2026年1月、連邦政府は小児ワクチンに関する推奨内容を変更し、これまで定期接種として推奨されてきた一部のワクチンを、連邦レベルの推奨から外しました。
定期接種の推奨から外されたのは、A型肝炎(Hepatitis A)、B型肝炎(Hepatitis B)、ロタウイルス感染症(Rotavirus)、RSウイルス感染症(RSV)、インフルエンザ(Influenza)、髄膜炎菌感染症(Meningococcal disease)などです。これらはいずれも、重い症状や合併症を引き起こす可能性のある感染症として知られています。
ワシントン州の方針
この連邦政府の決定を受け、ワシントン州保健局は公式声明を発表し、州としての予防接種の推奨方針は変更しないことを明らかにしました。ワシントン州の声明全文はこちら。
州保健局によると:
- 今回の連邦レベルの変更は、通常行われる予防接種諮問委員会(ACIP)による科学的な審査や、小児医療の専門家の検討、一般からの意見募集を経ずに決定されたものです。
- また、ワクチンの安全性や有効性について、新たな科学的根拠が示されたわけではありません。
- 一方、ワシントン州の予防接種に関する方針は、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)と整合しており、数十年にわたる研究結果をもとに定められています。
州保健局は、保護者に対し、子どもを推奨されている予防接種スケジュールに沿って接種させること、また不安や疑問がある場合は、信頼できる医療従事者に相談するよう呼びかけています。
「定期接種の推奨から外れる」とはどういう意味か
今回の連邦政府の変更について、ワクチンの使用が禁止されたわけではありません。
「定期接種の推奨から外れる」(removed from federal recommendation)とは、国として一律に勧める接種スケジュールから外れることを意味しますが、ワクチンそのものが危険と判断されたり、接種できなくなったりするわけではありません。
ワシントン州では、これまで通り医師と相談のうえで小児ワクチンの接種を続けることが可能です。州保健局は、インターネット上の情報だけで判断せず、医療の専門家と話し合うことが重要だとしています。
州単位での違い
日本では、予防接種法に基づき、国が定めたワクチンが「定期接種」として位置づけられています。一方、アメリカでは、連邦政府の推奨に加え、州ごとに独自の予防接種方針が定められている点が大きな特徴です。
そのため、今回のように連邦レベルの推奨が変更されても、州が科学的根拠に基づいて接種を推奨し続けるケースがあります。
ワシントン州では、多くの予防接種について、学校やデイケア、プリスクールなどに通うために接種証明の提出が求められています。これは、集団生活の場で感染症の拡大を防ぐことが目的です。
州が定める要件を満たさない場合、原則として登校や通園が認められないため、保護者は州の予防接種要件と学校・施設のルールを確認したうえで、医師と相談しながら対応を検討することが重要とされています。


