先月25日にミネアポリス市警の警察官に拘束されたジョージ・フロイドさんがうつぶせにされ膝で首を押さえつけられ呼吸ができず死亡した事件を受け、アメリカ社会の構造的差別、そして警察の黒人に対する暴力への抗議活動が全米で続いています。
シアトルでも29日からダウンタウンやキャピトル・ヒル、インターナショナル・ディストリクトで抗議活動が展開されましたが、週末には平和的な行進の最中に子どもが催涙スプレーをかけられ泣き叫ぶ様子や、逮捕されうつぶせにされた男性の首に警察官が膝を乗せていた動画などが拡散され、シアトル警察の対処への非難が高まっています。
シアトル警察の説明責任局(OPA)は1日、シアトル警察の対応について約1万2000件の苦情が寄せられていると発表。その中から最も多くの苦情を受けた10件の具体的な事例を紹介し、各ケースの調査の進捗をウェブサイトおよびツイッターで確認できるよう、ケース番号を公開しています。
- Pepper spraying a young girl 幼い少女に催涙スプレーをかけた(土曜日): 2020OPA-0322
- Punching a person on the ground who was being arrested 逮捕拘留中の男性を地面で殴った(金曜日): 2020OPA-0323
- Placing a knee on the neck area of two people who had been arrested 逮捕拘留中の人の首のあたりに膝を乗せた(土曜日): 2020OPA-0324
- Covering up badge numbers 警官個人を特定するバッジの番号を隠した: 2020OPA-0325
- Failing to record law enforcement activity on body-worn video ボディカメラで警察の行動を記録していない: 2020OPA-0326
- Pepper spraying peaceful protestors 平和的な抗議者たちに催涙スプレーをかけた: 2020OPA-0327
- The use of flashbangs, including causing a significant thumb injury 閃光弾(flash bangs)の使用、親指に重傷を負わせた(土曜日): 2020OPA-0328
- Failing to secure rifles in the rear of a patrol vehicle パトロールカーの車内でライフルを適切に保管していなかった(土曜日): 2020OPA-0329
- Punching a person on the ground who was being arrested 逮捕拘留中の人を地面で殴った(土曜日): 2020OPA-0330
- Officers breaking windows of a Target store Target の店舗の窓ガラスを警察官が割った(曜日不明): 2020OPA-0331
OPA はこの調査は、法律と警察の団体交渉協定を考慮して、民間主導で可能な限り透明性の高いものとされると強調しています。また、ボイスメール、またはオンラインのフォームでの苦情を提出することを奨励しており、調査に役立ちそうな動画がある場合は提供するよう呼びかけています。
1日時点で、OPA は「幼い少女に催涙スプレーをかけた疑惑が持たれ、写真がソーシャルメディアで拡散された警官は、初期調査ではこの件に関与していないことが判明した」としていますが、調査が続けられているため、詳細はまだ公開されていません。
シアトル警察は1日夜にキャピトル・ヒルの東管区警察署付近で展開していた抗議活動で参加者が石やボトル、花火を投げつけ、バリケードを突破しようとしたことから、暴動(riot)があったとする声明を出しました。しかし、ソーシャルメディアでは警察が参加者の傘をつかんで引っ張り合いになった時点から警察が催涙スプレーを吹き付けるなどし、一気に状況が変化したと主張する動画が多数拡散されています。こうした件も今後 OPA が調査し、真実が判明することが期待されます。
#Flashpoint on Capitol Hill – @MayorJenny @komonews @KIRO7Seattle @KING5Seattle @Q13FOX @seattletimes @jseattle @AP pic.twitter.com/WMoDd76A16
— Converge (@WWConverge) June 2, 2020