。
1編成あたり317席を確保。現行のタルゴ8(232席)から約40%増、アムフリートI(160席)と比べるとほぼ倍増となります。ビジネスクラスとコーチクラスの2クラス制で、どちらも全座席にUSB-C充電ポートと無料Wi-Fiが備わります。
カフェカーも刷新され、パシフィックノースウェスト産の食材を使ったメニューが楽しめるようになる予定。粒子状物質の排出量は旧型比で最大90%削減と、環境性能も大きく改善されています。
- 広々としたパノラマ窓とテーブル付きの座席で、美しい景観をより快適に楽しめる
- 300人以上収容可能な車内には、クッション付きヘッドレスト、頑丈なトレイテーブル、水筒ホルダー、タブレットホルダーなどが完備
- 新設計の食堂車では、地元産ビールやワイン、スピリッツ、軽食などが楽しめる
- 電源・USBポート完備、無料Wi-Fi、デジタル案内表示など現代的な設備を導入
- 自動ステップやタッチレス操作のトイレなど、バリアフリー対応も充実
シアトルで整備施設の建設も進行中
新型列車を支えるインフラ整備も並行して進んでいます。シアトル市内のソードーでは、Airo専用の整備施設の建設が総事業費3億ドル規模で進行中です。2027年の完成を目指しており、現在約50%の進捗状況です。
新施設には整備ベイ2棟、清掃・点検ベイ1棟、駐車デッキなどが含まれ、将来的なAiroフリートの拡充にも対応できる設計となっています。
秋の旅行計画に組み込んでみては
シアトルからポートランドへは約3時間半、バンクーバー(カナダ)へは約4時間。I-5の渋滞や駐車場の手間を避けながら、景色を楽しみつつ移動できるのが列車旅の魅力です。
新型Airoが加わることで快適性と定員が大きく向上しますから、秋以降の旅行計画に選択肢として入れておく価値は十分あります。運行開始の最新情報はアムトラック・カスケーズの公式サイトでご確認ください。


